SSブログ

Tom Petty 「Wildflowers」 [Today's Album]

ここのところまたがっくり調子が落ち込んでいて更新ペースが更に遅くなっています。
ぼちぼち今年の新譜も入荷してきましたがあまり聴きこむ気がしないので追々ということで。

映画の影響や詳しい知人に教えてもらう機会があって、最近アメフトのルールがわかってきて面白くなってきました。そんなわけでスーパー・ボウルのライブ中継を観戦したのですが、素晴らしいゲーム内容でとても楽しめました。本当に調子が悪い時は聴覚だけに訴える音楽よりも、視覚にも訴える映画やスポーツの方が疲れずにのめりこんで痛みを忘れたり出来るようです。
昨シーズン殆ど毎日のようにMLB観戦をしていたので相方に「これ以上趣味を増やすな!」とどやされましたが、録画した物を見せながら軽く説明すると見事に自分もはまり込んでいました。

プロ・ボウルって見たほうがいいんですかね?

ハーフタイムショーにはなんとTom Petty & The Heart Breakersが登場して物凄い得した気分。オープニングには初期の名曲「American Girl」も披露してくれました。

毎日のように強烈な全身痛や頭痛、倦怠感に襲われていて、夜もカール・ゴッチにジャーマン・スープレックスを決められた上にアンドレ・ザ・ジャイアントのボディ・プレス、更に鉄の爪フリッツ・フォン・エリックのアイアンクローにストマック・クローががっちり食い込んだような状態で眠れません!
ギブ、ギブ、ギブ!うぅっ・・・

こっから先は1日約5行ペースで書き上げたんで支離滅裂かもしれませんがお許しを。



Wildflowers

Wildflowers

  • アーティスト: Tom Petty
  • 出版社/メーカー: Warner Bros.
  • 発売日: 1994/10/21
  • メディア: CD

私がTom Pettyに求めているのはデビュー以来聴かれていたキャッチーな曲の中にも感じられるちょいとゴリッとした感触で、それがここ最近は薄まってきたように思う。転機となったのが恐らくJeff Lynneがプロデュースした初のソロ名義「Fullmoon Fever(89)」だろう。好きな曲も多く、素晴らしいアルバムだったのだが、Jeffのソロ、George Harrison、Traveling Wilburys、Del Shannon、Roy OrbisonとJeff Lynnの特徴的なサウンドを聴かせられ過ぎて当時食傷気味になったのもまた事実。Wilburysのメンバーながらこいつに一切音をいじらせなかったDylanはやっぱり偉い!

70年代後期から80年代にかけて人気を3分していたBossやJohn Mellencampと比べると良く言えばセンスが良く、時代の空気を読むのに長けており欲がない。悪く言えばお調子もんで上の人間に取り入るのが上手く、いつまでたってもDylanの弟子のMcGuinnのそのまた弟子といったポジションで良しとしている。Warren Zevonのラスト作に客演した時も、陰鬱だが誠実なJackson Brown、真摯で太陽の光のようなオーラで重苦しいスタジオの空気を一変させたBossとは対照的にオチャラケお調子者振りで顰蹙を買いまくり我が家での評価をグッと下げてしまっていた。

元々3コード、或いはそれに毛が生えた程度で曲を制作していた物が何か違うことをやりたいと思った時にとる事が多い手法がビートル化。その方法としてミックスやマスタリングで小細工したり、よりメロディアスに聴こえるように複雑なコードを混ぜ込む作曲面での方法がある。ギターを弾いたことがある人は感覚的にわかると思うが、そういった手法をとって楽曲をよりメロディアスにしようとすると泥臭さや素朴さは犠牲にしなければいけない。私はCountryやBlues、R&Bといったルーツミュージックを感じさせたり泥臭い、汗臭い、人間臭い、ごめん臭いの臭い尽くしの音楽が大好きなんで、元々泥臭さや素朴さが売りだったアーティストがビートル化するのが大嫌いだ。

TomがまさかBeatlesを嫌いなわけはないと思うが、それ以前のアルバムではBeatlesの影響をそれほど強く感じることはなく、Jeff LynneやGeorge Harrisonと接触したのがきっかけだと思う。
それ以降そちらの方向へ進んで行くのかと思いきや、ストップをかけたのがまたも登場のRick Rubin。

このWildflowersはPettyのW.Bへの移籍第一作目で「Fullmoon Fever」以来のソロ名義。この人の場合ソロ名義といってもHeartbreakersのメンツを起用しているし、Bossのソロ名義と違ってサウンド的にHeartbreakersとの作品との差はあまり感じられない。やはりう甲虫のような曲は聴かれるのだがRick Rubin独特ザラツキ感が前面に出され音作りの面では生々しい泥臭さを保っている。

 1. Wildflowers
アコギのカッティングの音色が美しい。初期に比べて優しくなってきたTomの歌い方が曲に。必要最低限のサウンド。
 2. You Don't Know How It Feels
イントロでハーモニカをフューチャーしたミディアム・テンポのフォーク・ロック。
 3. Time To Move On
テンポの速い軽めのフォーク・ロック。Mike Campbellのワウスライドがアクセントになっている。
 4. You Wreck Me
初期を彷彿とさせるハードなサウンド。やはりTom Pettyにはドライブ感溢れる8ビートRockが似合う。
 5. It's Good To Be King
ピアノのイントロにストリングス、アレンジ面でカブト虫臭が漂い始めるがRickのザラッとした音作りに救われているのでOK。
 6. Only A Broken Heart
ヴォーカル処理やメロトロン、ハーモニウムが入ってくるあたりがこれもちょっと甲虫の臭いがするが嫌いではない。生々しいアコギのサウンドと曲の良さにに免じてギリギリ許す。
 7. Honee Bee
初期を通り越して猛烈に歪んだギターリフで幕を開けるハードなブルース・ロック。Rick Rubinの手腕が最高に発揮されていてTomのゴリゴリ感がかつてないほどに強調されている。文句なし!Mike Campbellの揺れ系リードも凄い。
 8. Don't Fade On Me
弾き語り調の曲。ソフトにな歌い方になってしまっているのでいくらRick RubinでもJohnny Cashのようなわけには行かない様だ。
 9. Hard On Me
アレンジ面はシンプルながら旋律的にビートル臭がする。
10. Cabin Down Below
これまた待ってましたの激カッコよいブルージーなナンバー。
11. To Find A Friend
フォーク・ロックです。昔みたいに声張り上げて歌って欲しいがまあ問題ありません。
12. A Higher Place
これは彼らしいByrdsをも髣髴させるようなフォーク・ロック。
13. House In The Woods
ゆったりとしたちょっと重めのナンバーなんですが何故か虫臭い。もったいない。
14. Crawling Back To You
これはメロディも詩もかなり好きな曲なんですが、メロトロンによるカブト虫っぽい仕掛けもあり。
15. Wake Up Time
ピアノをメインに持ってきたスローなナンバー。これも虫っぽいなあ。意識しすぎでしょうか?

あれ???
このアルバムはリリースされた当時から好きだったんですが、こうやって聴きなおしてみると思っていた以上にBeatlesの影響が強いアルバムかもしれません。それでも好きなのはRick Rubinの音作りとやっぱりTom Pettyだから?・・・ということにしといてください。

この後OSTの96年の「She's The One」、99年の大好きな「Echo」と、Rickが絡んだアルバムが続き、その後「Last DJ」ではGeorge Drakoulias。Georgeは好きなプロデューサーの一人なんですが、ちょっと軟弱になってきたTomを好みのサウンドにするには役不足。その後出された最新作「Highway Companion」ではなんとまたJeff Lynneを起用・・・。以前程ではないがベチャッと潰れたスネアの音は聴き飽きた。もう出てくんな!



「American Girl」 Super Bowl 2008



「You Wreck Me」


nice!(2)  コメント(12)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 2

コメント 12

torapanダンナ

おはようございます、アメフトバカのtorapanダンナです。
プロボウルは、オールスター・ゲームなのでスタープレイヤーが、いっぱい出ているので、それなりに楽しめると思います。ただ、ルール上の規制(フォーメーションの限定、モーションの禁止、タイトエンドを必ずセットさせるなどわかりずらくて、スミマセン)やプレイブックに基ずいてプレイするスポーツなので、野球よりオールスターチームが成立しません。あと、お祭りムード満載なので、ディフェンスもハードヒットは一切なく、ゲームとしての緊張感はまるで無いです。

スーパーボウルは、最高の試合でハーフタイムショーがトム・ペティだったので、MUDさんに楽しんでもらったみたいで、メチャクチャうれしいです。
開幕は毎年9月の第1週の日曜日なので、よかったら来シーズンも観てみてください。好きなチームや好きな選手ができると、もっと楽しめると思います。アメリカの男は、土曜にカレッジ・フットボール、日曜にNFL、月曜の夜はNFLのマンデー・ナイト・フットボール(このために早く帰るみたい)というのが、定番みたいです。
by torapanダンナ (2008-02-10 07:13) 

substitute

おはようございます。
アメフト、メチャメチャ詳しい訳ではありませんが、90年代は良く観ました。
とにかく時間と戦うゲームという一面もあり、接戦の終盤はドッキンドッキン。
アドレナリンを分泌させたい時はイイですが、かなり疲れます。
良く観たのが90年代でしたので、是非NFCからはGreen Bay(QBファーブ、#4)にスーパー・ボウル、出て欲しかった。
AFCからは、Raiders。
(10年前の知識で書いてます。リーグやカンファレンスの構成、当時と変わってるのかな~)
New Englandは、90年代はブラッドソーという非常に期待されたQBが居ましたが、結局その頃はチャンピオンになれなかったと記憶。

Wildflowers、10年くらい聴いてないです。タイトル曲は記憶に残ってますが、他は????
聴きなおしてみます。

僕は、鉄の爪にこめかみをぐりぐりやられるような、頭痛が慢性化してます。
オマケに今日は胃が痛い。

のんびり行きましょう。
by substitute (2008-02-10 09:10) 

グレまま

こんにちは。

先日はアルバムをセレクトしてくださりありがとうございました。
なぜかアマゾンでは試聴できずトホホ・・・です。
実はPCオンチなんですよ。
今ポチッと入れるか考え中です。

今日は笑いましたよぉ~。
「これ以上趣味を増やすな!」
私が夫によく言っているセリフです。
なので簡単にポチッとできないのです(笑)

保険屋に後遺症障害診断書を出して1年半何も音沙汰なし。
M先生からガンガン催促しないとそのまま逃げられるよ、と言われ
電話してみると思いっきり低姿勢ですぐに示談書を送ってきました。
この金額が安いのか高いのかはわかりません。
でもこのままの身体で一生を過ごすのは過酷な事。
低髄の診断を認めてもらうよう戦っていこうと思います。

まだまだ寒くて痛い日が続きそうです。
どうぞお大事にしてくださいね。
by グレまま (2008-02-10 17:07) 

Mudslideslim

trapanだんなさん、コメントが来なければメールしようかと思ってましたよ。
正に引っかかっていたのはそこで、チームごとにフォーメーションが様々なのでその辺はどうするのかと・・・。それでも初心者の私は花形選手を覚えるためにやっぱ見たほうがよさそうですね。ようやく覚えたマニングやブレイディは出るんでしょうか? 
しかしコイツラ髄液もれないのか?と・・・by パパーリ
by Mudslideslim (2008-02-10 17:58) 

Mudslideslim

substituteさん、ありがとうございます。
アメフト見られてたんですか。私よりは全然詳しそうです。
「Wildflowers」はTom Pettyのアルバムの中でもかなりお気に入りです。メロウな曲もいいのですがゴリッとした曲が特に。(しつこい?)前から知っていた訳ではなくたまたま見たスーパーボウルで登場してくるとは本当に興奮しましたよ。でも何故か最近の曲はやっていませんでしたね。スーパーボウルのいかにもアメリカのお祭りという雰囲気にあわせたのでしょうが・・・。

substituteさんもアイアンクロウを喰らっているのですか。まだ全部見たわけじゃないんですけど文面からはそんな酷い痛みと戦っているのに全く感じさせません。私は人間としてまだまだです。
by Mudslideslim (2008-02-10 18:09) 

Mudslideslim

グレままさん、どうも。
わざわざAmazonまで行っていただいたのにすいません。確認してみたらアメリカのAmazonサイトで試聴できるようです。出来ない場合はWindows Media Playerのプラグインが動いていればの話ですけど。間違ってもそこで買わないでくださいね。送料が高いし、超時間かかりますよ。(笑)

>この金額が安いのか高いのかはわかりません。でもこのままの身体で一生を過ごすのは過酷な事。

そうですよね。「今日いっぱいでこの痛みは終わりだ。」というのなら、はした金受け取って、ぶつけた奴に嫌味の一つ二つ三つぐらいでも言ってやってサクッと示談してやるんですがね。全然サクッとじゃないか・・・。

スポーツばっか見てて勉強不足なんですけど、今の時点で低髄は後遺障害等級の何処にも入っていませんがそれを決めるのは厚労省なのでしょうか?皆で集団訴訟とか出来ないんですかね?
by Mudslideslim (2008-02-10 18:18) 

torapan

相方さんに「これ以上趣味を増やすな!」・・・
んー気持ちは分かります。
あとでtorapanダンナより、
より詳しいプロボウルなどなどの豆知識を
PCの方にメールするそうです。

相方さんへ
当方はmud家においての争い事については
一切責任を負いませんので
ご了承くださいませ・・・
by torapan (2008-02-10 20:04) 

Mudslideslim

torapanさん、ご夫妻でどうも。

>PCの方にメールするそうです。
それはありがたい。そういう勉強はいくらでもできます。

>一切責任を負いませんので
大丈夫だと思います。この人スカパーでアメフトやっているチャンネルを探し始めちゃってますから・・・・。
by Mudslideslim (2008-02-10 22:49) 

torapanダンナ

こんばんわ。
スカパーですが、G+(309)とガオラ(302)で違う試合を、
だいたい週各4試合づつノーカットで放送します。
これだと、プロボウル、スーパーボウル、プレーオフと合わせて、
148試合(前後するかもしれないが)観れます。
NHK-BSでもやるが、カットするのであまりオススメしません。
カットされると、試合の展開がわかってしまうので・・・・。
スーパーボウル生放送は、NHK-BSのみです。
アメフト友達があまりいないので、来シーズンは語り合いましょう。
by torapanダンナ (2008-02-10 23:14) 

Mudslideslim

torapanさん、再びありがとうございます。
メールも今拝見しました。
MLBの録画放送を見ていてもNHKのセンスのない編集には怒り心頭で何度電話して苦情を言ってやろうと思ったことか・・・。
シーズンが始まるまでまだ長いのでスカパーの件はゆっくり考えますね。実はNHLにも興味有りまくりで一緒に見れればいいのですがNHLは308が中心みたいですね。(トホホ)
by Mudslideslim (2008-02-11 11:55) 

DEBDYLAN

今頃登場ですみません。
今年のSUPER BOWLのハーフタイム・ショー・・・
観たかった(涙)
昔は(モンタナ時代)狂ったようにアメフト観てたんですが、最近はさっぱりです。

このアルバム、僕も未だに愛聴盤でして。
容量の問題から頻繁に中身を入れ換えてるiPod nanoの中に常駐してます。

タイトル曲のアコギの音、いいですね。
この曲のPETTYのヴォーカルも好きです。

一番好きな曲は「CRAWLING BACK TO YOU」です。

このアルバム、さりげなくアップとスローが交互に登場する気がするんですが・・・。

実はまだ会社です(苦笑)
帰り道、自転車乗りながらコイツ聴いていくことにします。
by DEBDYLAN (2008-02-22 20:29) 

Mudslideslim

DEBさん、どうも!
更新自体がスロー・ペースなんで遅くてもちっともかまいませんよ。
DEBさんもアメフト見られてたんですか。
私も「Crawling Back To You」は好きな曲ですよ。
アコギの響きは綺麗なだけでなくザラッとしてゴリッとした(しつこい)質感があってたまりませんよね。

お勤めご苦労様です。寄り道しないで奥さんの下へ“Crawling Back”してください。
by Mudslideslim (2008-02-22 22:46) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

Various Artists 「The..Radney Foster 「See W.. ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。