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Doug Sahm [Today's Album]

「Texas Rock For Country Rollers / Sir Doug & The Texas Tornados」 1976
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Texas Rock for Country Rollers

Texas Rock for Country Rollers

  • アーティスト: Sir Doug & the Texas Tornados
  • 出版社/メーカー: Edsel
  • 発売日: 1997/09/23
  • メディア: CD

ロンゲにヒゲにモミアゲ、若き日のDougのトレード・マークである。(メガネもか?)
私はヒゲはまあまあ濃いのだが、モミアゲが無い。巷では永久脱毛をする男子も少なく無いらしいが、私は逆に植毛して欲しいぐらいだ。ミクロ○ンパスタなる頭髪以外に使う増毛剤をモミアゲに刷り込んでいたこともあったが
一向に生えてこず・・・。カッコから入る馬鹿です・・・。

Doug Sahm、Sir Douglas Quintet、Texas Tornados等と様々な名義でアルバムをリリース、人騒がせだが苦労してでもアルバムを集める価値がある憎めない親父だ。Doug Sahm & The Tex Mex Tripなんてのもあったなぁ。正直私もこの人が正規のスタジオ盤を何枚リリースしたのか把握してません。ベスト等の編集盤がまたゴチャゴチャ家にもいっぱいあってダブり曲あり、微妙にテイクが違う曲あり・・・。

Blues、R & B、Country、Swing、Folk、Jazz、Conjunto、Cajun、Polkaとあらゆる音楽を吸収して、大らかな人柄を思わせる包容力のある声で歌い上げるDoug Sahmはもちろん、TexasはSan Antonio生まれ。5歳でラジオ・デビューしてその喉を披露、子供の頃から地元のカントリー・コンサートに出入りしており、カントリー好きおっさん達に"Little Doug Sahm"と呼ばれ、可愛がられていたらしい。死ぬ2週間前のHank Williamsのステージに引っ張り上げられたという逸話も・・・。

ローカルでの活動を経て、1965年にSir Douglas Quintetを結成、メンバーにはその後Dougの片腕となる幼馴染のオルガン、ギター・プレーヤーである食料品屋の息子、Augie Meyersも既に含まれていた。この年にリリースした「She's About a Mover」がスマッシュ・ヒット。その後カリフォルニアに渡りSmashに数枚のアルバムを残す。その中には時代がらサイケな要素も含みつつ、既にDoug独特のTex-Mexサウンドが確立されていた「Mendocino」も含まれている。

Jerry Wexlerに呼ばれてTexasに戻りAtlanticと契約、レコーディングに集まった面子はBob Dylan、Dr. John、David Bromberg、Flaco Himenez。リリースされた73年の「Doug Sahm and Band」は名盤、特にDylan とのデュエットが聴ける「Is Anybody Goin To San Antonio」は強烈な個性を持った二人のヴォーカル、陽気で哀愁がある楽曲が絶妙のTex-Mexの名曲!

そんなDougのカントリー・サイドの魅力が凝縮されたのがこのアルバム。

①「I Love The Way You Love」はAtwood Allenという人の曲。Bruce Robison、Kris Kristoffersonもこの人の曲を取り上げていることからTexasのカントリー系ソングライターだと思うのだが、勉強不足でよく知りません。此処ではCCR調のカントリーロックに仕上がっているが、ヴォーカルが強烈!
②「Cowboy Peyton Place」は心地よくスウィングするカントリー・ナンバー。これもヴォーカルが強烈!
③「Give Back The Key To My Heart」はオルタナ・カントリー初期の名作、Uncle Tupeloの「Anodyne」でDoug本人をゲストに向かえカバーされていた名曲。Jay Farrerの重たいヴォーカルも良いけど、この人が途中から出てくるととガラッと空気が変わってたなぁ。此処ではカバー・バージョンよりも淡々と演奏されているがヴォーカルが強烈。
④「Wolverton Mountain」は往年のカントリー・スター、Cloude Kingの62年のヒット曲。直ぐにそれとわかるキュートなAugie MeyersのVox Organをフューチャーしたカントリー・チューンで、ヴォーカルが強烈!
⑥「Float Away」、フェイザーかフランジャーかな?とにかく揺れ系エフェクトをかませたエレキがカッコ良すぎのへヴィーなカントリー・ロック。Bottle Rocketsのカバーも良かったが、こちらの方がヴォーカルが強烈!
⑦「I'm Missing You」は、正にワン・アンド・オンリー、野暮ったくも甘く切ない、強烈なヴォーカルに心を掻き毟られるメロウなナンバー!
⑩「You Can't Hide a Redneck」は、このアルバム中では異色のへヴィーなブルーズ・ナンバーだが、この人にはお手のもんだ。終わり際、紙一重の強烈な雄たけびにのけぞる!

こうやって聴きなおしてみると、この人はメロディー・メーカとしても優れているのを再認識。
セールスとは無縁だったが、晩年の彼も精力的に活動しており、自分の活動に加えてAmos Garrett、Gene Taylorとの競演盤「The Return of the Formerly Brothers、Tex-Mex版Traveling Wilburysともいえる、Augie Meyers、Freddy Fender、Flaco Jimenezとの超スーパー・バンド(一部の人達の間でのみか?)"Texas Tornados"の結成は、コアなアメリカン・ミュージック・ファンを狂喜させた。
1999年心臓発作で突然の死去。

Doug Sahm 死すともTex-Mex死なず!

Dylanをも魅了したTexasの裏番長Dougを体験せずに人生を終えるのは不幸すぎる!
アメリカン・ロック好きで聴いたことがない人は、今すぐCD屋に走るか、どっかの販売サイトに飛んでください!

今も天国で、陽気で切ないフィドルをかき鳴らし、自慢の喉を披露しているに違いない。



Video 「Nuevo Laredo / Sir Douglas Quintet」
動くSir Doug!ロンゲにヒゲにモミアゲがカッコよすぎだ!
トランペットを吹きながら、オルガンを演奏するAugieもお茶目だ!

Video「Who Were You Thinking Of / Texas Tornados」
濃厚過ぎる4人!


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