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Tom Petty 「Wildflowers」 [Today's Album]

ここのところまたがっくり調子が落ち込んでいて更新ペースが更に遅くなっています。
ぼちぼち今年の新譜も入荷してきましたがあまり聴きこむ気がしないので追々ということで。

映画の影響や詳しい知人に教えてもらう機会があって、最近アメフトのルールがわかってきて面白くなってきました。そんなわけでスーパー・ボウルのライブ中継を観戦したのですが、素晴らしいゲーム内容でとても楽しめました。本当に調子が悪い時は聴覚だけに訴える音楽よりも、視覚にも訴える映画やスポーツの方が疲れずにのめりこんで痛みを忘れたり出来るようです。
昨シーズン殆ど毎日のようにMLB観戦をしていたので相方に「これ以上趣味を増やすな!」とどやされましたが、録画した物を見せながら軽く説明すると見事に自分もはまり込んでいました。

プロ・ボウルって見たほうがいいんですかね?

ハーフタイムショーにはなんとTom Petty & The Heart Breakersが登場して物凄い得した気分。オープニングには初期の名曲「American Girl」も披露してくれました。

毎日のように強烈な全身痛や頭痛、倦怠感に襲われていて、夜もカール・ゴッチにジャーマン・スープレックスを決められた上にアンドレ・ザ・ジャイアントのボディ・プレス、更に鉄の爪フリッツ・フォン・エリックのアイアンクローにストマック・クローががっちり食い込んだような状態で眠れません!
ギブ、ギブ、ギブ!うぅっ・・・

こっから先は1日約5行ペースで書き上げたんで支離滅裂かもしれませんがお許しを。



Wildflowers

Wildflowers

  • アーティスト: Tom Petty
  • 出版社/メーカー: Warner Bros.
  • 発売日: 1994/10/21
  • メディア: CD

私がTom Pettyに求めているのはデビュー以来聴かれていたキャッチーな曲の中にも感じられるちょいとゴリッとした感触で、それがここ最近は薄まってきたように思う。転機となったのが恐らくJeff Lynneがプロデュースした初のソロ名義「Fullmoon Fever(89)」だろう。好きな曲も多く、素晴らしいアルバムだったのだが、Jeffのソロ、George Harrison、Traveling Wilburys、Del Shannon、Roy OrbisonとJeff Lynnの特徴的なサウンドを聴かせられ過ぎて当時食傷気味になったのもまた事実。Wilburysのメンバーながらこいつに一切音をいじらせなかったDylanはやっぱり偉い!

70年代後期から80年代にかけて人気を3分していたBossやJohn Mellencampと比べると良く言えばセンスが良く、時代の空気を読むのに長けており欲がない。悪く言えばお調子もんで上の人間に取り入るのが上手く、いつまでたってもDylanの弟子のMcGuinnのそのまた弟子といったポジションで良しとしている。Warren Zevonのラスト作に客演した時も、陰鬱だが誠実なJackson Brown、真摯で太陽の光のようなオーラで重苦しいスタジオの空気を一変させたBossとは対照的にオチャラケお調子者振りで顰蹙を買いまくり我が家での評価をグッと下げてしまっていた。

元々3コード、或いはそれに毛が生えた程度で曲を制作していた物が何か違うことをやりたいと思った時にとる事が多い手法がビートル化。その方法としてミックスやマスタリングで小細工したり、よりメロディアスに聴こえるように複雑なコードを混ぜ込む作曲面での方法がある。ギターを弾いたことがある人は感覚的にわかると思うが、そういった手法をとって楽曲をよりメロディアスにしようとすると泥臭さや素朴さは犠牲にしなければいけない。私はCountryやBlues、R&Bといったルーツミュージックを感じさせたり泥臭い、汗臭い、人間臭い、ごめん臭いの臭い尽くしの音楽が大好きなんで、元々泥臭さや素朴さが売りだったアーティストがビートル化するのが大嫌いだ。

TomがまさかBeatlesを嫌いなわけはないと思うが、それ以前のアルバムではBeatlesの影響をそれほど強く感じることはなく、Jeff LynneやGeorge Harrisonと接触したのがきっかけだと思う。
それ以降そちらの方向へ進んで行くのかと思いきや、ストップをかけたのがまたも登場のRick Rubin。

このWildflowersはPettyのW.Bへの移籍第一作目で「Fullmoon Fever」以来のソロ名義。この人の場合ソロ名義といってもHeartbreakersのメンツを起用しているし、Bossのソロ名義と違ってサウンド的にHeartbreakersとの作品との差はあまり感じられない。やはりう甲虫のような曲は聴かれるのだがRick Rubin独特ザラツキ感が前面に出され音作りの面では生々しい泥臭さを保っている。

 1. Wildflowers
アコギのカッティングの音色が美しい。初期に比べて優しくなってきたTomの歌い方が曲に。必要最低限のサウンド。
 2. You Don't Know How It Feels
イントロでハーモニカをフューチャーしたミディアム・テンポのフォーク・ロック。
 3. Time To Move On
テンポの速い軽めのフォーク・ロック。Mike Campbellのワウスライドがアクセントになっている。
 4. You Wreck Me
初期を彷彿とさせるハードなサウンド。やはりTom Pettyにはドライブ感溢れる8ビートRockが似合う。
 5. It's Good To Be King
ピアノのイントロにストリングス、アレンジ面でカブト虫臭が漂い始めるがRickのザラッとした音作りに救われているのでOK。
 6. Only A Broken Heart
ヴォーカル処理やメロトロン、ハーモニウムが入ってくるあたりがこれもちょっと甲虫の臭いがするが嫌いではない。生々しいアコギのサウンドと曲の良さにに免じてギリギリ許す。
 7. Honee Bee
初期を通り越して猛烈に歪んだギターリフで幕を開けるハードなブルース・ロック。Rick Rubinの手腕が最高に発揮されていてTomのゴリゴリ感がかつてないほどに強調されている。文句なし!Mike Campbellの揺れ系リードも凄い。
 8. Don't Fade On Me
弾き語り調の曲。ソフトにな歌い方になってしまっているのでいくらRick RubinでもJohnny Cashのようなわけには行かない様だ。
 9. Hard On Me
アレンジ面はシンプルながら旋律的にビートル臭がする。
10. Cabin Down Below
これまた待ってましたの激カッコよいブルージーなナンバー。
11. To Find A Friend
フォーク・ロックです。昔みたいに声張り上げて歌って欲しいがまあ問題ありません。
12. A Higher Place
これは彼らしいByrdsをも髣髴させるようなフォーク・ロック。
13. House In The Woods
ゆったりとしたちょっと重めのナンバーなんですが何故か虫臭い。もったいない。
14. Crawling Back To You
これはメロディも詩もかなり好きな曲なんですが、メロトロンによるカブト虫っぽい仕掛けもあり。
15. Wake Up Time
ピアノをメインに持ってきたスローなナンバー。これも虫っぽいなあ。意識しすぎでしょうか?

あれ???
このアルバムはリリースされた当時から好きだったんですが、こうやって聴きなおしてみると思っていた以上にBeatlesの影響が強いアルバムかもしれません。それでも好きなのはRick Rubinの音作りとやっぱりTom Pettyだから?・・・ということにしといてください。

この後OSTの96年の「She's The One」、99年の大好きな「Echo」と、Rickが絡んだアルバムが続き、その後「Last DJ」ではGeorge Drakoulias。Georgeは好きなプロデューサーの一人なんですが、ちょっと軟弱になってきたTomを好みのサウンドにするには役不足。その後出された最新作「Highway Companion」ではなんとまたJeff Lynneを起用・・・。以前程ではないがベチャッと潰れたスネアの音は聴き飽きた。もう出てくんな!



「American Girl」 Super Bowl 2008



「You Wreck Me」


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Various Artists 「The Pilgrim: A Celebration Of Kris Kristofferson Various Artists」 [Today's Album]

「The Pilgrim: A Celebration Of Kris Kristofferson / Various Artists」 2006
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The Pilgrim: A Celebration of Kris Kristofferson

The Pilgrim: A Celebration of Kris Kristofferson

  • アーティスト: Various Artists
  • 出版社/メーカー: New West
  • 発売日: 2006/07/10
  • メディア: CD


Kris Kristofferson。70年代よりSSWと俳優の二足の草鞋を履き今も尚現役。
それもミュージシャンが「ちょいと映画に出てみました。」のような中途半端なものではなく本格的に映画界に参戦している。今でこそ主役を張ることは少なくなったが、娯楽大作からB級作品まであらゆる映画で彼を見ることが出来る。

かなり昔にあるアメリカのメディアが彼のことを“歌えないソングライター”と酷評していた。確かに素朴な味わいを持った70年代のSSWの中でも彼のヘタウマ度は群を抜いている。
歌が上手いか下手か、といった捕らえ方をすれば間違いなく彼は下手なシンガーだろう。しかし聴き手に何かを伝えるという観点から見れば彼は素晴らしいシンガーだ。少なくとも一部の人にとっては。そうでなければStephen Bruton、Donnie Fritts、Billy Swan等の猛者たちが彼をバックアップするために集結するなんてありえないのではないだろうか。
何を持って歌えないかというのは聴く人の主観によるところが大きい。彼を“歌えないソングライター”と評したライターはきっと楽譜どおりに唄えて、声量があって、といようなKristoffersonとは対極のスタイルに対して“歌える”と思うのだろうから、無理してロックやフォークなど聴かず、大人しく間違いなく上手いパバロッティでも聴いていればよいのだ。

Kris自身に関してはいつかまたの機会に詳しく書きたい。今までにも彼の曲はポップ・シンガーからカントリー・シンガーまで多くの人に取り上げられているが、2005年にリリースされたこのトリビュート盤にも大御所から若いアーティストまでが集まっているのが彼の書くストーリーとメロディが多くの人々の心を掴んでいる証だ。

 1. The Pilgrim: Chapter 33 / Emmylou Harris & Friends
まずは無難なところ。曲が良ければこの人は問題ないですね。ここでのFriendsとはSam Bush、Jon Randall、Randy ScRuggs等。イントロ部での語りは70年当時のKrisの物をそのまま使っている。70年代は数々のアーティストとしてハーモニー・パートナーとして活躍した彼女だがリード・シンガーとしては最近のほうがずっと貫禄を増していて良いような気がする。見た目、声共にギスギスした感じも薄れてきた。
 2. Maybe You Heard / Todd Snider
90年代に入って頭角を現してきたSSW。ルーツに色濃くカントリーを感じさせながらもNashvilleの売れ線カントリーに染まっていないのはKris同様。ドラム無しのアレンジながら相変わらずのロック魂も感じさせるヴォーカル。
 3. The Circle / Marta Gomez
知らない人です。メヒコの方でしょうか?非常に透明感のある素晴らしい歌声です。
 4. Lovin' Him Was Easier (Than Anything I'll Ever Do Again) / Rosanne Cash
ご存知Johnny Cashの娘さん。平均点。
 5. Come Sundown / Rodney Crowell
R・Cashの次に持ってこられた収録順は何かの陰謀か。スローな曲をホンキー・トンクにアレンジ。
 6. For The Good Times / Lloyd Cole & Jill Sobule
Lloyd Coleという人は自分にはあまり関係ない人だと思っていて今までちゃんと聴いた事がない。特に悪くはないが、この超名曲をこの人に歌わせてしまったのはどうかと思う。Jill Sobuleは歌い方も曲もそんな嫌いではないのだが見た目がキモ過ぎて受け付けない。
 7. Jesus Was A Capricorn / Marshall Chapman
オリジナルよりブルージーにアレンジしたのは女性ベテラン・フォーク・ロッカー。これもまあまあ。
 8. The Silver Tongued Devil & I / Shooter Jennings
ゴリ押しだけのアーティストと思われがちなShooter。シンプルなアレンジにじっくり聴かせるヴォーカルが底力を見せ付けている。
 9. Sunday Mornin' Comin' Down / Gretchen Wilson
チャートでも成功しているカントリー・シンガーの中にあってはOutlaw-Bitc〇臭を見た目からも発散している珍しい存在。アルバムは持っていないのですが、Loretta Lynnを思わせるようないい声を持っている。曲は名曲だし・・・素晴らしいです。アルバムを聴いてみたい気になった。
10. Sandinisita / Patty Griifin & Charanga Cakewalk
この人も90年代のSSW。初めて「Every Little Bit」を聴いた時はあまりの表現力にぶっ飛んだがキンキン声が年老いた耳に痛くて最近遠ざかっていた。今回はあまり声を張り上げていない。が、特に面白くはない。Charanga CakewalkはChicanoのマルチ・プレーヤーMichael Ramosの別名。ちょっと音響系っぽいアレンジ。
11. Darby's Castle / Russell Crowe & The Ordinary Fear Of God
本作一番の目玉?好きな作家であるJames Ellroy原作の映画「L.A. Confidential」でのぶち切れ演技とTVショウのインタビューでの皮肉屋振りを見て以来、この人の大ファンなんです。未聴ながら以前にアルバムも出していたこともあるらしく、思ったよりソフトな声でで堂に入った歌いぶり。選んだ曲もちょっとマニアック。やはり只者じゃないよ、このオスカー俳優は!
12. Me and Bobby Mcgee / Brian McKnight
一番有名なこの曲を、多分この中で一番歌えるシンガーであるはずの人が歌っている。が、最近のR&B歌手にありがちなメロディの崩し方がイラつく。最悪。
13. Smile At Me Again / Randy Scruggs
伝説的なバンジョー奏者の息子でギタリストでもあるRandyはこのコンピのプロデュースも担当している。最近このようなBluegrass系ミュージシャンのスローなインスト曲が心地よく感じる。年ですかね?
14. The Captive / Jesse Colter with Vance Haines
子の七光りで最近あちこちと顔を出しているShooterママ。
15. Help Me Make It Through The Night / Bruce Robison & Kelly Willis
やっぱりこの夫婦は凄い!現在のミュージシャン・カップルでは最強でしょう。曲も素晴らしいので100点。
16. Why Me / Shawn Camp
90年代にデビューしたがRepriseにアルバム一枚で斬られたNashville脱落組のカントリーシンガー。何故かメジャー時代より深みのあるヴォーカルを聴かせる。この曲は珍しくKris自身のヴァージョンが73年にカントリー・チャート#1に。
17. The Legend / Willie Nelson
この手の企画には必ず登場。まあ対象がマブダチなので出てこないわけにはいかないか。万が一物足りない奇特な人がいたら79年の「Sings Kristofferson」でWillieの名唱がたっぷり聴ける。
18. Please Don't Tell Me How The Story Ends (Demo Circa 1970) / Kris Kristofferson
これは70年録音の本人によるデモ・バージョン。

特に巣晴らし感じたのは8、9、11、15でした。
さて、私が最悪だと思ったが明らかに抜群の歌唱力を持った12. と歌えないシンガーによる18.。あなたの心に訴えかけてくるのはどちらでしょうか?



 「Help Me Make It Through The Night」 Kris Kristofferson & The Delta Lady!



「Me and Bobby McGee」


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不定期病状報告 [脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)]

どうも最近、便秘、胃もたれ、吐き気、不眠といった、一番調子が悪かった時に強かった症状が少し戻ってきているような気がします。
これも熱海のS先生が言う「酷い時と調子が良い時の差が激しい。」というヤツなんでしょうか?

先週、都内のS病院に行きました。

熱海の診察結果の報告をして、前回の血液検査の結果を聞きました。
中性脂肪はおかげさまで正常範囲内に収まっていて、若干肝臓の数値が悪いものの、薬を飲んでいればこれぐらいはしょうがないといった数値なので心配ないとのことでした。中性脂肪を減らす薬リピディルはもう少し続けるよう言われ、以前効かなかったがもう一度試してみてと、プロレナールという血流や体内の液体の流れを改善する薬も出してもらいました。ただこの薬を飲んだ後、胃もたれが酷くなるような気がします。

また、アルギニン、ビオチン、リジンというアミノ酸を摂取すると良いと教えてもら、適当な商品名まで教えてもらいましたが、店頭で見るとその商品にアルギニンは含まれていないようです。1ヶ月分で¥1000ちょいなので試に買ってみて飲んでいます。この商品で正しいのかどうか、ボトルを持参して次回M医師に確認してみます。

昨日はF病院でしたが、こちらは相変わらず収穫無しで先生にも時間をとらせて申し訳ないです。
その帰りにたまにこのブログにもコメントをくれているガーナの友人、イチンムネさんが来日していたので新宿で待ち合わせて一時間ほど話すことが出来ました。やはり日本に比べて食料事情が良くないのでしょうか。前回会った時より痩せ細っていて、ちょっと見は彼のほうが病人のようです。しかし、御覧のように顔色は流石に野生的ですね。


昼からビールを煽りご満悦のイチンムネ氏

奥様がとても可愛らしい日本の方なので日本語は上達していますが、何を言っているのか半分ほどしか理解できませんでした。
もう直ぐお子様が誕生なさるようです。奥様に似ることを祈っていますが、親の見た目がどうであろうとハーフは無条件で可愛いのできっと可愛い子が生まれると思います。
自分で作ったという、ガーナ独特の織物で出来た小銭入れやコースターをお土産にいただきました。
何故か日本の改札を上手く通り抜けることが出来ずにトラブっていましたが、無事電車に乗れたようです。帰り際にも何かわめいていましたが、どうやら「俺の好きそうな音楽CDのリストを作って送れ!」と言っていたのだな、と今になってわかりました。メールしますね。

次にいつお会いできるかわかりませんがお元気で!奥さんにもよろしくお伝えください。ありがとうございました。


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2007 Best Album (New Releases) [Best Album of The Year]

お待たせしました2007年度、新譜のベスト・アルバムです。

去年聴いた中で“スゲーいい”のは数枚で、“まあまあいいじゃん”っていうのは、沢山あった年だったので非常に選出には迷いました。

精神、身体の状態によって入れ替わるので例によって順位は無しです。でも大体上からかな・・・。
12枚選出。
選ばれた皆さんおめでとうございます。 


Mescalito 

 

 

 

 「Mescalito / Ryan Bingham」
放浪と孤独、今では珍しくなった実体験から得たテーマを唄う、現代のハード・トラベリン・マンの衝撃のメジャー・デビュー作!Marc Ford(ex Black Crows)のサポートも光る。

The Bridge 

 

 

 

「The Bridge / The Bridge」
インパクトという意味ではSubdudes以上、イーストコースト出身ながら南部臭も感じさせる期待の星。メンバー全員のテクニックが確立されていながら冒険心も忘れていない。Ryan Binghamが良い意味で青臭さも残しているのに対してコヤツ等には微塵の青さも感じない。ファンキーで泥臭く、アダルトに攻撃的なグルーヴが強烈。


Street Symphony 







「Street Symphony / The Subdudes」
類稀なる安定感。2曲目「Poor Man's Paradise」でpoorな私も文字通りパラダイス送りにされ、3曲目の「Stranger」で早くも昇天。以後至福のひと時が続きまする。New Orleansが生んだ偉大なルーツ・ロック・バンド。

 Noble Creatures 

 

 




「Noble Creatures / The Gourds」

こちらはTexas産にしては珍しい、その微妙な不安定感が堪らない。目いっぱいがなっているのに何故か脱力させられるヴォーカル。ピーヒャラオルガンもナイス!

The Wolf 

 

 

 

「The Wolf / Shooter Jennings」
豪放磊落でいて計算された音作り、サザン・カントリー・ロッカーShooterの3rd。どこかで聴いたようなメロにどこかで聴いたようなリフ・・・。いや、つべこべ言わずに男子たる者、これを聴きなさい。

 It Came from San Antonio 

 

 




「It Came From San Antonio / Bruce Robison」
マイナーに移ってからのこの人は本当に凄い。7曲入りミニ・アルバムながら、全曲高水準で充実感いっぱい。ウォームなサウンドに優しく誠実なヴォーカルが秀逸。
 Translated from Love


 

 



「Translated From Love / Kelly Willis」
Bruceと夫婦でランクイン。珍しくデビュー以来買い続けている女性カントリー・シンガーのRykoでの3作目。アコースティック色の強かった前作を挟んで再びChuck Prophetと組んだロック色の強いサウンド。個人的にはもっとカントリー色が強い方が彼女には合うと思うが、それでも曲がよくて適度にベタついたKellyのヴォーカルにかかれば・・・やっぱりカントリーだ。 


Cimarron Manifesto







「Cimarron Manifesto / Jimmy Lafave」
発売以来ウィッシュリスト内で放置されていたがブログ先輩のT氏の記事にどつかれよろけてポチッとクリックでショッピング・カート行き。ブルース、カントリー、フォークといったルーツ・ミュージックがJimmyのハスキーでありながら湿り気も帯びた搾り出すかのようなヴォーカルにより融合されたアメリカンSSWの傑作。Rockな曲ではそんじょそこらの若者よりもRockしているのもこのジイサンの凄いところ。


Washington Square Serenade 

 

 

 

「Washington Square Serenade / Steve Earle」
Allisonと結ばれたことでSteve史上最も攻撃性の和らいだスッキリとしたサウンドに。しかしながら実験精神に溢れた音作りや新しい試みが随所に聴かれ、決して守りに入っているわけではない。彼のターニング・ポイントにもなりえる重要な作品。・・・だと思う。


Never Look Back


 

 

 

 
「Never Look Back / Tom Gillam」
これはM氏のリストで購入を決めたら当りでした。Lynyrdのような歯切れのいいリフで攻めるタイプではなく、コードかき鳴らし系リフでグイと押し切るサザン・ロッカー。軽めのヴォーカルが玉に瑕だが、オバサン顔のルックスに反して粘り腰の効いた泥臭いスライドで土俵際でうっちゃる。

Dislocation Blues 

 

 

 


「Dislocation Blues / Chris Whitley & Jeff Lang」

ライナーには2006とあるが、AMGでは2007発とされているようなので。前回Chrisについて書いた時点で、私としたことが彼が肺癌で亡くなっていることを全く知らなかった。死ぬ直前に録られたこの作品ではヴォーカルから持ち前の色気や艶が薄まりながらも喘ぐように歌う鬼気迫る演奏が聴ける。ブルース・ナンバー「Twelve Thousand Miles」のスライドは耳を通り越して神経に直接響く。Dylanの「Changing Of The Guard」には泣いた。

 Roses & Clover

 

 

 


「Roses & Clover / Alo」
意外だと思われるかも知れませんがこれけっこう聴いたんです。Jam Bandと呼ばれるようなアーティストの中でも軟弱派と思われちゃっているようだが、適度に軽く、ゆるく、キャッチーなサウンドはそんなに入れ込まないで聴き流すのに心地よいグルーヴを持ったバンド。通しても疲れないで聴けるアルバム。The Bandのトリビュート盤では「Ophelia」を披露。




Worst Album Of The Year

Magic

 





「Magic / Bruce Springsteen」
Born In The U.S.Aを最高傑作と崇めるファンに媚び諂うかのような後ろ向きのアルバムは要らない!音作りも酷すぎる。
でもライブはぜったい良いんだろうなぁ・・・。


Easy Tiger







「Easytiger / Ryan Adams」

これ以下のアルバムはいっぱいあるし、「Two」や「Two Hearts」のように素晴らしい曲もあるんです。でも君の力はこんなもんじゃないだろ?湧き出るアイデアを作品にしたい気持ちもわかるし、やたら上手くなったヴォーカルで歌い上げたい気持ちもわかるが、一年に何枚もリリースする必要なんてない。じっくり腰を落ち着けて「Gold」のような入魂の作品を作ってほしい。「Excuse Me While~」や「Rescue Blues」で聴かれた魂に突き刺さる破れかぶれのヴォーカルは何処へいったRyan君?ミニ・アルバム「Follow The Lights」もいらないだろ?



総評
上からの何枚か以外は、気分しだいで惜しくもランク外となった作品と入れ替わるぐらいクオリティが拮抗しているように思えました。
T氏とM氏に教えていただいたDanny Flowersの「Tools for the Soul」も地味だが素晴らしかったし、今までのソロで一番CCRに近いかと思えるJohn Fogertyの「Revivalも健在振りをアピールするのに充分な力作。“唄う弁護士”David Childersの「Burning In Hell」も前作ほどの暴走振りは聴かれなかったものの、ズリズリと蟻地獄に引き込まれるようなスリルを味わえる一品。Lucinda Williamsの「West」は数曲はとても良く聴いたが、どうしても奇跡の名盤「Car Wheels On Gravel Road」と比較してしまうので惜しくも落選。Wilco「Sky Blue Skyはランク入りしてもおかしくない内容だが、過去に吐き気がこみ上げてくるような作品を作った裏切りを許せず、次のアルバムを聴くまでは信用できず、マイナス10点でランク外。Dwight Yoakamの「Dwight Sings Buck」も想像以上に良かったがPete Andersonが不在なので5ポイント減点。
これ以外にも年末、B氏のところでリリースされているのを知ったGordy Quistの新譜とBand Of HeathensのDVDは慌てて注文したものの未着。これが入荷していればリストも大きく入れ替わっていた物と予想される。

御覧のように私の音楽生活はWith A Big Help From My Blog Friendsで成り立っているので、なにとぞ今年も見捨てず、そしてあまり刺激せずに、よろしくお願いします。


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2007 Best Album (Reissue & Compilation) [Best Album of The Year]

年明け早々調子が悪くなったり、引きこもりなりにもバタバタと所要が重なってしまって選出が遅くなってしまいました。申し訳ございません。

10枚選出しましたが順位はつけていません。


Rewind: The Unreleased Recordings

 







「Rewind / J.J. Cale」
未発表曲集。いつも通りのサウンドながら他人のカバーや普段より少し多めなメローな曲など聴き所が多く楽しめた。


Bobby Bare Sings Lullabys, Legends and Lies (And More) 


 




「Sings Lullabys… / Bobby Bare」
これは嬉しいヴォリューム満点2枚組みでのリイシュー。しかし2枚目の実態は・・・。


We All Got Together And.../Storyteller







「We All Got Together+The Storyteller / Tom T. Hall」
トラック野郎御用達、稀代のストーリーテラーTom Tが72年に発表した2枚のアルバムのカップリング。
2 in 1って何か得したような損したような・・・せめてジャケをライナーの裏表でフルサイズにするとか、ライナーを2冊つけるとかの工夫を。


Swamp Grass/Douglas James Kershaw







「Douglas James Kershaw+Swamp Grass / Doug Kershaw」
ルイジアナの怪人、フィドラーにして変態カントリー・スワンパーの72、73年作品。他のタイトルも出ているので買わなくては・・・。中古出回るまで待つか・・・。スワンピーな曲もあるんですがヴォーカル・スタイルははかなりカントリーよりなのでカントリーが苦手な人にはちょっと?
2 in 1って何か得したような損したような・・・せめてジャケをライナーの裏表でフルサイズにするとか、ライナーを2冊つけるとかの工夫を。


Rodney Crowell 

 

 


「Rodney Crowell / Rodney Crowell」 (1981)
時代の狭間に出てきてしまった不幸なカントリー系SSWの3rd。80Sっぽいサウンドが少々残念ながら、「Til' I Gain Control Again」 「Victem Or Fool」等の名曲を含み、Booker T、Albert Lee等が参加。この人はその繊細な見かけや歌声とは違って豪胆な正確だと見た。だってあんた、Johnny Cashに娘さんをくださいって頭下げられます?しかも後に分かれちゃうんですから・・・。

  Best Of: Songs from the Street

「Songs From The Street-The Best Of / Murray McLauchlan」
個人的に思い入れがある、誠実で真っ向勝負のヴォーカルが魅力のガッツ溢れるカナディアンSSWの2枚組みベスト。初期3枚を即刻CD化するように!


Live at Massey Hall 1971 







「Live At Massey Hall / Neil Young」 (1971)
暗がりに青白く浮かび上がる姿はサダコか?はたまたゴリラ(この表現、使用許可OKですか?)か?ギター一本でこれだけ鬼気迫る演奏は唯一無二。この男のこの時代だからありえた歴史的記録。


Live From Austin Texas 

 





「Live From Austin Tx / Doug Sahm」

一家に一枚、動くSir Doug!もっといい映像隠しているんじゃないのか?全部出しなさい!

 Endless Highway: The Music of The Band 







「Endless Highway-The Music of The Band / Various Artists」
いわゆるThe Bandのトリビュート物。B級アーティストが並ぶがここに参加していなければ自らは聴く事が無かったであろうアーティストが悪くない演奏を聴かせてくれた拾い物的楽しみがあった。


Jack of Diamonds







「Jack OF Diamonds / John Phillips」
1stソロの「The Wolf King Of L.A.」に続き72年から73年に録音されていたがお蔵入りになっていた音源。1stのシンプルでフォーキーなサウンドを期待していたのにライナーに南部やL.A.のミュージシャンと共に並ぶLarry CarltonやJoe Sampleの名前を見て嫌な予感が・・・。それが的中してシティ感覚溢れるお洒落っぽいサウンドが冒頭から並び嫌になって聴いていなかったのが今回ベスト・アルバムを選出するに当たって聴きなおしてみたら・・・、あれ?悪くないじゃん。後半には1stのサウンドやママパパを彷彿とさせる曲もあるし、メロウな曲でヘナヘナ声に絡むサックスも心地よい。この時代でこのサウンドとは後に来る都会派SSWの時代を予見していたのだろうか?アルバムとして聴くとまとまりには欠けるけど未発表曲集なので上出来?



Worst Reissue Album of The Year

The Traveling Wilburys 







「Collection / The Traveling Wilburys」
買っといてなんですが、Vol.1はともかく、そんな音質が悪くもないVol.3も含めてリマスターっちゅうことで既発とダブりまくり音源、ボーナス未発僅か4曲にしょぼい映像のこの内容でこの値段の価値はあるのでしょうか?恐らくマニアはブックレットやグリ〇のおまけのような付属品に狂喜するのでしょうが・・・。



総評
07年はビックリして鼻から髄液が出そうになった06年のEric Quincy TateやJohnny Cashの「San Quentin完全版」等に勝るリイシューはありませんでしたが、ここ数年CD化が進んでいるカントリー系アーティストのオリジナル・アルバムを中心に狙い買いしていた感があります。

国内紙ジャケは収納面での利点以外ではそれほどこだわりがあるわけではないので数枚を除いては持っている音源をダブって購入することはありませんでした。持っていない音源に関しても紙ジャケを購入した方が放出した旧規格盤をハイエナのように漁る相変わらずの日々。

気がついてみると07年発のリイシュー・アルバムってあまり買っていなくて06年以前の買い残しを中古を買い求めていたので選出も楽でした。
宝くじでも当てない限り、豊富な資金源を擁する独身貴族の方々のペースには追いつけそうもないのでこの遅れ買いスパイラルは一生続きそうです。

07年発の中にも買っていれば間違いなくここにランクインしていると思える買い残し盤がありまして・・・・それでも今年は幸か不幸か触手が動くリイシュー音源は少なかった方だと思います。

ああ~今日はあちこち猛烈に痛い。


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不定期病状報告 [脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)]

病気ネタが続きますが熱海の病院に行ってきましたので・・・。

診察時間は再診の人は10分までと決められていますが、先生は患者を焦らせるような素振りは全く見せません。しかし、時間になるとベルがなって白衣の天使が時間切れを告げにやって来るので、質問事項をメモったリストを持参。
大体いつもどおり、2時間以上予約時間を過ぎた頃に呼ばれました。完全予約制で一人10分までなのに2時間以上遅れるって不思議ですけど、それだけS先生が忙しいということなんですね。

通院往復7時間、待ち時間2時間強で勝ち取った10分の診察の全貌を要約してQ&A形式で掲載!

Q. 身体が火照るとチクチクと全身が痛くなるのは何なのでしょうか?脳脊髄液圧症候群と関係あるのでしょうか?

A. 自律神経の症状だと思います。そんなに気にしないでも大丈夫でしょう。

Q. (これは読者の皆さんに知られると「不潔だからだ!」と、嫌われると思って伏せていましたが、実は9月ぐらいから両耳の耳たぶの裏、最下部がたまに腫れぼったくなり膿のようなものが出続けていました。最初はあれほど子供の頃からカトチャンに「耳の裏も洗えよ!」と言われていたのに・・・、と思い、気をつけてよく洗って、消毒液もつけていましたが収まってはまた腫れてくるの繰り返しでした。)
9月末頃から耳の裏が腫れて膿のような物が出続けています。関係あるのでしょうか?

A. 耳たぶの裏には脂肪が多く、皮膚のひだが複雑で非常に細菌に感染しやすい所なんです。直接は関係ないと思いますが体調に変化があるとき、弱っている時にそういう症状が出やすいところです。心配しないで大丈夫でしょう。(先生半笑い…(汗))

Q. 前々回にお願いした自賠責宛の意見書は書いていただけたでしょうか?

A. 申し訳ありません。まだ書いていません。しかし、この自賠責の回答はあまりにも酷い板、あなたの場合髄液の漏れもはっきり確認できていたので必ず書きます。次回まで待ってください。

Q. 自賠責は胸郭出口症候群に関しても、「胸郭出口症候群とわかったのが事故から4年以上経ってから、そして両側の鎖骨下動脈で閉塞または狭窄が見られ、左の神経伝導速度に遅れが出ているのに症状固定時の訴えは“右上肢の痺れ”と矛盾が見られる。」との理由で異議が却下されています。

A. まず自賠責に「髄液の漏れがあった。」ということを認めさせるのが先決だと思います。脳脊髄液圧症候群を患った結果、胸郭出口症候群も発症したという方向に持っていくのがいいでしょう。ただ現状では誰が見ても明らかに漏れているRIシンチ画像に対して、「漏れているけど事故との因果関係が明らかではない。」ではなく、「漏れていない。異常ない。」という回答をしてくるのが常套手段のようですが・・・。

Q. 以前はカフェインを摂ると脳圧が高くなると聞いたのでコーヒーや緑茶で水分を取っていましたが、利尿作用が強く逆に脱水になりかねないとも聞いたので現在はカフェインの少ないほうじ茶で水分を摂っていますが相変わらずおしっこが近く日中は30分に一回ぐらい、それもかなりの量が出ていますが?

A. そうですね。カフェインを多く含む物を摂取するのはやめた方がいいでしょう。尿が近いのならそれを上回る量の水分を摂るように心がけてください。

Q. 10月ぐらいまでは調子良い日が3~4日程続くこともありましたが、ガクッと落ち込むとかなり辛い状態になっていました。12月以降は以前と全く同じ状態で月の3分の2はどちらかと言えば調子が悪い日ですが?

A. 調子の上がり下がりが激しいのは一見辛いようでも治癒に向かっている患者さんに多く見られている症状です。もう少し様子を見ましょう。12月以降は急に寒くなって他の患者さんも皆さん痛みが酷いようです。

Q. 最低1日40分は歩いています。

A. 1日に最低でも30分ぐらい歩くことは自律神経の働きを整えるのに大変いいことです。続けてみてください。

Q. 髄液漏れは止まっているのでしょうか?

A. 分かりませんが止まっていても自律神経の動きが正常になるまでは常人にはたいしたことがない気圧や天候、体調の変化、脳圧の上下を上手く調節できない状態が続きます。前回漏れと思われる影が(癒着による炎症かもしれない)が広がっていたこともあるのでもう3ヶ月ぐらい様子を見てまたMRシンチを撮ってみましょう。

ここでタイムアップ。
ということで次回は4月末にMRシンチと診察の予約を取ってきました。

予想通りいまひとつスッキリしないですし、自分では全く良くなっている気はしないのでもう歩くのも嫌になってきていましたが、今自分にできることは歩くことだけ・・・。4月まではがんばって歩き続けます。

S先生、アホな質問にちょいと半笑いはあったものの真摯に答えてくれてありがとうございました。


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新年のご挨拶 [脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)]

元気ですか~っ!?

元気が無いからなんにもする気がしない…管理人です。

明けましておめでとうございます。

昨年は丸一年、全く労働していないというありえない一年でした。その他にも長年確保していた独自の格安輸入盤入手ルートが脆くも崩壊するという事件もありまして、昨年を漢字一文字で表すと“”ということになりそうです。ていうかここ数年ずっと“”なんですけどね。

2日からまた調子ががっくりと落ちていました。
ずっと調子悪い日が続けばある程度は慣れるのかもしれませんが、ちょっと調子が良くなったりしてもまたどん底に突き落とされるのがこの病気の辛いところですね。
いっそのこと髪の毛そり落として後頭部や側頭部に湿布を貼りたいと思ったりしています。
今日はやっとちょっと楽な気がします。

暮に約一年振りに金属製ベルトの腕時計をはめたところ、目盛り2つ分補足してもまだユルユルというぐらい左手首が細くなっていてショックを受けました。去年はそうでもなかったので手術の影響ではと思っています。筋トレしたくても固いものを掴んだりするのが痛くてもう少し回復してからではないと辛そうです。

近々、熱海での診察があるので有益、無益な新情報がありましたら記事にてお伝えしようと思っています。

今年の抱負はと問われれば、この忌々しい病からの復活に他ならないのですが、このままだと休職期間も終わり、給付金も絶たれるので今年中には最低でも見切り発車出来るところまでは持っていかないといけません。

同じ病の方々にとっては寒くて辛い日が続くかと思いますが、完全復活目指してがんばりましょう。

今年も見苦しくもこちらで憂さ晴らしさせていただくかと思います。
よろしくお願いします。


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Murray McLauchlan 「Songs From The Street-The Best Of」 [Today's Album]

「Songs From The Street-The Best Of / Murray McLauchlan」 (2007)

Best Of: Songs from the Street

  • アーティスト: Murray McLauchlan
  • 出版社/メーカー: True North
  • 発売日: 2007/10/16
  • メディア: CD


大晦日に誰もこんなところ見にこないだろうけど・・・今年最後の更新です。

先日、古い友人に会うことが出来ました。私の場合、相方と音楽や映画の価値観を共有できる幸せな環境なのですが、それでも久しぶりの友人との再会で音楽に映画にと喋り捲ってしまいました。
十数年前にすっかりMurrayにはまり込んだ私に「俺ではなくオマエが持っているべきだ。」とアナログを一枚譲ってくれたのも彼でした。

勿論、南部の音楽も大好きなんですが、カナダのアーティストには思い入れがあって、その中でも特別なのが彼。アメリカ北部やカナダのアーティストの作品には人間的な暖かさはありながらも共通して厳冬の凍てついた、そして張り詰めていて澄み切ったような空気感が感じられるのが不思議な魅力。

この人の初期の作品がCD化されていないのが解せない。同じTrue North系ではBruce Cockburnは別格にしても、David Wiffenだって形態はどうあれ1st、2ndがリイシューされていたのに・・・。
ベスト盤は以前にも出ているんだけど選曲がダメダメなのでリリースされている中では一番好きな4thの「Sweeping The Spotlight」で我慢していたところ、麻田 浩さんのブログでこの2枚組のベストが今年になって出たのを知りました。ありがとうございます麻田さん。

ScotlandからTorontoに移住してきた家庭に育ったMurrayは17歳で家を飛び出し放浪。家出時の生々しい感情を唄った「Child's Song」が、自身の作曲能力に関しては?だがデビュー前のJackson Browne、James Taylor、David Wiffen、Joni Mitchellらの曲をいち早く取り上げ、選曲、新人発掘、放浪系フォークからSSW時代への橋渡しといった分野ではその才能を発揮した、太く男臭い喉を持ったシンガー、Tom Rushに「Old Man's Song」と共に2曲同時に取り上げられ注目度アップ。
71年に1st「Songs From The Street」でデビュー。翌72年には「Murray Mclauchlan」をリリース。Gordon Lightfoot等と共にカナダを代表するSSWに。Philadelphia Folk Festivalに出演した彼のホテル・ルームにはTom Waits、John Prine、Jim Croce、Steve Goodman、Loudon WainwrightⅢが集まり夜な夜なセッションを繰り返し、詩の題材や曲を披露し合っていたという・・・。誰か映像撮っていないのか!?
73年には「Day To Day Dust」を発表。これ以降もコンスタントに活動は続けていくが、個人的に諸手を挙げて他人に進められるのは3rdまでで4th以降は徐々にパワーダウンしているように思える。

残念なことは2枚組みというヴォリュームにも関わらず、1stから3rdまでの曲が其々3曲ずつしか収められていないこと。それでも買っちゃうんですけどね・・・。

同時代のSSWの多くが割と淡々とした唄い方をする中でシンプルなフォーク・ロック・サウンドに乗せて馬鹿正直なまでにガッツ丸出しの、黒さとはまた違った意味でのソウルフルなヴォーカルが魅力だった。恐らくTom Jans辺りが好きな人は気に入るのではないのだろうか。

 1. 「Honky Red」
自身のスライドもフューチャーした不思議とどこかしらスワンプ風な香りすらするフォーク・ロック・ナンバー。でもあのThe BandもLevon以外は全員カナダ人ということを考えれば不思議ではないか・・・。The Bandの音にも南部臭さと同時に何か寒々しさがありますよね?
 2. 「Child's Song」
両親や幼い妹への書置きのような内容の歌詞が生々しくもセンチメンタルなアコギ一本で唄われる曲。何かを求めて自分が初めて親元を離れた時のことを思い出さずにはいられない。
 3. 「Sixteen Lane of Highway」
ハーモニカで始まりながらもゆったりとした16ビートでこれもスワンプ風味のある曲。以前は沼地が合った生まれ故郷、小鳥の囀りも聞こえた。でも今見えるのは16レーンの高速道路・・・。
 4. 「Old Man's Song」
ここから3曲は2nd収録。弾き語り調なのだがシンセやストリングスが効果的に使われている。
 5. 「Carmelita」
Warren Zevon作。Warren自身、「かなり古い曲だ。」と語っていたのを読んだことがあるが、Warrenがこの曲を含むElektraでの1stをリリースしたのが76年。どういう経緯でMurrayが72年にこの曲を取り上げたのかは不明だ。メキシコ情緒溢れるこの曲に女性の啜り泣きのようなコーラスと印象的なギターのリフレインを配したこのバージョンも捨てがたい魅力がある。傷ついたベトナム帰還兵が痛みを和らげるために薬漬けになっていく状況を唄った曲は多い。国は保障を打ち切りメタドンはもう届かないのでヘロインに溺れていく。「薬に頼ってもしょうがないだろう?自分も努力しろ。」と嘗ての私ならそう言ったのかもしれない・・・。今は・・・ヤクくれ~。
 6. 「Farmer's Song」
非常にシンプルなワルツ調のフォーク・ソングだ。この国の人々が食べていけるのは農民のおかげなのに彼らのための曲がないなんて・・・。そんな純粋な動機で書かれた曲は青臭くも胸を打つ。
 7. 「You Need A New Lover Now」
ここからは3rd収録。ピアノが引っ張っていく美しいメロディを持った曲だが、飾り気のない直球勝負のヴォーカルが熱く、淡々としたDavid Wiffenのカバー・バージョンに比べて重厚な盛り上がりを見せる。間奏のドリーミーなギターはAmos Garrett!
 8.「Golden Trumpet」
これもシンプルなフォーク・ロック・サウンドに力みまくりのヴォーカルが微笑ましい彼らしいサウンド。
 9. 「Revelations」
死をも意識したような歌詞と美しいメロディ、アコースティック・ギターの響きにオルガンのサウンドと、どれをとっても素晴らしく感動的な曲。
10.「Down By The Henry Moore」
ここから4th収録曲。あれ?こうやって聴いてみると4thも素晴らしい曲入っていますね。ベストだから当たり前か。これはスコティッシュなんでしょうか?トラッドっぽいイントロとMurrayの引き締まったヴォーカルにTorontoの情景が目に浮かぶようなフォーク・ロック。
11. 「Shoeshine Workin' Song」
靴磨きの少年の目線で物事を捉えたイマジネーションとソング・ライティング能力が結実した悲しくも美しい曲。
12. 「Maybe Tonight」
カントリー風のフィドルやスライドをフューチャー。うーん、悪くない。
13. 「Do You Dream of Being Somebady」
これも曲自体は悪くないんだろうけど大所帯のストリングスと変な歪み方のエレキはやめて欲しい。このあたりが当時4th以降は駄目だと結論付けてしまった要因か。
14. 「Sweeping The Spotlight Away」
4thのタイトル・ソング。これはアコギとベースのみのシンプルな3拍子でヴォーカルも際立っていて良い。時折アコギで絶妙のフレーズを聴かせているのはBruce Cockburn!
15.「Cross Country」
これは74年の未発曲。悪くないが未発のままでも良かったかも。
16.「So Far From You」
75年録音のライブ音源。
17. 「Harder To Get Along」
ここからは77年の5th「Boulevard」収録。アナログもあまり聴かなかったなこれ。時代の流れか、リバーブ効き過ぎのヴォーカルに、これでもかっ?という大げさなアレンジで曲の良さが台無し。しかも長い。

だんだん文句が多くなってきたのでDisc2はやめときます。

初期のアルバムからの曲がCDで聴けたのは嬉しいが、紙ジャケなんて贅沢なこと言いません!
やはり最初の3枚はそのままCD化して欲しい。

SSWファンの方々には分かっていただけると思うのだが、私にとって一曲でも素晴らしい曲があるシンガーには他の100曲がクズでも大好きな人がいたりする。そんな中3枚も私にとって素晴らしいアルバムを創り上げたMurray McLauchlanは愛するに値する男なんです。

ご愛読してくださっている数少ない皆さん、大変お世話になりました。来年もよろしくお願いします。
皆さんが来年も素晴らしい音楽に出会えるように!



「Down By The Henry Moore」



「Farmer's Song」


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I Hate Christmas [MudslideslimのDetox]

気がついたら私もブログを始めて一年過ぎていました。
自分がブログをやるなんて夢にも思っていませんでしたが、この一年に色々な音楽情報をもらえたり、同じ病気の方へ参考になればと思っていたのに逆に励まされたりと有益なことも多かったです。
始めた当初、慣れていなかったもんで訪問先や自分の本文で他の方に不快な思いをさせてしまったこともあるかもしれません。今でもかな・・・。

閲覧数は増えていてもどうも実感が無く、なんか不毛だと思って何度やめようかとも思いましたが、ごく稀に来るコメントに馬鹿みたいに気分良くなって何とかここまで続けることが出来ました。
病気ネタ、音楽ネタが混在してとても見難いとは思いますが、現在は二つ以上のブログ・アカウントを持つとどっちがどっちだか分からなくなるような小脳状態なのでしばらくはこのまま続けさせていただきます。
コメントをくれている方々やコメントをくれなくても見てくれているシャイな方々、なぜかコメントをブログ上に書き込まずメールで感想をくれる方、ありがとうございます。色んな意味で励みになっています。

定番の2007年度ベスト・アルバムなんてのも考えていますが、まだブツが揃いきっていなかったり、聴き込んでいなかったりなので来月中には何とかしたいと思っています。

ここから先は少し汚い話になります。

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Dwight Yoakam 「Dwight Sings Buck」 [Today's Album]

「Dwight Sings Buck / Dwight Yoakam」 (2007)
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Dwight Sings Buck

Dwight Sings Buck

  • アーティスト: Dwight Yoakam
  • 出版社/メーカー: New West
  • 発売日: 2007/10/23
  • メディア: CD


この人は決して帽子を取ってはいけない。
これほど帽子がなくなると人相が変わってしまう人も珍しいと思う。帽子を取ってしまっては二目と見られないようなルックスなのにSheryl CrowやSharon Stone、Charlize Theronなど彼と浮名を流した美人は多い。元来出たがりの性格が災いしてか、大作からB級作品まで無帽備にも、いや無防備にも映画に出まくりなのだが、情けない役、変質的に意地悪な役等を演じさせたらかなり上手いのだから困ったもんだ。

見ているほうが赤面するほどの派手なステージングと極端に鼻にかけたヴォーカルで色物扱いされているDwight Yoakam。しかし彼こそが既存のカントリー・ミュージックにエレクトリック楽器を大胆に取り入れ、West-Coast Rockにも通じる乾いたサウンドに爽やかなメロディが特徴的なBuck OwensやMerle Haggardが作り上げた"Bakersfield Sound"の継承者であり、GPが成し遂げようとしたRockとCountryそしてR&Bとの融合を今も実践している数少ない男だ。
生まれがKentuckeyということも有りBluegrassの影響も色濃く、その他ロカビリー、特にElvis Presleyへの傾倒も顕著であり、Elvis無しには彼の歌唱法は有り得なかったであろう。また、L.A.のポスト・パンク・R&Rバンド、The BlastersやX等との共通項も多い。
彼の凄いところはロカビリーやポスト・R&Rのマニアックなファン層の支持を受けながらもカントリー・チャートにまで次々とヒット曲を送り込んだことだ。

彼が犯した最大のミスはデビュー以来バンマスにして、ブルース、カントリー、ロカビリーとあらゆるスタイルをこなすリード・ギタリスト、そしてプロデューサーと八面六臂の活躍を見せてきた腹心、Pete Andersonと前作より袂を分かってしまった事だ。この現代有数のテレキャス・ピッカーがいたために、“婦女子は腰を振るDwightに黄色い悲鳴を上げ、男子はPeteの繊細且つ力強いピッキングにむさ苦しいため息を漏らす”という構図が成り立ち、Dwightの音楽をNashvilleのコマーシャルなカントリー・ミュージックから数段上のルーツ・ミュージックへと引き上げていたのである。
我が家でもAustin City LimitsのDVDを見る時は相方は派手なアクションのDwightに釘付けになり、私は間奏時のPeteの指元をガン見して賞嘆の声を上げている。時折「間奏時にDwightは一番動いているのに何故カメラはギタリストに固定されるのだ!?」という八つ当たりにも似た罵声が飛びながらも、まあ夫婦円満、平和に鑑賞している。
どういう理由があったのかは分からないがPeteだけは手放してはならなかった。

DwightのBuckとの交友は古く、88年にStreets Of Bakersfieldをカバーした際、Dwightの熱烈な誘いによってついでにFlaco Jimenezまで交えての共演が実演している。
恐らく昨年の3月にBuckが亡くなった時以来このアルバムの構想はあったのだろう。今年になって偶然か、DerailersもBuckの曲ばかりを取り上げたアルバムをリリースしているのが興味深い。
前作の「Blame The Vain」ではPeteの穴をその筋では実績のあるギタリストKeith Gattisが埋めていたが今回はEddie Perezという人。まあ、普通に上手い人なんでしょうけど良く知りません。
ある意味Dwightの真価が問われるアルバムになるのかもしれない。

 1. 「My Heart Skips a Beat」
軽快で分かりやすいメロディの佳曲。やはりDwightのヴォーカルはBuck+The Kingといった感じだ。ギターも悪くないがちょいと粘っこく歪みすぎか。(Buck,64,#1Country Single)
 2. 「Foolin' Around」
続けざまにBakersfield Sound特有の元気のいいホンキートンク・ナンバー。全く違和感がないのは普段Dwightが作り上げているサウンドへのBuckの影響が大きいことの表れだろう。(61,#2)
 3. 「I Don't Care」
(64#1)
 4. 「Only You (Can Break My Heart」
更にスローに更にネットリと歌い上げるDwightのヴォーカルが泣かせる。(65,#1)
 5. 「Act Naturally」
Buck Owensの名を知らない人でもこの曲を耳している人は多いと思う。カントリー・クラシックといってもいい曲。Loretta LynnやKitty WellsらのカントリーシンガーはもとよりBeatlesもカバーしていたのを思い出して10年ぶりぐらいにBeatlesのCDを自らプレーヤーに入れたがケツが青すぎの演奏で申し訳ないが聴けたもんじゃない。
ここでは割とオリジナルに忠実に演奏されている。(63,#1)
 6. 「Down On The Corner Of Love」
 7. 「Cryin' time」
 8. 「Above And Beyond」
(60,#3)
 9. 「Love's Gonna Live Here」
(63,#1)
10. 「Close Up The Honky Tonks」
GPの名唱でロック・ファンにも知られているこの曲をゆったりとした16ビートでオルガンまで加えてのアレンジ。
カバー曲のアレンジ・センスの素晴らしさにはいつも驚かされていたのだが、そこには少なからずPete Andersonの力があると思っていた。すいませんでした。いやぁ、これは良い!ロック的なリズムに乗せて緩めに唄うカントリーなヴォーカルが絶妙だ。
11. 「Under Your Spell Again」
オリジナルより強めにバック・ビートを刻むドラム、歯切れのいいテレキャスのサウンド。うーん、これぞ現代のBakersfield Sound!(59,#4)
12. 「Your Tender Lovin' Care」
(67,#1)
13. 「Excuse Me (I Think I've Got a Heartache)」
(60,#2)
14. 「Think Of Me」
今更ながらBuckの曲がとてもシンプルで美しいメロディ・ラインを持ったものばかりであることに驚かされる。
(66,#1)
15. 「Together Again」
これもカントリー史上に残る名曲。カントリー界では多くのアーティストがカバー。GPやEmmylou Harrisのバージョンはロック・ファンにもお馴染だろう。Dwightは少しメロディを崩した独特の唄いまわしを聴かせる。(64,#1)

結論を言います。素晴らしい!Buckも草葉の陰で後継者の敬意溢れる追悼盤の出来に目を細めて、そのメチャでかい鼻の穴を膨らませていることでしょう。

だけどもだけど・・・Peteに戻ってきて欲しい・・・・。


「Close Up The Honky Tonks」



「Act Naturally」 Dwight & Buck



「Streets Of Bakersfield」 Dwight, Buck & Flaco


「Mystery Train」 Dwight with Pete, Don Was & Kenny Arnoff!
Peteのテレキャス捌きは必見!


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