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Doug Sahm [Today's Album]

「Texas Rock For Country Rollers / Sir Doug & The Texas Tornados」 1976
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Texas Rock for Country Rollers

Texas Rock for Country Rollers

  • アーティスト: Sir Doug & the Texas Tornados
  • 出版社/メーカー: Edsel
  • 発売日: 1997/09/23
  • メディア: CD

ロンゲにヒゲにモミアゲ、若き日のDougのトレード・マークである。(メガネもか?)
私はヒゲはまあまあ濃いのだが、モミアゲが無い。巷では永久脱毛をする男子も少なく無いらしいが、私は逆に植毛して欲しいぐらいだ。ミクロ○ンパスタなる頭髪以外に使う増毛剤をモミアゲに刷り込んでいたこともあったが
一向に生えてこず・・・。カッコから入る馬鹿です・・・。

Doug Sahm、Sir Douglas Quintet、Texas Tornados等と様々な名義でアルバムをリリース、人騒がせだが苦労してでもアルバムを集める価値がある憎めない親父だ。Doug Sahm & The Tex Mex Tripなんてのもあったなぁ。正直私もこの人が正規のスタジオ盤を何枚リリースしたのか把握してません。ベスト等の編集盤がまたゴチャゴチャ家にもいっぱいあってダブり曲あり、微妙にテイクが違う曲あり・・・。

Blues、R & B、Country、Swing、Folk、Jazz、Conjunto、Cajun、Polkaとあらゆる音楽を吸収して、大らかな人柄を思わせる包容力のある声で歌い上げるDoug Sahmはもちろん、TexasはSan Antonio生まれ。5歳でラジオ・デビューしてその喉を披露、子供の頃から地元のカントリー・コンサートに出入りしており、カントリー好きおっさん達に"Little Doug Sahm"と呼ばれ、可愛がられていたらしい。死ぬ2週間前のHank Williamsのステージに引っ張り上げられたという逸話も・・・。

ローカルでの活動を経て、1965年にSir Douglas Quintetを結成、メンバーにはその後Dougの片腕となる幼馴染のオルガン、ギター・プレーヤーである食料品屋の息子、Augie Meyersも既に含まれていた。この年にリリースした「She's About a Mover」がスマッシュ・ヒット。その後カリフォルニアに渡りSmashに数枚のアルバムを残す。その中には時代がらサイケな要素も含みつつ、既にDoug独特のTex-Mexサウンドが確立されていた「Mendocino」も含まれている。

Jerry Wexlerに呼ばれてTexasに戻りAtlanticと契約、レコーディングに集まった面子はBob Dylan、Dr. John、David Bromberg、Flaco Himenez。リリースされた73年の「Doug Sahm and Band」は名盤、特にDylan とのデュエットが聴ける「Is Anybody Goin To San Antonio」は強烈な個性を持った二人のヴォーカル、陽気で哀愁がある楽曲が絶妙のTex-Mexの名曲!

そんなDougのカントリー・サイドの魅力が凝縮されたのがこのアルバム。

①「I Love The Way You Love」はAtwood Allenという人の曲。Bruce Robison、Kris Kristoffersonもこの人の曲を取り上げていることからTexasのカントリー系ソングライターだと思うのだが、勉強不足でよく知りません。此処ではCCR調のカントリーロックに仕上がっているが、ヴォーカルが強烈!
②「Cowboy Peyton Place」は心地よくスウィングするカントリー・ナンバー。これもヴォーカルが強烈!
③「Give Back The Key To My Heart」はオルタナ・カントリー初期の名作、Uncle Tupeloの「Anodyne」でDoug本人をゲストに向かえカバーされていた名曲。Jay Farrerの重たいヴォーカルも良いけど、この人が途中から出てくるととガラッと空気が変わってたなぁ。此処ではカバー・バージョンよりも淡々と演奏されているがヴォーカルが強烈。
④「Wolverton Mountain」は往年のカントリー・スター、Cloude Kingの62年のヒット曲。直ぐにそれとわかるキュートなAugie MeyersのVox Organをフューチャーしたカントリー・チューンで、ヴォーカルが強烈!
⑥「Float Away」、フェイザーかフランジャーかな?とにかく揺れ系エフェクトをかませたエレキがカッコ良すぎのへヴィーなカントリー・ロック。Bottle Rocketsのカバーも良かったが、こちらの方がヴォーカルが強烈!
⑦「I'm Missing You」は、正にワン・アンド・オンリー、野暮ったくも甘く切ない、強烈なヴォーカルに心を掻き毟られるメロウなナンバー!
⑩「You Can't Hide a Redneck」は、このアルバム中では異色のへヴィーなブルーズ・ナンバーだが、この人にはお手のもんだ。終わり際、紙一重の強烈な雄たけびにのけぞる!

こうやって聴きなおしてみると、この人はメロディー・メーカとしても優れているのを再認識。
セールスとは無縁だったが、晩年の彼も精力的に活動しており、自分の活動に加えてAmos Garrett、Gene Taylorとの競演盤「The Return of the Formerly Brothers、Tex-Mex版Traveling Wilburysともいえる、Augie Meyers、Freddy Fender、Flaco Jimenezとの超スーパー・バンド(一部の人達の間でのみか?)"Texas Tornados"の結成は、コアなアメリカン・ミュージック・ファンを狂喜させた。
1999年心臓発作で突然の死去。

Doug Sahm 死すともTex-Mex死なず!

Dylanをも魅了したTexasの裏番長Dougを体験せずに人生を終えるのは不幸すぎる!
アメリカン・ロック好きで聴いたことがない人は、今すぐCD屋に走るか、どっかの販売サイトに飛んでください!

今も天国で、陽気で切ないフィドルをかき鳴らし、自慢の喉を披露しているに違いない。



Video 「Nuevo Laredo / Sir Douglas Quintet」
動くSir Doug!ロンゲにヒゲにモミアゲがカッコよすぎだ!
トランペットを吹きながら、オルガンを演奏するAugieもお茶目だ!

Video「Who Were You Thinking Of / Texas Tornados」
濃厚過ぎる4人!


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定期病状報告 [脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)]

特に報告するべき変化が無ければ、会見を行わなくても宜しいでしょうか?
相変わらず細かい周期の上下は激しいけど、大きい症状の変化は無し。


バスの中ほど、進行方向に向かって右側の席に私は座っていた。
ある停留所でライフルを持った男が乗ってきて、乗客に手を挙げるように促す。

バス・ジャックだ。

言われるがままに両手を上に挙げるが、徐々に痺れてくる。
男は凄みを利かせ乗客を睨み回しながら、バスの後ろまで歩いていく。
運転席の方に戻り際に、私と目が合う。
割と小柄だったその男は、私のことを唯一バス内で障害になり得ると判断したのだろうか、
挙げていた私の左手のひらに向けてライフルをぶっ放した。

手のひらの真ん中あたりに見事に穴が空いた。その数秒後、
血が噴出し、
苦痛に顔を歪める。
ポケットに入っていたバンダナで傷を塞ごうとしながら、
なんとか我慢できる痛みであることを認識した・・・。

という夢を見た。

どういうことでしょうか?分析してください。
最近頻発する発砲事件、痺れが強い左手の影響、
又は変な映画の見すぎだろうか?

今日は神奈川県内の病院の診察でした。

診察といっても6月の熱海での治療までは特にすることは無く、10分ぐらい話をして、薬を処方してもらうのみ。
朝10時に家を出て、帰ってきたのは5時過ぎ、流石に疲れる。
なんて言っているとまともに働いている人に怒られそうだが・・・。
電車の座席にギュウギュウに座って肩をすぼめている状態で10分もちません!
腕がしびれてたまらんかったので、今日も結局殆ど立ち通しだった。

穴が埋まって症状が消えるとしても、その後しばらく本気でリハビリして体力付けないと社会復帰できないな・・・

因みにボトックスについても訊いて見たら、「通常は前斜角筋にボツリヌス菌を注入するんだけど、Mudslideslimさんの場合、前斜角筋無いからなあ、中斜角筋に入れるのかなあ?」だって。

やっぱ止めとくか・・・。


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Old Soldier Never Dies [MudslideslimのDetox]

体内、心に溜まった毒素を吐き出して、健全な肉体と精神を取り戻そうという、今巷で話題のデトックス療法を取り入れた新コーナーMudslideslimのDetox。例によって不定期、いつまで続くか、いつ終わるかもわかりません!
吐き出された毒に気をつけてください!

以前紹介したWarren Zevonのボーナス付リマスター盤、「Excitable Boy」のみだが、欲望に敢え無く屈して購入、やはりRhinoのマスタリングは音いいっす!

Jack Ingram
の新譜、「This Is It 」は予想通り彼の作品中最低の凡庸な売れ線カントリー。まず音が硬い。メロディセンスがあるのは認めるけど、この音作りじゃ受け付けませんって!
ていうか、これカントリーかよっ!ポップロックだろっ、こりゃ!でも今のカントリー・チャートってこういう音の人がよく入っているんだよね。これが一番売れてるってことは、こういう音を好む人のほうが多いってことなんだろうけど・・・。だからこちらの方が好きという方も多いと思うので、私の過去記事を見て、こいつとは趣味合わん!という方にお薦めの一枚。
まあ少しは稼がせてやろうか。君の作品を愛しているからこそ苦言を呈す!一稼ぎしたらこちらに帰ってきなさい!新作も一般的には悪くはないんだろうけど、君にはいなたい音のカントリーロックが良く似合う!古くからのファンを見捨てるな!私のブログを読んでいる事を願う!

ここから本題、

軋む身体に鞭打ち、久々にリハビリも兼ねて(言い訳)中古盤漁りに出かけてきた。
中古盤屋は戦場である。それも土曜日などは特に・・・。
中古盤漁りには独特の喜びがある。お目当ての物が無くて当たり前だから見つけた時の喜びはひとしお!

当日はあまり体調が良くなかったのだが、入店するなり久々の匂いにアドレナリンが噴出し、体の痛みも気にならなかった。

音楽好きな人は皆そうだと思うのだが、頭の中に大まかなリストがあるので、什器の"A"から順番に見始めて進んでいくのだが、半数くらいの客は同じように棚を順番に進んでいくので、よほど見る速度に差が無ければぶつかってしまう事はない。しかし私と趣味が近い天敵が、私の見ている場所をすっ飛ばして先に進んでしまった時なぞ、そ奴の見ている物が気になって心此処にあらず・・・。「此処を飛ばして先にアーティストの絶対数が多い"S"の棚に移るか?」「此処を空け渡したら、この直ぐ後に潜んでいるかもしれない掘り出し物を奴に取られるか?」等と非常に疲れる駆け引きの神経戦に引きずり込まれる。幸いなことに当日は天敵には遭遇しなかったのだが、中古盤屋には思わぬ伏兵が潜んでいる・・・・。

一点買いの客がいるのだ。

中古盤屋にたった一つの商品を探しに来ること自体解せないが、どうやら半数ぐらいの客はそうらしいので仕方が無い。それに時間が無くてポイントを決めて見る人もいるのは理解できる。しかし、人が見ている棚の下に割り込んでくるとはこれ如何に?それでも寛大にも上から見ていた私は見る速度を緩め、無法者に猶予を与えてやる。
なのにコヤツ見るのが遅い!すわっ、左側からは順番に見ている客が迫り来る。最早これまでよ、戦場にもマナーがあるのを知らぬのか!?と髪を振り乱し、目を血走らせ、鼻息も荒く、棚の下に割り込んだ無法者を蹴散らすべく、CDを取り出す手の動きを速め迫り行く。大抵はこれで敵は身の危険を感じ、たじろいで退散する。今回も二度ほど割り込んできた伏兵を蹴散らした。最終的に候補は15枚ぐらいに。しかし予算の都合で数枚消去、9枚まで減らし、7300円也。安っ!

一番の収穫はこれかな?アナログぼろぼろだったので・・・。

「Honk / Honk」 (1973)
West CoastのロックシーンでEaglesの「Peaceful Easy Feeling」の作者として有名なJack Tempchin、現在も活躍中のソングライターのJules Shearと共に三頭バンドFunky Kings(JBじゃありません)の一角をなしていたRichard Stekolが在籍していたことで知られるグループ。此処では力量のある他のメンバーとイコールな関係で、多彩な要素を感じさせるRockが聴かれる。少し洗練された都会的なサウンドでDanny KootchやCarol KingのCity、東海岸の歯茎丸出し男Peter GallwayのFifth Avenue Band、Ohio Knox等を好きな人にお勧め!

今回のCD化はUniversalの個人通販専門レーベルHip-O Selectから。洋楽ファンの皆さん、此処要チェックですよ!Universalといえば過去のA & M、MCA、Polygram、Geffen、Chess、Motown、Mercury等を抱える大会社なので、Rock、Soul、Reggae、Blues等幅広く、此処でしか買えないアイテムを数量限定でリリースしていますよ!物によってはボーナス・トラック付で!(またかよ!)Honkはボーナス10曲でした。なんじゃそりゃ!?

hip-o selectこのバナーから激ヤバ音源の宝庫、Hip-O Selectへ飛べます!

このレーベルの商品はたまにAmazonやHMVでも見かけるが、とんでもない値段がついているので、クレジットカードさえあれば日本からでも買えるから、直接購入した方が得だね。
と言いつつもネット上でカードを使うことに未だ抵抗を持っている私は、他にもそそられるタイトルがあるのに指をくわえて見ているのみ。中古盤待ちか・・・・。

そのHonkが約1700円だったので他のCDの値段は察してください・・・・。

案の定、中古盤屋を出て土曜の夜の人ごみ溢れる街中を歩き出すと強烈な眩暈に襲われ、満身創痍の落ち武者のようにヨロヨロと帰途に着いた。

 


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Shawn Mullins [Today's Album]

「Soul's Core / Shawn Mullins」 (1998)
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Soul's Core

Soul's Core

  • アーティスト: Shawn Mullins
  • 出版社/メーカー: Sony
  • 発売日: 1998/09/15
  • メディア: CD

Lullaby 名詞 1.子守唄 2.気持ちをやわらげる歌、穏やかな音

この人も90年代以降のアメリカン・ミュージック・シーンを語る上で欠かせない最重要シンガー・ソングライターの一人。

Georgia州Atlantaの音楽一家に生まれ、大学卒業後、学費を返すために空軍に従事、トレーニングの合間を縫っては聴いてくれる人を探してギターを弾き、歌い、曲を溜め込んでいた。最初の自主制作盤はまだ空軍在籍中に吹き込んだ物らしい。
8年間の軍での勤めを終え、ギター片手に放浪、その後3年間の間に7枚の自主制作盤、数多くのクラブ・ギグといった活動を実りのないまま続ける。

ところが98年、彼の書いた「Lullaby」が地元アトランタのラジオ・ステーションのプログラマーの耳を捉える。彼女は「Lullaby」をヘビー・ローテーションにてオンエアーし、コピーを知っている限りの知人に配ったところ、契約争奪戦を巻き起こし、Columbiaが獲得。この曲収録の「Soul's Core」は自主制作されたアルバムをColumbiaが買い取った形で再リリース、54位まで上昇した。

まずこの人の魅力はその声。「Lullaby」を聴けばわかるが、とにかく嫌味がなく、喋っている低いトーンから裏声のファルセットに至るまで滑らかに繋がっていく。しかも低いトーンの輪郭がまたはっきりしていて説得力が有り、ストーリーテラーとしては最適!たまに“何オクターブの音域を持つ”とかを売り文句にしているアーティストを見かけるが、そういうのって概して「ああ巧いですね。凄い高い声出ますね。だから何なのよ?」と思ってしまうシンガーに多いような気がするんだけど・・・。技術的にはそれ程ではないのかも知れないが、彼にはそれを生かして自分の表現したいことを伝える能力と気概がある!

①「Anchored In You」、新しい愛の始まりを歌っているのであろうか?「俺は君に錨で固定されちゃったんだよ!」という表現が面白い。静かに歌いだすフォーク・ロックだが、サビではオルガンも加わりヴォーカルも熱い!
「Lullaby」、ツアーでLAを回っていた頃に書いたという。シングルチャート7位まで上昇。テープの逆回転サウンドに続く単調なドラム・ループ、アコースティック・ギターのカッティングに乗せて語りだす。(歌いだすではない!)昔で言えばトーキング・ブルース・スタイル。それがサビに入ると周りの霞が全て晴れ、急に視界が開けるかのように、エレキ・ギター、ベースに呼応してShawnのVocalも空高く舞い上がる!
登場するのは裕福な家庭で甘やかされて育ったが、決して満たされない、美しいのに微笑んでいる時でさえしかめっ面に見え、天使の町での自分のもう一つの顔(devil)に気がついた少女。ドラッグのことを歌っているのであろうか?(考えすぎか・・・)いずれにしろ一見華やかなHollywoodでの生活、その背後に潜む狂気のことを歌っているのであろう。それでも彼は彼女に向かって歌う、"Everything's Gonna Be All Right, Rock-a-bye・・・"
一聴すれば、この曲をかけ捲ったプログラマーの心情を察するのは難しくない
 
③「The Gulf Of Mexico」アコギにエレピというシンプルなアレンジで明らかに70年代のソングーライター・サウンドに影響を受けているのがわかる。メキシコ湾に降り注ぐ聖なる滝のような雨の中に、当ての無い人生を垣間見る情景描写が秀逸。
④「September In Seattle」クラビネットのファンキーな刻みが大陸横断列車Amtrakの走行音を連想させる、駅、電車内から見える情景を歌った曲。③と同様、情景描写と主人公の心の動きを捉えるのに限られ、主張を押し付けてくることをしない、が、何を云わんとしているのかは自ずと伝わってくる。John Prineあたりに近い手法か?
⑪「Sunday Mornin' Comin Down」多くの人にカバーされてきたKris Kristoffersonの名曲、オリジナルよりテンポを落としているために6分15秒と長くなっているが、メリハリの利いた演奏とヴォーカルで長さを感じさせない。
⑫「You Mean Everything To Me」使い古された陳腐な愛情表現だが、Shawnの説得力あるヴォーカルで全く安っぽさを感じさせない。ギターにマンドリン、エレピも聴こえるかな?弾き語り調だが必要にして充分なアレンジでしょ?
⑬「Shimmer」、この人はけっこうドラム・ループを多用するが、それが独特のグルーブを生み出すのに役立っている。ピアノ、オルガンも加わり徐々に盛り上がるロック・バラード。「我々は生きて、愛して、輝くために生まれてきたのだから、憎みあわない術を学びたい・・・。」

人間が直面する様々な場面を描いた物語集だね、これは。
じっくりと落ち着いてこの音楽に向き合ってみて欲しい。類まれなる表現力を備えたシンガー・ソングライターShawnのヴォーカルがあなたの"Soul's Core"に優しく触れるのが感じられるはずだから!

続く「Beneath the Velvet Sun」、
Pete Droge、Matthew SweetとのユニットThorns名義による「The Thorns」も好盤ながら、以上でColumbia(このレーベルにDylanやBossを見出した精神は最早感じられません!)に捨てられる!(怒)
その後マイナーながらフォークの名門Vanguardと契約、地味にはなったがより自らのルーツであるフォークに近づいたとも言える、昨年の「9th Ward Pickin' Parlor 」も凄いよ!


 
Video 「Lullaby」 PV



Video 「Everywhere You Go」 PV 次作「Beneath The Velvet Sun」より。キャッチーです!少しアレンジ過剰かも知れないが、渋いヴォーカルが軽薄なポップソングになるのを妨げている。



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Dan Fogelberg [Today's Album]

「Souveniors / Dan Fogelberg」 (1974)
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Souvenirs

Souvenirs

  • アーティスト: Dan Fogelberg
  • 出版社/メーカー: Epic
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD

このアルバムを聴く度に爽快感と共に、胸が締め付けられるような思いも感じる。それが不快なのではなく、寧ろ心地よい苦しさなのである。どこかに置いて来てしまった若き日の希望や夢、そしてその儚さを思い起こさせるからだ・・・・・。

イリノイ州で生まれ育ち、ミュージシャンで教師でもあった父の影響で幼少期に最初に始めた楽器はピアノであった。イリノイの片田舎で同世代の子供がスポーツに夢中になっている時、彼は音楽と絵を描くことに熱中。その後、祖父に贈られたギターも習得し、12歳の頃に聴いたBeatlesの影響からChuck Berry、Buddy HollyそしてThe Byrds、Buffalo Springfieldへとテリトリーを広げ、十代半ばにはバンドを作り曲を書くことを覚えるが、片田舎の小さな町では感受性にとんだ観客や、彼の才能を認めるミュージシャンにめぐり合うこともなく、一時は音楽の道を諦め大学に進み演技と美術を専攻していた。

その彼に転機が訪れるのは、友人が経営するイリノイの中心部のクラブで再び演奏を始めてからであった。彼の演奏と曲は地元で評判となり、同じ大学の卒業生で当時REO Speedwagonのマネージメントを手がけていて、後にMCA レコードのボスを務める悪名高き敏腕マネージャー、Irving Azoffの耳にも入ることとなる。AzoffはDanを直ぐにLAに呼び寄せ、Van Morrison、Dan Hicks等のサポートアクトを努めさせながらデモテープを作った結果、A & M、Asylumとの争奪戦を制したColumbiaが獲得するにいたった。

1st アルバム「Home Free 」のレコーディングは名セッション・ベーシストとしても知られるNobert Putnamのプロデュースの元、Nashvilleで行われ、デビューアルバムとしてはまずまずの仕上がりに思えたのだが、当時のColumbiaはメインストリーム・のロック・ラジオ・ステーションにはカントリー色が強すぎると判断、プロモーションに経費を咲くことを拒んだ。

しかしEaglesのヒットで音楽界の形勢は一転、カントリー・ロックの時代が到来したのだ。

Danは1stアルバムの失敗後もめげることなくBuffy Saint Marie、Jackson Browne等のアルバム作成に参加、自らの能力と感性を磨くべく、音楽活動を続ける中、Azoffが設立したFullmoon RecordsがColumbia参加のEpicからの配給が決まり、全てがDanの思惑通りに動き始める・・・・。

Joe Walshをプロデューサー兼ギタリストとして製作された2ndアルバム。スタジオで作業が進むに連れ、Walshの熱心、且つ理解ある仕事にDanは確信を覚えたという。

①「Part of the Plan」、若者の未来に対する不安と期待を見事に表現した、Take It Easyにも匹敵する爽快なカントリー・ロック・ナンバー。シングルチャート31位まで上昇!
②「Illinois」はAl Perkinsのペダル・スティールが愛するイリノイへの郷愁に拍車をかける素晴らしいミディアム・テンポのカントリーロック。個人的なベスト・トラック!
③「Changing Horses」、④「Better Change」とアコースティックなサウンドとDanの透明感がある声が美しいメロディに映える曲が並ぶ。
⑤「Souvenirs」はタイトル曲、アコギの弾き語りにアコーディオンとストリング、ピアノが途中から絡み、後の彼のヒット曲と共通するサウンドを持った曲。
⑦「As the Raven Fly」、マイナー・コードの響きにJoe Walshのハードなリード・ギターとスライドのオブリ、Dan Fogelbergのロッカー・サイドを堪能できる曲。
⑧「Morning Sky」はAl Perkinsが楽器をバンジョーに持ち替えたブルーグラス・ロック!
“物事の表面に見えるものだけではなく、その影にある真実に目を向けよう”(と私には取れる)と歌う⑪「There's a Place In the World For a Gambler」はコード進行が循環するEaglesの「The Last Resort」にも似た、エンディングに相応しい雰囲気をもつ曲。

アルバムは17位まで上昇。参加ミュージシャンは他に、コーラスにGraham Nash、Don Henley、Glenn Frey アコギにAmericaのGerry Beckley、ドラムにRuss Kunkel、パーカッションにJoe LalaというWest Coast All-Stars!

 80年以降「Longer」(2位)、「Hard to Say」(7位)、「Leader of The Band」(9位)等シングル・ヒットを連発するが、それ以降は大ヒットの代償か、無垢さを失っていったような気がする。皮肉にも81年の大ヒット・アルバムのタイトルは「The Innocent Age 」だった。(まあ無垢な大人なんてキモイですけど・・・、言い換えれば素朴さがなくなってきた?)他のウエストコーストのアーティストが失速、または、自らその活動に終止符を打っていった変革期を生き残っていくには何らかの犠牲も必要だったのであろう。
私にとってはあらゆる意味で本作が彼のベスト・アルバム。
余談ですが、彼の声は80年代後半に入ってから何故かガラガラのハスキー声に・・・
。それはそれで悪くなかったが、何があったんでしょうか?

2004年に前立腺癌と診断されて以来、第一線から退き治療に専念。もう一度彼の歌声が聴ける日を待つ!

残念ながら12月16日に逝去しました。ご冥福をお祈りします。


Video 「These Days」 75年の3rd「Captured Angel」収録、ファンの方が作ったVideoのようです。静止画を編集した物ですが、Eaglesの古いポスターやLindaとのショットもあり、当時の彼の雰囲気が巧く表現されていて一見の価値あり!

Video 「Leader of The Band」 Live 90年 ↑の曲と聴き比べると声の変化が顕著です。


 

「Longer」



「Leader Of The Band」

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Tift Merritt [Today's Album]

「Tambourine / Tift Merritt」 (2004)
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Tambourine

Tambourine

  • アーティスト: Tift Merritt
  • 出版社/メーカー: Lost Highway
  • 発売日: 2004/08/24
  • メディア: CD

身内よりオマエ文章なげえよっ!との突っ込みがあり、今回はなるべく簡潔になるよう努めます。
そして久々に女性シンガーを・・・。

1stを聴いたときは「Emmylou Harrisの再来かっ!?」と思ったけど、改めて2ndを訊いてみるとよりパワフル。Rockよりになった2ndのサウンドの方が彼女にあっているのかもしれない。

75年、Texas生まれのNorth Carolina育ち、音楽好きだった父の影響もあり、10代前半でギターを覚える。当初は他のティーンエイジャーと同様、Punk等の反抗心を露にした音楽に惹かれるが、興味の対象は徐々にアコースティックなサウンドに。「Joni Mitchellにはまらなかった女子は信用できないわ!ふんっ!」とまで語っているほどJoniにはまっていた時期があるらしい。その後Emmylou Harris(ほらやっぱり!)を耳にしてから、よりRootsよりのサウンドの虜になり、自らも音楽活動を開始する。
地元の音楽シーンでは直ぐに頭角を現し始め、カントリー・ロック・バンド、Tow Dollar Pistols(その筋ではけっこう有名)の準レギュラー・シンガーとしてステージをこなす。しかし、自分自身の楽曲を演奏するBandの必要性を感じ、The Carvinesを結成。Sugar Hillレーベルと契約の一歩手前まで行くが直前で破談。

その彼女を救ったのがNorth Carolina生まれで、90年代以降のアメリカン・ロック・シーンを語る上で欠かせない男、Ryan Adams(Bryanじゃないよ)だった。Tiftを見初めた(?)Ryanは自分のマネージャーに紹介、その結果メジャーのUniversalから配給しているルーツ・ミュージック・レーベルLost Highwayとの契約に成功。
ソロアクトとして契約したのにも関わらず、苦楽を共にしたThe Carvinesをバックに迎えた義理堅い女Tiftは、デビューアルバム「Bramble Rose」を2002年にリリース。そのオールド・スクールなカントリー・ヴォーカルは「“Lucinda Williamsの力強さ”と“Iris Dementの真に迫った響き”、“Emmylouのシルクのような滑らかさ”が見事に融合されている!」と大絶賛される。

最新スタジオ・アルバムとなる今作はプロデューサーにGeorge Dorakoulias(Tom Petty、Black Clows、Jayhawks等)、エンジニアにJim Scott(Neal Casal、James Iha、Doyle BramhallⅡ等)と、製作サイドで90年代以降のアメリカン・ロック・シーンに大きく貢献してきた二人を向かえ、より力強いアメリカン・ロックを聴かせている。

①「Stray Paper」、アコースティックギターのストロークにのって歌いだし、サビでかぶるエレキ・ギター。エモーショナルなのにほろ苦く、どこか冷めている・・・。このサウンドにピンと来たあなたは正しい。この曲は明らかにJayhawksスタイル。やっぱりGary Lourisがアルバムに全面参加。
②「Wait It Out」では「2曲目でこんなに飛ばしちゃって大丈夫なのTift?知りつぼみじゃないだろうなぁ?」と心配性なおっさんをヤキモキさせるパワフルな8ビート・ナンバー。
③「Good Hearted Woman」⑥「Your Love Made a U-Turn」はホーンを導入してSouthern Soulを髣髴とさせる、前作にはなかった試み。彼女のヴォーカルスタイルもカントリーだけではなくSoul、R & Bに多大な影響を受けているのが良くわかる。因みにDusty Springfield好きらしいです。
④「Ain't Looking Closely」も再びJayhawks-Gary色が色濃く出た、どこか“寒いサウンド”。
前作の路線を踏襲した泣きのカントリー・ソング⑤「Still Pretending」⑧「Plainest Thing」も、もちろんあります。
⑨「Late Night Pilgrim」~ラスト⑫「Shadow In The Way」までは疾走感たっぷりのこれぞアメリカン、というサウンドでおじさんの心配をよそに突っ走る。
⑩「I Am Your Tambourine」で馬鹿テク黒人ペダル・
スティール奏者Robert Randolphも参加。この人自分のバンドでは凄いファンキーでグルービーな演奏していてぶっ飛ばされました。この曲でもエンディングで強引に切り込んでくる。でも音が太すぎ!言われなきゃ普通のスライドだと思っちゃうよコリャ。カッコいいんだけどペダル・スティールの繊細な咽び泣きとは無縁の人だな君は。曲がノリの良い曲で正解。
⑪「Laid a Highway」は、生まれ育った町を逸れて建てられたハイウェイ、ホッとする反面、死に行く町を目の当たりにする遣る瀬無さを歌った、私一番のお気に入り曲!

他にHeartbreakersからMike CampbellとBenmont Tench、そしてNeal Casal、Maria Mckee、Don Hefingtonと現在のアメリカンロックを支えるメンツが集結してカントリーロックの枠を超え、Soul色をも違和感なくブレンドした極上のアメリカン・サウンドを作り上げた。
そう言えば本作に参加しているMaria McKeeも93年の2ndソロでGeorge Dorakoulias-Gary Louris、Mark Olsonという鉄壁のJayhawks布陣で華麗なる(?)変身を遂げていたなぁ。 

この手の音楽を現在やっている人は皆同じような道を辿っているが、彼女もLost Highwayとの契約を切られたとの噂があり心配だが、(大きなお世話か)マイナーでもかまわない、着実に次のステップを踏んで3rdアルバムを届けて欲しい。

惜しくも受賞は逃したが、2004年度Grammy Best Country Albumにノミネート。今回のDixie Chicksのような政治的駆け引きでもないと、選考員にはこんな素晴らしいロック・アルバムにBest Country Albumを与える度胸なんてないだろうな。(因みに受賞はLoretta Lynn、あんた、もういらないだろう?)

えっ?文が長いって?

Video 「Good Hearted Man」 PVですね・・・


Video 「Stray Paper」 バック・ステージでのリハか?



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定期病状報告 [脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)]

自分自身へのメモのために。

昨晩はいつもより手の痺れが強かったかな。
今朝は普通、平均値。
午後に入って徐々に悪化、いつもは左の方が痺れが強いのだが、右手の人差し指の痺れが強く、左クリックで指の腹の辺りにビリッときます。
今は頭もギザ重い、天気図見れば理由がわかるかな?

だったら、PCなんか止めろ、と人は言うかもしれないが、今までの経験からそれで悪化する訳じゃないってわかっているので・・・。
まあ、一時的にそれでどこかを痛めたりすることはあるかもしれないけど、大きい流れで見てそれが根本的には病状に関係ないってことがわかるんですよ。

それと、元々私の場合横になったら症状が軽減するってことが全くなかった。逆に背中が痛くて寝てられないぐらい。
漏れている量はかなり多い方だったのに・・・。何故だろう?

何もしていないのが一番辛い、映画や野球を見たり、音楽を聴いたり、パソコンに向かったりと、何かに神経を集中させている方がよっぽど気が紛れる。
何故か皿洗いは辛いけどね・・・。(笑)

以上、定期病状報告でした。


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Jerry Jeff Walker [Today's Album]

「Ridin' High / Jerry Jeff Walker」 (1975)
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Ridin' High

Ridin' High

  • アーティスト: Jerry Jeff Walker
  • 出版社/メーカー: MCA
  • 発売日: 1990/08/13
  • メディア: CD


良い曲を書けるってことは素晴らしい才能。それに増してその曲を自分で表現力たっぷりに歌う事が出来れば、尚更・・・。しかし音楽界には他人の曲を自分で書いたかのように、あるいは自分のために書かれたかのように歌いこなしてしまい、易々ととオリジナルを超えてしまう才能を持っている人が稀にだがいる。
70s' アメリカン・ソングライター・ファンにとっては神のような存在、Jerry Jeff Walkerもその一人だ。

Texasのミュージシャンとして語られることの多いJerry Jeffだが意外なことに出身はNew York。多くのシンガーが放浪を歌っているが、親指突き立てNew YorkからFloridaの最南端Key Westまで、また、バイクの荷台にギターを括り付けてカナダを横断と、実際に“Hobo-放浪生活”を送ってきた。

最初のレコーディングは時代柄サイケデリックなテイストも感じられるフォーク・ロック・グループCircus Muximumsの一員として67、68年と2枚のアルバムをVanguardに吹き込んだもの。
その後Atcoとソロ契約を交わし、アルバム「
Mr. Bojangles 」を68年にリリース。タイトル曲の「Mr. Bojangles」はNitty Gritty Dirt Band(彼らのバージョンは71年にシングルチャート9位まで上昇、日本のTVCMに使われたこともある。因みにJerry Jeffは68年の77位が最高位。)をはじめとして、Bob Dylan、Sammy Davis Jr.等あまりにも多くのアーティストにカバーされ、オリジナルより売れている物が多いため、彼の作品だと知らぬまま曲を好きになっている人も多いであろう。
その後曲は一人歩きしてしまい、Sammy Davis Jr.のダンスの師匠である Bill "Bojangles" Robinson
の事を歌った等、様々な解釈が成されているが、New Orleansで呑みすぎて監獄に入れられていたときに知り合い、人生について薀蓄を語り始めた酔っ払いのおっさんを歌った、という説が濃厚。
彼の書いた曲でMr. Bojanglesを超える曲はいくらでもあると思うのだが、ヒットに恵まれなかったために彼自身もその呪縛に取り付かれたのか、その後幾度と無くこの曲を吹き込んでいる。しかし私が思うにこのAtcoでの1st収録の物か、彼のNew York時代を支え、Dylanのサポートでも知られるDavid Brombergのギターが際立つ、Atcoでの2nd収録のテイク(録音は67年、Davidと二人のみ)を超えている物は無いと思われる。

まだ契約の残っていたVanguardに一枚のソロ作、Atcoにもう計3枚の作品を残してMCAと契約、Texasに移り住む。初めてTexasに足を踏み入れたJerry Jeffは“此処こそがホームだと感じた”と後に語っている。その理由はポップス化するNashvilleのカントリーシーンに飽き足らず、独自のスタイルでカントリーを歌うWillie Nelson、Guy Clark、 Townes Van Zandt、Waylon Jennings等、志を同じにするプログレッシブ・カントリー・シンガーの隠れ家であったからであろうか。

長い放浪の末、心の故郷を探し当てたJerry Jeffは、後に彼のバック・バンドであるLost Gonzo Bandの一員となるRobert Livingston、Gary P. Nunn等のタイトなサポートを得てようやく本領を発揮し始める。
いずれも素晴らしい内容の「Jerry Jeff Walker」「
Viva Terlingua 」「Walker's Collectibles」に続くMCA移籍後4作目。

収録の10曲中、自作は2曲のみ。しかし冒頭で述べたように、この人にとってそんなことは全く関係がない。歌唱力だけに焦点を当てれば彼以上の人は吐いて捨てる程いる音楽界。他人の歌を歌いこなすにはそれ以外に、自分にあった曲を選ぶセンスとその曲が何を言わんとしているのか理解する力、表現力が求められる様に思えるが、実際の放浪生活で多くの物事を目にしてきた経験が他人が書き上げたストーリーをリアルに歌い語る能力を与えたのである。

大切なオープニングであるにも関わらずバック・バンドのRobert Livingston、Gary P. Nunn共作による思わず踊りだしたくなるような陽気なカントリー・ナンバー①「Public Domain」を取り上げ、度量の大きい男であること示す。
②「Pick Up the Tempo」もタイトルどおりにノリのよいWille Nelson作のカントリー・ナンバー。正直、こちらの演奏を聴いた後ではWillieのテイクを聴くとスロー・ダウンせざるを得ないほどご機嫌。
家族ぐるみの付き合いである盟友Guy Clarkの名曲③「Like a Coat From The Cold」は、ピアノとアコギで淡々と歌うGuyのテイクも捨てがたいが、オルガン、管楽器も加えたバックにJerryが太く温かみのある声で歌うこちらに軍配。
④の自作曲、「I Love You」は語りかけるように歌いだすシンプルでスローなラブ・ソング。いい曲書けてるよ!
⑤の「Night Riders Lament」はMichael Burton(勉強不足でこの人については何も知りません!すいません!ご存知の方いらっしゃったら教えてください!)作の、一人ナイト・シフトで牛を追うカウボーイの悲哀を歌った美しいカントリーワルツ。故郷の友人達は主人公に“何故そんな安月給で人里はなれたところで過酷な仕事をするのか?”と問いただす。彼は答える、“夜中のオーロラを見たことがあるのかい?、風に舞う鷹を見たことがあるのかい?”と・・・。
⑦「Mississippi You're On My Mind」は言わずと知れたMississippiが生んだソングライターJesse Winchesterの名曲。ベトナム戦争に反対し、徴兵を拒んでカナダに渡ったJesseの望郷の念を此処ではJerry Jeffが熱く代弁。

囁いて良し、ガナっても良し、力強く優しいJerry Jeffのヴォーカルが他人の作品に新しい息吹を吹き込んでいる傑作アルバム!

65歳になったJerry Jeffは今も現役で活動、相変わらずの力強い歌声には驚かされる。



Video 「Mr. Bojangles」
まるで映画に出てくるようなイヤらしいキャラの司会者の質問に、苦笑しながらも、はにかみ、真摯に答えるJerry Jeff!

 

Video 「L.A. Freeway」(Composed by Guy Clark)


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ボトックスはどうでしょうか? [脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)]

今日も松坂君は本調子ではないように見えた。
それでも調子悪いなりにゲームを作れるのが井川との違いかな?
イチローに勝って、ゲームに負ける。
マリナーズのヘルナンデスが松坂のお株を奪うような、真っ直ぐと変化球の緩急ある素晴らしいピッチングで完封。

しかし最初の“松坂vsイチロー日本人対決”への盛り上がり方異様でしたね。どうせ勝てないんだからいっそのことマリナーズはもう5人ぐらい日本人獲ったらどうですか?




遅ればせながら、先週S病院に行って熱海での検査結果を報告してきた。

当然、熱海のS先生からS病院のM先生宛に直接連絡が入っていたようだが、いつもどおり私の話を熱心に聞いてくれた。

S先生がサーモグラフィ等の検査で今のところ大丈夫と言っているのならRSDではないと思うが心配なら、とRSD専門の先生を教えて頂き、
胸郭出口症候群の症状に関しては6月のブラッドパッチまで時間が有るので我慢できないようならと、ボトックスと呼ばれる、ボツリヌス菌の毒素を緊張している筋肉に注入して緩める治療が有効だった人がいるとの情報も頂き、これまたボトックス治療を行っている病院も教えてくれた。

ボトックス治療は元々、皺取り等に有効で美容整形に取り入れられていた技術らしいが、一時的に筋肉の動きが停止することに着目されて、近年では胸郭出口症候群等の治療に応用しているペインクリニックも増えてきているらしい。ボトックス治療を行っている病院のホームページ等には、数回受けることで完全に症状が消失した患者もいるようなことが書かれていたが、患者が書いているページには副作用として異常な脱力感を感じたとあった。それ以上の記述が無いので効果の程は不明。病院側は副作用は一時的なもので、必ずなくなるとしているが・・・・。
これ以上脱力したら辛いなぁ・・・。

実際に胸郭出口症候群でボトックス治療を受けた人がいれば、情報いただけますでしょうか?

前回頂いたプレドニンはどうだったか訊かれたので、呑み始めた当初痛みが弱まった気がするが徐々に戻ってきたと告げると「プラシーボですね。」とバッサリ。残念・・・・。

未だ漏れているということが判明したため点滴を受け、いつももらっているデパスに加えてノイロトロピンという長引いている痛みに有効な薬を処方してもらった。ノイロトロピンは通常の痛み止めとは全く違う成分で副作用も少ない薬のよう。

指の皮剥けは今や手のひらにまで広がり、手と指の痛みもすこーしずつ悪くなっている気がするので、一日も早くどうにかしたいが、今まで下手に動いて裏目に出たことがあまりにも多い。6月のブラッドパッチまでRSDやボトックスの専門医に行くのは控えようかな・・・。

殆どの低髄の人に胸郭出口の症状は現れるようなので、髄液の漏れが収まれば胸郭出口の症状も無くなる可能性もあるし・・・・。

M先生、とにかくありがとうございました。

 


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Doyle Bramhall Ⅱ [Today's Album]

「Jellycream / Bramhall」 (1999)
Click the Picture!
Jellycream

Jellycream

  • アーティスト: Bramhall
  • 出版社/メーカー: RCA
  • 発売日: 1999/09/14
  • メディア: CD

最近のClaptonはチョイ“綺麗に歪みすぎ”の音色が苦手で食傷気味だった。
歌も上手くなりすぎちゃって小手先で歌っているような気がして・・・。(ECファンの皆さんごめんなさい!)
J.J.Caleとのコラボ「
The Road to Escondido 」でもJ.J.の枯れた味わいをECのギターが台無しにしていたような気がするんですけど・・・。

でもEC、サポート・ギタリストを選ぶセンスは最高!以前紹介したAlbert LeeにAndy Fairweather Low、それに去年連れてきたDerek TrucksとDoyle BramhallⅡ(二世)も例外ではない。

Derekに関してはどこでも絶賛の嵐、改めて紹介する必要も無いが、キャリアも長い割にDoyleに関しては過小評価されているような・・・・。

まず誤解が無いように説明します。Doyle Bramhall Ⅱは今までに3枚のアルバムをリリース、其々の名義がDoyle Bramhall Ⅱ、Bramhall、Doyle BramhallⅡ& smokestackとアルバム毎に違っている。彼の父親もプロのミュージシャンで、名前はDoyle Bramhall(同姓同名)、文中では今回紹介するDoyle BramhallⅡをDoyleⅡとさせていただく。


Lightnin' Hopkinsのサポート・ドラマーの経験が有り、ブレークする前からJimmy、Stevie RayのVaughan兄弟とつるんでいて、デビュー後も共作者として兄弟を助けてきたミュージシャンであるDoyle Bramhall(一世、紛らわしい。因みに筆者、Ⅱの新譜かと思ってアルバム購入、今回は随分シンプルなブルーズ・アルバムだな、と思っていたら親父さんのアルバムだったことが・・・。そのくらい声クリソツ。ギターもそっくりだなと思ったらⅡでした。)を父に持つDoyleⅡは、16歳という若さでJimmyのバンド、Fabulous Thunderbirdsのセカンドギタリストとしてツアーを経験、その後同じTexas出身のCharlie Sexton、Stevie Rayを失ったDouble TroubleのTommy Shannon(ベース)、 Chris Layton(ドラム)等とブルージーなロック・バンドArc Angelsを結成、92年にアルバム「
Arc Angels 」を発表、CharlieとDoyleⅡという卓越した二人のリード・シンガーとリード・ギタリストを擁したバンドは、曲によってリード・パートを入れ替え、時には交互に歌い、弾き、ヴァラエティにとんだ演奏を聴かせ、評判、セールスの両面でかなりの成功を収める。
しかし徐々にCharlieとDoyleⅡのエゴのぶつかり合いは激化、DoyleⅡのドラッグ癖も深刻化しバンドは活動を停止、Charlieはソロ活動、DoyleⅡは治療施設へと・・・・。

クリーンになったDoyleは96年にブルーズ色は薄いが、ソウルフルなヴォーカリスト、ソングライターとしての才能を如何なく発揮した「
Doyle Bramhall II 」(プロデュースはWendy & Lisa!)で見事に復活を遂げる。

続く本作ではSuzanne Vegaの夫、Mitchell Froomとの共同での仕事が多く、Los Lobos、Bonnie Raitt、Ron Sexsmith等の名作を手がけてきたTchad Blakeのプロデュースにより、持ち味であるブルースギターも生々しく聴ける作品になった。
①「I Wanna Be」は言うまでも無く、ClaptonがB.B.Kingとの共作「
Riding with the King 」中でカバーしたブルース・チューン。ECが当時一般には名前の浸透していなかった若いアーティストの曲を取り上げたことでも驚きだが、Doyleのギターソロをほぼ忠実に再現していたことからも、どれだけDoyleのギタリストとしてのメロディ・センス、タイム感に感銘を受けていたかがわかる。
③の「Mary You」もEC & B.B.Kingによってカバーされたファンキーなカッティングのブルーズ・ロックでArc Angels時代と比べると弾きすぎないギターが絶妙。
④「Snakecharmer」は地を這うようなへヴィにブルーズロック。
⑤「Who I Am」⑥「Away We Go Away」⑩「I'm Leavin'」⑪「Chasin' The Sun」⑫「I Will Remember」等、シンガー・ソングライター的アプローチが光るメロディアスな曲も多く、只のブルーズ・ギタリストではないことも充分に伝わってくる。

本作リリース後にECとRoger Watersからほぼ同時にサポートの以来を受け、ECには曲を提供、Roger Watersのツアーに同行、ツアー終了後はECのサポート・ギタリストのみならず、共同作曲者としても重用されている。

いまひとつパッとした成功を収められていない原因は、重い声質に重いサウンドで、暑苦しすぎるからだろうか?
しかし“引いて弾く”事を覚えたサウスポーは最早無敵!不遇の時代が長かったが正当に評価される日も近い!・・・・かな?

DylanがCharlie Sextonを、そしてECがDoyleⅡを、其々の片腕として任命したことはただの偶然なのであろうか?



Video このアルバムの収録曲の映像が見つからなかったので、3rd「
Welcome」より「Green Light Girl」
若年層にターゲットを絞ったようなお洒落なビデオだが、太い弦が下に来るセッティング(アルバート・キング・スタイル?)とリズム感抜群のフレーズは必見、必聴!なぜかギッチョのギタリストってカッコよく見える!?



おまけ映像、「Pride and Joy with Sheryl Crow」
DoyleⅡのギターの抜けが悪いのが残念!左用のボディに右用のネックというストラト!


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