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Various Artists 「The Pilgrim: A Celebration Of Kris Kristofferson Various Artists」 [Today's Album]

「The Pilgrim: A Celebration Of Kris Kristofferson / Various Artists」 2006
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The Pilgrim: A Celebration of Kris Kristofferson

The Pilgrim: A Celebration of Kris Kristofferson

  • アーティスト: Various Artists
  • 出版社/メーカー: New West
  • 発売日: 2006/07/10
  • メディア: CD


Kris Kristofferson。70年代よりSSWと俳優の二足の草鞋を履き今も尚現役。
それもミュージシャンが「ちょいと映画に出てみました。」のような中途半端なものではなく本格的に映画界に参戦している。今でこそ主役を張ることは少なくなったが、娯楽大作からB級作品まであらゆる映画で彼を見ることが出来る。

かなり昔にあるアメリカのメディアが彼のことを“歌えないソングライター”と酷評していた。確かに素朴な味わいを持った70年代のSSWの中でも彼のヘタウマ度は群を抜いている。
歌が上手いか下手か、といった捕らえ方をすれば間違いなく彼は下手なシンガーだろう。しかし聴き手に何かを伝えるという観点から見れば彼は素晴らしいシンガーだ。少なくとも一部の人にとっては。そうでなければStephen Bruton、Donnie Fritts、Billy Swan等の猛者たちが彼をバックアップするために集結するなんてありえないのではないだろうか。
何を持って歌えないかというのは聴く人の主観によるところが大きい。彼を“歌えないソングライター”と評したライターはきっと楽譜どおりに唄えて、声量があって、といようなKristoffersonとは対極のスタイルに対して“歌える”と思うのだろうから、無理してロックやフォークなど聴かず、大人しく間違いなく上手いパバロッティでも聴いていればよいのだ。

Kris自身に関してはいつかまたの機会に詳しく書きたい。今までにも彼の曲はポップ・シンガーからカントリー・シンガーまで多くの人に取り上げられているが、2005年にリリースされたこのトリビュート盤にも大御所から若いアーティストまでが集まっているのが彼の書くストーリーとメロディが多くの人々の心を掴んでいる証だ。

 1. The Pilgrim: Chapter 33 / Emmylou Harris & Friends
まずは無難なところ。曲が良ければこの人は問題ないですね。ここでのFriendsとはSam Bush、Jon Randall、Randy ScRuggs等。イントロ部での語りは70年当時のKrisの物をそのまま使っている。70年代は数々のアーティストとしてハーモニー・パートナーとして活躍した彼女だがリード・シンガーとしては最近のほうがずっと貫禄を増していて良いような気がする。見た目、声共にギスギスした感じも薄れてきた。
 2. Maybe You Heard / Todd Snider
90年代に入って頭角を現してきたSSW。ルーツに色濃くカントリーを感じさせながらもNashvilleの売れ線カントリーに染まっていないのはKris同様。ドラム無しのアレンジながら相変わらずのロック魂も感じさせるヴォーカル。
 3. The Circle / Marta Gomez
知らない人です。メヒコの方でしょうか?非常に透明感のある素晴らしい歌声です。
 4. Lovin' Him Was Easier (Than Anything I'll Ever Do Again) / Rosanne Cash
ご存知Johnny Cashの娘さん。平均点。
 5. Come Sundown / Rodney Crowell
R・Cashの次に持ってこられた収録順は何かの陰謀か。スローな曲をホンキー・トンクにアレンジ。
 6. For The Good Times / Lloyd Cole & Jill Sobule
Lloyd Coleという人は自分にはあまり関係ない人だと思っていて今までちゃんと聴いた事がない。特に悪くはないが、この超名曲をこの人に歌わせてしまったのはどうかと思う。Jill Sobuleは歌い方も曲もそんな嫌いではないのだが見た目がキモ過ぎて受け付けない。
 7. Jesus Was A Capricorn / Marshall Chapman
オリジナルよりブルージーにアレンジしたのは女性ベテラン・フォーク・ロッカー。これもまあまあ。
 8. The Silver Tongued Devil & I / Shooter Jennings
ゴリ押しだけのアーティストと思われがちなShooter。シンプルなアレンジにじっくり聴かせるヴォーカルが底力を見せ付けている。
 9. Sunday Mornin' Comin' Down / Gretchen Wilson
チャートでも成功しているカントリー・シンガーの中にあってはOutlaw-Bitc〇臭を見た目からも発散している珍しい存在。アルバムは持っていないのですが、Loretta Lynnを思わせるようないい声を持っている。曲は名曲だし・・・素晴らしいです。アルバムを聴いてみたい気になった。
10. Sandinisita / Patty Griifin & Charanga Cakewalk
この人も90年代のSSW。初めて「Every Little Bit」を聴いた時はあまりの表現力にぶっ飛んだがキンキン声が年老いた耳に痛くて最近遠ざかっていた。今回はあまり声を張り上げていない。が、特に面白くはない。Charanga CakewalkはChicanoのマルチ・プレーヤーMichael Ramosの別名。ちょっと音響系っぽいアレンジ。
11. Darby's Castle / Russell Crowe & The Ordinary Fear Of God
本作一番の目玉?好きな作家であるJames Ellroy原作の映画「L.A. Confidential」でのぶち切れ演技とTVショウのインタビューでの皮肉屋振りを見て以来、この人の大ファンなんです。未聴ながら以前にアルバムも出していたこともあるらしく、思ったよりソフトな声でで堂に入った歌いぶり。選んだ曲もちょっとマニアック。やはり只者じゃないよ、このオスカー俳優は!
12. Me and Bobby Mcgee / Brian McKnight
一番有名なこの曲を、多分この中で一番歌えるシンガーであるはずの人が歌っている。が、最近のR&B歌手にありがちなメロディの崩し方がイラつく。最悪。
13. Smile At Me Again / Randy Scruggs
伝説的なバンジョー奏者の息子でギタリストでもあるRandyはこのコンピのプロデュースも担当している。最近このようなBluegrass系ミュージシャンのスローなインスト曲が心地よく感じる。年ですかね?
14. The Captive / Jesse Colter with Vance Haines
子の七光りで最近あちこちと顔を出しているShooterママ。
15. Help Me Make It Through The Night / Bruce Robison & Kelly Willis
やっぱりこの夫婦は凄い!現在のミュージシャン・カップルでは最強でしょう。曲も素晴らしいので100点。
16. Why Me / Shawn Camp
90年代にデビューしたがRepriseにアルバム一枚で斬られたNashville脱落組のカントリーシンガー。何故かメジャー時代より深みのあるヴォーカルを聴かせる。この曲は珍しくKris自身のヴァージョンが73年にカントリー・チャート#1に。
17. The Legend / Willie Nelson
この手の企画には必ず登場。まあ対象がマブダチなので出てこないわけにはいかないか。万が一物足りない奇特な人がいたら79年の「Sings Kristofferson」でWillieの名唱がたっぷり聴ける。
18. Please Don't Tell Me How The Story Ends (Demo Circa 1970) / Kris Kristofferson
これは70年録音の本人によるデモ・バージョン。

特に巣晴らし感じたのは8、9、11、15でした。
さて、私が最悪だと思ったが明らかに抜群の歌唱力を持った12. と歌えないシンガーによる18.。あなたの心に訴えかけてくるのはどちらでしょうか?



 「Help Me Make It Through The Night」 Kris Kristofferson & The Delta Lady!



「Me and Bobby McGee」


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オーディオおやじ

>大人しく間違いなく上手いパバロッティでも聴いていればよいのだ。

MUD殿っぽいハニカミな感じが非常に心憎いコメントですねえ(笑)

う~ん しかし昔のRita Coolidgeはきれいだなぁ~!
はるか昔にT先輩が○星●の冊子で対談してたのを思い出しました!
本編とは全く関係ないコメントお許しください!
取りあえず聴いてみたいとは思いました!
by オーディオおやじ (2008-02-02 00:46) 

substitute

こんにちは。
Kris Kristoffersonとは、これまで殆ど縁がありませんでした。
画像、観ましたがイイですね。
by substitute (2008-02-02 16:50) 

Mudslideslim

オーディオおやじさん。どうも。
え?ハニカミ???
よくわかりませんが、どっちかといったらポッチャリ王子派ということで・・・。
Ritaは顔が伸びてる訳ではないと思うんですが、一時からこの顔の長さが許せなくなってきましたよね。
by Mudslideslim (2008-02-02 22:28) 

Mudslideslim

substituteさん、ありがとうございます。
色んな人が彼の曲を取り上げてヒットさせているので他の人が歌っているのは知らずうちに聴いていると思いますよ。
by Mudslideslim (2008-02-02 22:31) 

Backstreets

はじめまして、「3度のメシよりCD」さんのブログより辿り着きました。貴重な映像をご提供していただき誠に有り難うございます。
私はクリス・クリストファスンとリタ・クーリッジが1974年に来日したステージを見ております。トラブルがあって後味の悪いコンサートでしたが、仲睦まじい頃の2人のこの映像を見て感慨を覚えました。
by Backstreets (2008-02-08 11:00) 

Mudslideslim

Backstreetsさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
カップルを御覧になっているんですか!「Breakaway」も「Jesus Was~」も大好きな盤なんで羨ましい限りです。麻田浩さんが一緒だった時でしょうか?
マイペースの更新ですが、また見に来てください。
by Mudslideslim (2008-02-08 22:51) 

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