SSブログ

Manassas [Today's Album]

「Manassas / Manassas」 (1972)
Click the Picture!

Manassas

Manassas

  • アーティスト: Stephen Stills, Manassas
  • 出版社/メーカー: WEA
  • 発売日: 1995/12/12
  • メディア: CD


そんなわけでStills・・・。

ある意味、
Yより"孤高"という言葉が似合うStillsだが、ここではStills史上最強のメンツを引き連れたバンド・サウンド。
ご存知のようにBuffalo Springfield、CSNと渡り歩いてきたStillsが2作のソロ・アルバムに続いて結成したスーパー・バンド。
Stills以外のメンバーは元Byrds、Flying Burrito BrothersのChris Hillman(Vo,Gt)、同じく元FBBのAl Perkins(Pedal Steel)、CS&Nのバックを努めていたDallas Taylor(Dr)とCalvine "Fuzzy" Samuels(Ba)、Eric Andersen、B.B. Kingのサポート・メンバーであったPaul Harris(Key)、元Blues ImageでRock界屈指のパーカッショニスト、Joe Lalaという強力な布陣。

バンド名が無いままこのメンツでツアーを始めていたが、バージニア州Manassas駅で撮った写真をジャケットに使い、駅の看板をそのままバンド名にする安直さ。

当時はアナログ2枚組み、4面其々のサイドを"The Raven"、"The Wilderness"、"Consider"、"Rock & Roll Is Here To Stay"と名づけ、Bluegrass、Country、Latin、Folk、Bluesといった彼のルーツをRockと融合させ、違和感無く一つの作品にまとめることに成功している。
West Coastのミュージシャンとして語られることの多いStillsだが、生まれはTexas。その後パナマ、コスタリカ、New Orleans、Floridaと渡り歩いてきたのも彼の音楽遍歴に影響を及ぼしているのだろう。

まずはブルーズ・ロックとLatinの融合とも言える"The Raven"サイド。
この面は意図的に曲間を短くしているのだろう。聴く者に息つく間も与えないスリリングな展開が光る!
①「Song Of Love」はタメのあるリズム隊、強烈に唸るAl Perkinsのペダル・スティールがStillsのギターに絡みつくブルーズ・ロック・ナンバー。これ一発でStillsの意識が明らかに南部に向いていることが解る。
②「Rock & Roll Crasy~Cuban Bluegrass」これもへヴィー且つブルージィーながら、ブリッジで元気になるLalaのパーカッション、気がつくとStillsお得意のLatin Rockサウンドに!
③「Jet Set」ジェット機で飛び回るブルジョワ姉ちゃん達を皮肉ったミディアム・シャッフルのブルーズだ。ブルーズ・ハープはStillsが管楽器走者として重用するSydney George。彼のプレイはHumble Pieの「Eat It」でも聴くことができる。ペダル・スティールでRockできる男、
Al Perkinsのフレーズも熱い。後半のリズム・チェンジは鳥肌物!
④「Anyway」も強烈にRockする南部色濃い楽曲、Lalaのパーカス、数人で歌いまわすヴォーカル、ゆったりとしたリズム隊、ザクザクとしたギターリフ、どこを切っても極上のStills流Southern Rockだ。
⑤「Both Of Us」ではHillmanのヴォーカルもフューチャー、軽めに聴こえるこの曲でも、途中からLalaのパーカッションによりファンキーにラテン化。只では終わらん!

"The Wilderness"サイドは明らかにBluegrass、Country色が濃厚。
⑥「Fallen Eagle」⑩「Hide It So Deep」はオーソドックスなBluegrassスタイルを持った曲。フィドルでBylon Berline、アコースティック・ベースにRoger BushとCountry-Rock、Bluegrass界の名手がゲスト参加、マンドリンはもちろんHillman!
⑦「Jesus Gave Love Away For Free」、⑧「Colorado」、⑨「So Begins The Task」(後にJudy "Blue Eyes" Collinsがカバー)
の3曲の素晴らしいカントリー・ロックを聴く限りでは全くYに負けていない作曲能力。特にCaliforniaの喧騒を逃れてColoradoを拠点に足元を見つめなおしたStillsのこの地への想いを描いた⑧は絶品だぞStills!
Hillmanもサイドに徹しているがやはりこのフィールドでは水を得た魚のようだ!

"The Consider"サイド、これまでの活動に共通するフォーキーなWest-Coastサウンド。
⑪「It Doesn't Matter」は何故かStills-Hillmanとクレジットされているが、FirefallのRick Robertsも一枚噛んでいる筈。繊細で物憂げなメロディーはRickの嗜好が一番強く出ているような気がするのだけど・・・。因みにFirefallのアルバムでは3人の名前がクレジットされている。歌詞が違うからRickは歌詞だけなのかな?・・・名曲だ。
⑫「Johnny's Garden」もCSNに通じるフォーク・ロック。あのハーモニーが無くて寂しいと感じるか、さっぱりしていていいと感じるかは聴く人の好み次第。
⑯「Move Around」、この時代でMoogが使われているのはRock史上でも
かなり古い方なのでは・・・。
⑰「The Love Gangster」はBill Wymanとの共作。スワンピーだがスケールがでかいサウンド。Billは「Stonesを止めてManassasに加入したいぐらいだ。」とまで語っていたらしい。Billの「Monkey Grip」を聴けば納得ですね。

"Rock & Roll Is Here To Stay"はそのタイトルが示すとおり、この時点でのStills風Rockが体験できるサイド。
⑱「What To Do」サイケデリックなコーラスとへヴィーなサウンドにカントリー風フィドルを絡めた実験精神に満ちた曲。
⑲「Right Here Now」はスピード感溢れるイントロが印象的。間奏でのStillsのスライドも熱いハード・ロック・ナンバー。
⑳「The Treasure」もへヴィーな演奏に分厚いコーラス、そこにPerkinsのペダル・スティールが絡むManassasにしか出せない音。アコギのテクニックも中々のStillsだが、エレキを弾き捲るとJimi Hendrixの影が見えるような気が・・・。

激シブ内容2枚組にも拘らず、アルバム・チャート4位は凄いぞStills!
戦友たちに捧げたクレジットの
「In tribute: Jimi Hendrix-Al Ailson-Duane Allman」
の文字が泣けるぞStills!

アルバム2枚で終わってしまったのが惜しいっ!オマエはやはり「Stills Alone」なのかStills?

メンバーの何人かのドラッグ、アルコール問題で次作「Down the Road」のレコーディングは難航、エンジニアにも途中で逃げられたらしい。そのためかAMGでは酷評されているが、私は全然好きなんですけど・・・。
Stillsとは?と訊ねられれば、迷うことなくこのアルバムを差し出す。
私のRock史上に燦然と輝く名盤!




Video 「It Doesn't Matter」
髪は薄いがモミアゲがナイスなStills!しかし豪華な布陣。


Video 「Jet Set」
よたりながらソウルフルに歌い、弾くStills。これだけの大所帯ながらうるさくならないサウンド。
そのリーダー・シップにも敬服だStills!


Video「Hide It So Deep」
うーん、良いです。Perkinsの間奏に不覚にも鳥肌が・・・。


nice!(2)  コメント(5)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。