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2007 Best Album (New Releases) [Best Album of The Year]

お待たせしました2007年度、新譜のベスト・アルバムです。

去年聴いた中で“スゲーいい”のは数枚で、“まあまあいいじゃん”っていうのは、沢山あった年だったので非常に選出には迷いました。

精神、身体の状態によって入れ替わるので例によって順位は無しです。でも大体上からかな・・・。
12枚選出。
選ばれた皆さんおめでとうございます。 


Mescalito 

 

 

 

 「Mescalito / Ryan Bingham」
放浪と孤独、今では珍しくなった実体験から得たテーマを唄う、現代のハード・トラベリン・マンの衝撃のメジャー・デビュー作!Marc Ford(ex Black Crows)のサポートも光る。

The Bridge 

 

 

 

「The Bridge / The Bridge」
インパクトという意味ではSubdudes以上、イーストコースト出身ながら南部臭も感じさせる期待の星。メンバー全員のテクニックが確立されていながら冒険心も忘れていない。Ryan Binghamが良い意味で青臭さも残しているのに対してコヤツ等には微塵の青さも感じない。ファンキーで泥臭く、アダルトに攻撃的なグルーヴが強烈。


Street Symphony 







「Street Symphony / The Subdudes」
類稀なる安定感。2曲目「Poor Man's Paradise」でpoorな私も文字通りパラダイス送りにされ、3曲目の「Stranger」で早くも昇天。以後至福のひと時が続きまする。New Orleansが生んだ偉大なルーツ・ロック・バンド。

 Noble Creatures 

 

 




「Noble Creatures / The Gourds」

こちらはTexas産にしては珍しい、その微妙な不安定感が堪らない。目いっぱいがなっているのに何故か脱力させられるヴォーカル。ピーヒャラオルガンもナイス!

The Wolf 

 

 

 

「The Wolf / Shooter Jennings」
豪放磊落でいて計算された音作り、サザン・カントリー・ロッカーShooterの3rd。どこかで聴いたようなメロにどこかで聴いたようなリフ・・・。いや、つべこべ言わずに男子たる者、これを聴きなさい。

 It Came from San Antonio 

 

 




「It Came From San Antonio / Bruce Robison」
マイナーに移ってからのこの人は本当に凄い。7曲入りミニ・アルバムながら、全曲高水準で充実感いっぱい。ウォームなサウンドに優しく誠実なヴォーカルが秀逸。
 Translated from Love


 

 



「Translated From Love / Kelly Willis」
Bruceと夫婦でランクイン。珍しくデビュー以来買い続けている女性カントリー・シンガーのRykoでの3作目。アコースティック色の強かった前作を挟んで再びChuck Prophetと組んだロック色の強いサウンド。個人的にはもっとカントリー色が強い方が彼女には合うと思うが、それでも曲がよくて適度にベタついたKellyのヴォーカルにかかれば・・・やっぱりカントリーだ。 


Cimarron Manifesto







「Cimarron Manifesto / Jimmy Lafave」
発売以来ウィッシュリスト内で放置されていたがブログ先輩のT氏の記事にどつかれよろけてポチッとクリックでショッピング・カート行き。ブルース、カントリー、フォークといったルーツ・ミュージックがJimmyのハスキーでありながら湿り気も帯びた搾り出すかのようなヴォーカルにより融合されたアメリカンSSWの傑作。Rockな曲ではそんじょそこらの若者よりもRockしているのもこのジイサンの凄いところ。


Washington Square Serenade 

 

 

 

「Washington Square Serenade / Steve Earle」
Allisonと結ばれたことでSteve史上最も攻撃性の和らいだスッキリとしたサウンドに。しかしながら実験精神に溢れた音作りや新しい試みが随所に聴かれ、決して守りに入っているわけではない。彼のターニング・ポイントにもなりえる重要な作品。・・・だと思う。


Never Look Back


 

 

 

 
「Never Look Back / Tom Gillam」
これはM氏のリストで購入を決めたら当りでした。Lynyrdのような歯切れのいいリフで攻めるタイプではなく、コードかき鳴らし系リフでグイと押し切るサザン・ロッカー。軽めのヴォーカルが玉に瑕だが、オバサン顔のルックスに反して粘り腰の効いた泥臭いスライドで土俵際でうっちゃる。

Dislocation Blues 

 

 

 


「Dislocation Blues / Chris Whitley & Jeff Lang」

ライナーには2006とあるが、AMGでは2007発とされているようなので。前回Chrisについて書いた時点で、私としたことが彼が肺癌で亡くなっていることを全く知らなかった。死ぬ直前に録られたこの作品ではヴォーカルから持ち前の色気や艶が薄まりながらも喘ぐように歌う鬼気迫る演奏が聴ける。ブルース・ナンバー「Twelve Thousand Miles」のスライドは耳を通り越して神経に直接響く。Dylanの「Changing Of The Guard」には泣いた。

 Roses & Clover

 

 

 


「Roses & Clover / Alo」
意外だと思われるかも知れませんがこれけっこう聴いたんです。Jam Bandと呼ばれるようなアーティストの中でも軟弱派と思われちゃっているようだが、適度に軽く、ゆるく、キャッチーなサウンドはそんなに入れ込まないで聴き流すのに心地よいグルーヴを持ったバンド。通しても疲れないで聴けるアルバム。The Bandのトリビュート盤では「Ophelia」を披露。




Worst Album Of The Year

Magic

 





「Magic / Bruce Springsteen」
Born In The U.S.Aを最高傑作と崇めるファンに媚び諂うかのような後ろ向きのアルバムは要らない!音作りも酷すぎる。
でもライブはぜったい良いんだろうなぁ・・・。


Easy Tiger







「Easytiger / Ryan Adams」

これ以下のアルバムはいっぱいあるし、「Two」や「Two Hearts」のように素晴らしい曲もあるんです。でも君の力はこんなもんじゃないだろ?湧き出るアイデアを作品にしたい気持ちもわかるし、やたら上手くなったヴォーカルで歌い上げたい気持ちもわかるが、一年に何枚もリリースする必要なんてない。じっくり腰を落ち着けて「Gold」のような入魂の作品を作ってほしい。「Excuse Me While~」や「Rescue Blues」で聴かれた魂に突き刺さる破れかぶれのヴォーカルは何処へいったRyan君?ミニ・アルバム「Follow The Lights」もいらないだろ?



総評
上からの何枚か以外は、気分しだいで惜しくもランク外となった作品と入れ替わるぐらいクオリティが拮抗しているように思えました。
T氏とM氏に教えていただいたDanny Flowersの「Tools for the Soul」も地味だが素晴らしかったし、今までのソロで一番CCRに近いかと思えるJohn Fogertyの「Revivalも健在振りをアピールするのに充分な力作。“唄う弁護士”David Childersの「Burning In Hell」も前作ほどの暴走振りは聴かれなかったものの、ズリズリと蟻地獄に引き込まれるようなスリルを味わえる一品。Lucinda Williamsの「West」は数曲はとても良く聴いたが、どうしても奇跡の名盤「Car Wheels On Gravel Road」と比較してしまうので惜しくも落選。Wilco「Sky Blue Skyはランク入りしてもおかしくない内容だが、過去に吐き気がこみ上げてくるような作品を作った裏切りを許せず、次のアルバムを聴くまでは信用できず、マイナス10点でランク外。Dwight Yoakamの「Dwight Sings Buck」も想像以上に良かったがPete Andersonが不在なので5ポイント減点。
これ以外にも年末、B氏のところでリリースされているのを知ったGordy Quistの新譜とBand Of HeathensのDVDは慌てて注文したものの未着。これが入荷していればリストも大きく入れ替わっていた物と予想される。

御覧のように私の音楽生活はWith A Big Help From My Blog Friendsで成り立っているので、なにとぞ今年も見捨てず、そしてあまり刺激せずに、よろしくお願いします。


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Matsuda76

好みが近いような気がして嬉しいです。
Mixiには書いたんですが、プラスアルファGordyとLowstars、Frank Manziの3盤が、個人的10選に含まれます。
Amazonでは売ってないので・・・。

Ryanは好みが分かれますね。僕は彼のアルバムの中では一番好きですがまぁ、僕の耳は相当疑わしい(笑)

Aloは持ってなかったので早速チェックさせていただきます。
よさそうですね。
by Matsuda76 (2008-01-22 00:22) 

tex

上に僕のmy blog friendsがコメントされていますねw

僕がWilcoを入れた所為ではみ出たGourdsがしっかり入っているのは良かった良かった。Wilcoをはずした理由も面白いですね。

Ryan Binghamはmudさんとmatsudaさんに「どつかれよろけてポチッとクリック」したお陰で良い買い物が出来ました。The Bridgeも凄く良かったですねえ。でも、“スゲーいい”のは数枚で、“まあまあいいじゃん”っていうのは、沢山あった年だったのは同感です。
by tex (2008-01-22 21:15) 

Mudslideslim

matsuda76さん、ご無沙汰しています。
Lowstarsは聴きましたよ。いまどき稀な正統派ウエスト・コースト・サウンドですよね。でも何故か最近あまり聴きたくなる音ではないんでリストには入りませんでしたが。レベルの高いアルバムだったんで、またこの手は聞きたくなる時期が周期的に巡ってくると思ってます。Frank Manzi?チェックしなくては・・・。
「Easytiger」は決して悪いアルバムじゃないのはわかるんですけど、「Strangers Almanac」~「Gold」の頃の唄い方の方が好きなんですよね。あと出しすぎでありがたみが薄くなっちゃっているのかもしれません。

いつも私の毒舌に寛大なコメントありがとうございます。
今年もよろしくお願いしますね。
by Mudslideslim (2008-01-22 23:15) 

Mudslideslim

うわ~、えらい人が2人も今日は来てる!

>Wilcoをはずした理由も面白いですね。
でも、これじゃあまりにも感情適すぎて純粋なベスト・アルバム選じゃなくなっちゃってますよね。

でもこうやって見ると同じルーツ・ミュージック好きでも微妙な好みの違いがあってそれぞれの個性が出ていて面白いですよね。texさんは根っこにブルースがあるんだ、ってのがしっかり伝わってきますよ。どつきはお手柔らかにお願いします。
by Mudslideslim (2008-01-22 23:25) 

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