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Dan Fogelberg [Today's Album]

「Souveniors / Dan Fogelberg」 (1974)
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Souvenirs

Souvenirs

  • アーティスト: Dan Fogelberg
  • 出版社/メーカー: Epic
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD

このアルバムを聴く度に爽快感と共に、胸が締め付けられるような思いも感じる。それが不快なのではなく、寧ろ心地よい苦しさなのである。どこかに置いて来てしまった若き日の希望や夢、そしてその儚さを思い起こさせるからだ・・・・・。

イリノイ州で生まれ育ち、ミュージシャンで教師でもあった父の影響で幼少期に最初に始めた楽器はピアノであった。イリノイの片田舎で同世代の子供がスポーツに夢中になっている時、彼は音楽と絵を描くことに熱中。その後、祖父に贈られたギターも習得し、12歳の頃に聴いたBeatlesの影響からChuck Berry、Buddy HollyそしてThe Byrds、Buffalo Springfieldへとテリトリーを広げ、十代半ばにはバンドを作り曲を書くことを覚えるが、片田舎の小さな町では感受性にとんだ観客や、彼の才能を認めるミュージシャンにめぐり合うこともなく、一時は音楽の道を諦め大学に進み演技と美術を専攻していた。

その彼に転機が訪れるのは、友人が経営するイリノイの中心部のクラブで再び演奏を始めてからであった。彼の演奏と曲は地元で評判となり、同じ大学の卒業生で当時REO Speedwagonのマネージメントを手がけていて、後にMCA レコードのボスを務める悪名高き敏腕マネージャー、Irving Azoffの耳にも入ることとなる。AzoffはDanを直ぐにLAに呼び寄せ、Van Morrison、Dan Hicks等のサポートアクトを努めさせながらデモテープを作った結果、A & M、Asylumとの争奪戦を制したColumbiaが獲得するにいたった。

1st アルバム「Home Free 」のレコーディングは名セッション・ベーシストとしても知られるNobert Putnamのプロデュースの元、Nashvilleで行われ、デビューアルバムとしてはまずまずの仕上がりに思えたのだが、当時のColumbiaはメインストリーム・のロック・ラジオ・ステーションにはカントリー色が強すぎると判断、プロモーションに経費を咲くことを拒んだ。

しかしEaglesのヒットで音楽界の形勢は一転、カントリー・ロックの時代が到来したのだ。

Danは1stアルバムの失敗後もめげることなくBuffy Saint Marie、Jackson Browne等のアルバム作成に参加、自らの能力と感性を磨くべく、音楽活動を続ける中、Azoffが設立したFullmoon RecordsがColumbia参加のEpicからの配給が決まり、全てがDanの思惑通りに動き始める・・・・。

Joe Walshをプロデューサー兼ギタリストとして製作された2ndアルバム。スタジオで作業が進むに連れ、Walshの熱心、且つ理解ある仕事にDanは確信を覚えたという。

①「Part of the Plan」、若者の未来に対する不安と期待を見事に表現した、Take It Easyにも匹敵する爽快なカントリー・ロック・ナンバー。シングルチャート31位まで上昇!
②「Illinois」はAl Perkinsのペダル・スティールが愛するイリノイへの郷愁に拍車をかける素晴らしいミディアム・テンポのカントリーロック。個人的なベスト・トラック!
③「Changing Horses」、④「Better Change」とアコースティックなサウンドとDanの透明感がある声が美しいメロディに映える曲が並ぶ。
⑤「Souvenirs」はタイトル曲、アコギの弾き語りにアコーディオンとストリング、ピアノが途中から絡み、後の彼のヒット曲と共通するサウンドを持った曲。
⑦「As the Raven Fly」、マイナー・コードの響きにJoe Walshのハードなリード・ギターとスライドのオブリ、Dan Fogelbergのロッカー・サイドを堪能できる曲。
⑧「Morning Sky」はAl Perkinsが楽器をバンジョーに持ち替えたブルーグラス・ロック!
“物事の表面に見えるものだけではなく、その影にある真実に目を向けよう”(と私には取れる)と歌う⑪「There's a Place In the World For a Gambler」はコード進行が循環するEaglesの「The Last Resort」にも似た、エンディングに相応しい雰囲気をもつ曲。

アルバムは17位まで上昇。参加ミュージシャンは他に、コーラスにGraham Nash、Don Henley、Glenn Frey アコギにAmericaのGerry Beckley、ドラムにRuss Kunkel、パーカッションにJoe LalaというWest Coast All-Stars!

 80年以降「Longer」(2位)、「Hard to Say」(7位)、「Leader of The Band」(9位)等シングル・ヒットを連発するが、それ以降は大ヒットの代償か、無垢さを失っていったような気がする。皮肉にも81年の大ヒット・アルバムのタイトルは「The Innocent Age 」だった。(まあ無垢な大人なんてキモイですけど・・・、言い換えれば素朴さがなくなってきた?)他のウエストコーストのアーティストが失速、または、自らその活動に終止符を打っていった変革期を生き残っていくには何らかの犠牲も必要だったのであろう。
私にとってはあらゆる意味で本作が彼のベスト・アルバム。
余談ですが、彼の声は80年代後半に入ってから何故かガラガラのハスキー声に・・・
。それはそれで悪くなかったが、何があったんでしょうか?

2004年に前立腺癌と診断されて以来、第一線から退き治療に専念。もう一度彼の歌声が聴ける日を待つ!

残念ながら12月16日に逝去しました。ご冥福をお祈りします。


Video 「These Days」 75年の3rd「Captured Angel」収録、ファンの方が作ったVideoのようです。静止画を編集した物ですが、Eaglesの古いポスターやLindaとのショットもあり、当時の彼の雰囲気が巧く表現されていて一見の価値あり!

Video 「Leader of The Band」 Live 90年 ↑の曲と聴き比べると声の変化が顕著です。


 

「Longer」



「Leader Of The Band」

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DEBDYLAN

毎度です(笑)

Dan Fogelberg、昔、同じ職場で働いていた先輩が大好きなミュージシャンでした。
先輩はよく仕事中に彼のCDをかけてたっけ。
だから、僕も彼の曲は沢山聴いたはずなんだけど・・・
アルバム・タイトルとか曲名がさっぱり把握できてません(汗)
でも、好きでしたよ。

何か、懐かしくなっちゃいました。

「Leader of The Band」は先輩が大好きな曲で何回もかけていたので、曲名も覚えてました。
僕もこの曲好きです。

あと、印象に残っているのは、確か「RHYTHM OF THE RAIN」のカヴァーの最後にTHE BEATLESの「RAIN」のワン・フレーズを歌うヴァージョンですが・・・
この記憶って正しいですか?
by DEBDYLAN (2007-04-19 01:39) 

Mudslideslim

deacon_blueさん、どうも!
by Mudslideslim (2007-04-19 20:20) 

Mudslideslim

DEBさん、毎度!
>「RHYTHM OF THE RAIN」のカヴァー・・・・
その通りですね、邦題は「悲しき雨音」でしたかね?
Cascadesですよね?そのメドレーは90年のアルバムと
翌年のライブ盤でも披露していましたね。
by Mudslideslim (2007-04-19 20:24) 

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