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Murray McLauchlan 「Songs From The Street-The Best Of」 [Today's Album]

「Songs From The Street-The Best Of / Murray McLauchlan」 (2007)

Best Of: Songs from the Street

  • アーティスト: Murray McLauchlan
  • 出版社/メーカー: True North
  • 発売日: 2007/10/16
  • メディア: CD


大晦日に誰もこんなところ見にこないだろうけど・・・今年最後の更新です。

先日、古い友人に会うことが出来ました。私の場合、相方と音楽や映画の価値観を共有できる幸せな環境なのですが、それでも久しぶりの友人との再会で音楽に映画にと喋り捲ってしまいました。
十数年前にすっかりMurrayにはまり込んだ私に「俺ではなくオマエが持っているべきだ。」とアナログを一枚譲ってくれたのも彼でした。

勿論、南部の音楽も大好きなんですが、カナダのアーティストには思い入れがあって、その中でも特別なのが彼。アメリカ北部やカナダのアーティストの作品には人間的な暖かさはありながらも共通して厳冬の凍てついた、そして張り詰めていて澄み切ったような空気感が感じられるのが不思議な魅力。

この人の初期の作品がCD化されていないのが解せない。同じTrue North系ではBruce Cockburnは別格にしても、David Wiffenだって形態はどうあれ1st、2ndがリイシューされていたのに・・・。
ベスト盤は以前にも出ているんだけど選曲がダメダメなのでリリースされている中では一番好きな4thの「Sweeping The Spotlight」で我慢していたところ、麻田 浩さんのブログでこの2枚組のベストが今年になって出たのを知りました。ありがとうございます麻田さん。

ScotlandからTorontoに移住してきた家庭に育ったMurrayは17歳で家を飛び出し放浪。家出時の生々しい感情を唄った「Child's Song」が、自身の作曲能力に関しては?だがデビュー前のJackson Browne、James Taylor、David Wiffen、Joni Mitchellらの曲をいち早く取り上げ、選曲、新人発掘、放浪系フォークからSSW時代への橋渡しといった分野ではその才能を発揮した、太く男臭い喉を持ったシンガー、Tom Rushに「Old Man's Song」と共に2曲同時に取り上げられ注目度アップ。
71年に1st「Songs From The Street」でデビュー。翌72年には「Murray Mclauchlan」をリリース。Gordon Lightfoot等と共にカナダを代表するSSWに。Philadelphia Folk Festivalに出演した彼のホテル・ルームにはTom Waits、John Prine、Jim Croce、Steve Goodman、Loudon WainwrightⅢが集まり夜な夜なセッションを繰り返し、詩の題材や曲を披露し合っていたという・・・。誰か映像撮っていないのか!?
73年には「Day To Day Dust」を発表。これ以降もコンスタントに活動は続けていくが、個人的に諸手を挙げて他人に進められるのは3rdまでで4th以降は徐々にパワーダウンしているように思える。

残念なことは2枚組みというヴォリュームにも関わらず、1stから3rdまでの曲が其々3曲ずつしか収められていないこと。それでも買っちゃうんですけどね・・・。

同時代のSSWの多くが割と淡々とした唄い方をする中でシンプルなフォーク・ロック・サウンドに乗せて馬鹿正直なまでにガッツ丸出しの、黒さとはまた違った意味でのソウルフルなヴォーカルが魅力だった。恐らくTom Jans辺りが好きな人は気に入るのではないのだろうか。

 1. 「Honky Red」
自身のスライドもフューチャーした不思議とどこかしらスワンプ風な香りすらするフォーク・ロック・ナンバー。でもあのThe BandもLevon以外は全員カナダ人ということを考えれば不思議ではないか・・・。The Bandの音にも南部臭さと同時に何か寒々しさがありますよね?
 2. 「Child's Song」
両親や幼い妹への書置きのような内容の歌詞が生々しくもセンチメンタルなアコギ一本で唄われる曲。何かを求めて自分が初めて親元を離れた時のことを思い出さずにはいられない。
 3. 「Sixteen Lane of Highway」
ハーモニカで始まりながらもゆったりとした16ビートでこれもスワンプ風味のある曲。以前は沼地が合った生まれ故郷、小鳥の囀りも聞こえた。でも今見えるのは16レーンの高速道路・・・。
 4. 「Old Man's Song」
ここから3曲は2nd収録。弾き語り調なのだがシンセやストリングスが効果的に使われている。
 5. 「Carmelita」
Warren Zevon作。Warren自身、「かなり古い曲だ。」と語っていたのを読んだことがあるが、Warrenがこの曲を含むElektraでの1stをリリースしたのが76年。どういう経緯でMurrayが72年にこの曲を取り上げたのかは不明だ。メキシコ情緒溢れるこの曲に女性の啜り泣きのようなコーラスと印象的なギターのリフレインを配したこのバージョンも捨てがたい魅力がある。傷ついたベトナム帰還兵が痛みを和らげるために薬漬けになっていく状況を唄った曲は多い。国は保障を打ち切りメタドンはもう届かないのでヘロインに溺れていく。「薬に頼ってもしょうがないだろう?自分も努力しろ。」と嘗ての私ならそう言ったのかもしれない・・・。今は・・・ヤクくれ~。
 6. 「Farmer's Song」
非常にシンプルなワルツ調のフォーク・ソングだ。この国の人々が食べていけるのは農民のおかげなのに彼らのための曲がないなんて・・・。そんな純粋な動機で書かれた曲は青臭くも胸を打つ。
 7. 「You Need A New Lover Now」
ここからは3rd収録。ピアノが引っ張っていく美しいメロディを持った曲だが、飾り気のない直球勝負のヴォーカルが熱く、淡々としたDavid Wiffenのカバー・バージョンに比べて重厚な盛り上がりを見せる。間奏のドリーミーなギターはAmos Garrett!
 8.「Golden Trumpet」
これもシンプルなフォーク・ロック・サウンドに力みまくりのヴォーカルが微笑ましい彼らしいサウンド。
 9. 「Revelations」
死をも意識したような歌詞と美しいメロディ、アコースティック・ギターの響きにオルガンのサウンドと、どれをとっても素晴らしく感動的な曲。
10.「Down By The Henry Moore」
ここから4th収録曲。あれ?こうやって聴いてみると4thも素晴らしい曲入っていますね。ベストだから当たり前か。これはスコティッシュなんでしょうか?トラッドっぽいイントロとMurrayの引き締まったヴォーカルにTorontoの情景が目に浮かぶようなフォーク・ロック。
11. 「Shoeshine Workin' Song」
靴磨きの少年の目線で物事を捉えたイマジネーションとソング・ライティング能力が結実した悲しくも美しい曲。
12. 「Maybe Tonight」
カントリー風のフィドルやスライドをフューチャー。うーん、悪くない。
13. 「Do You Dream of Being Somebady」
これも曲自体は悪くないんだろうけど大所帯のストリングスと変な歪み方のエレキはやめて欲しい。このあたりが当時4th以降は駄目だと結論付けてしまった要因か。
14. 「Sweeping The Spotlight Away」
4thのタイトル・ソング。これはアコギとベースのみのシンプルな3拍子でヴォーカルも際立っていて良い。時折アコギで絶妙のフレーズを聴かせているのはBruce Cockburn!
15.「Cross Country」
これは74年の未発曲。悪くないが未発のままでも良かったかも。
16.「So Far From You」
75年録音のライブ音源。
17. 「Harder To Get Along」
ここからは77年の5th「Boulevard」収録。アナログもあまり聴かなかったなこれ。時代の流れか、リバーブ効き過ぎのヴォーカルに、これでもかっ?という大げさなアレンジで曲の良さが台無し。しかも長い。

だんだん文句が多くなってきたのでDisc2はやめときます。

初期のアルバムからの曲がCDで聴けたのは嬉しいが、紙ジャケなんて贅沢なこと言いません!
やはり最初の3枚はそのままCD化して欲しい。

SSWファンの方々には分かっていただけると思うのだが、私にとって一曲でも素晴らしい曲があるシンガーには他の100曲がクズでも大好きな人がいたりする。そんな中3枚も私にとって素晴らしいアルバムを創り上げたMurray McLauchlanは愛するに値する男なんです。

ご愛読してくださっている数少ない皆さん、大変お世話になりました。来年もよろしくお願いします。
皆さんが来年も素晴らしい音楽に出会えるように!



「Down By The Henry Moore」



「Farmer's Song」


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Dwight Yoakam 「Dwight Sings Buck」 [Today's Album]

「Dwight Sings Buck / Dwight Yoakam」 (2007)
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Dwight Sings Buck

Dwight Sings Buck

  • アーティスト: Dwight Yoakam
  • 出版社/メーカー: New West
  • 発売日: 2007/10/23
  • メディア: CD


この人は決して帽子を取ってはいけない。
これほど帽子がなくなると人相が変わってしまう人も珍しいと思う。帽子を取ってしまっては二目と見られないようなルックスなのにSheryl CrowやSharon Stone、Charlize Theronなど彼と浮名を流した美人は多い。元来出たがりの性格が災いしてか、大作からB級作品まで無帽備にも、いや無防備にも映画に出まくりなのだが、情けない役、変質的に意地悪な役等を演じさせたらかなり上手いのだから困ったもんだ。

見ているほうが赤面するほどの派手なステージングと極端に鼻にかけたヴォーカルで色物扱いされているDwight Yoakam。しかし彼こそが既存のカントリー・ミュージックにエレクトリック楽器を大胆に取り入れ、West-Coast Rockにも通じる乾いたサウンドに爽やかなメロディが特徴的なBuck OwensやMerle Haggardが作り上げた"Bakersfield Sound"の継承者であり、GPが成し遂げようとしたRockとCountryそしてR&Bとの融合を今も実践している数少ない男だ。
生まれがKentuckeyということも有りBluegrassの影響も色濃く、その他ロカビリー、特にElvis Presleyへの傾倒も顕著であり、Elvis無しには彼の歌唱法は有り得なかったであろう。また、L.A.のポスト・パンク・R&Rバンド、The BlastersやX等との共通項も多い。
彼の凄いところはロカビリーやポスト・R&Rのマニアックなファン層の支持を受けながらもカントリー・チャートにまで次々とヒット曲を送り込んだことだ。

彼が犯した最大のミスはデビュー以来バンマスにして、ブルース、カントリー、ロカビリーとあらゆるスタイルをこなすリード・ギタリスト、そしてプロデューサーと八面六臂の活躍を見せてきた腹心、Pete Andersonと前作より袂を分かってしまった事だ。この現代有数のテレキャス・ピッカーがいたために、“婦女子は腰を振るDwightに黄色い悲鳴を上げ、男子はPeteの繊細且つ力強いピッキングにむさ苦しいため息を漏らす”という構図が成り立ち、Dwightの音楽をNashvilleのコマーシャルなカントリー・ミュージックから数段上のルーツ・ミュージックへと引き上げていたのである。
我が家でもAustin City LimitsのDVDを見る時は相方は派手なアクションのDwightに釘付けになり、私は間奏時のPeteの指元をガン見して賞嘆の声を上げている。時折「間奏時にDwightは一番動いているのに何故カメラはギタリストに固定されるのだ!?」という八つ当たりにも似た罵声が飛びながらも、まあ夫婦円満、平和に鑑賞している。
どういう理由があったのかは分からないがPeteだけは手放してはならなかった。

DwightのBuckとの交友は古く、88年にStreets Of Bakersfieldをカバーした際、Dwightの熱烈な誘いによってついでにFlaco Jimenezまで交えての共演が実演している。
恐らく昨年の3月にBuckが亡くなった時以来このアルバムの構想はあったのだろう。今年になって偶然か、DerailersもBuckの曲ばかりを取り上げたアルバムをリリースしているのが興味深い。
前作の「Blame The Vain」ではPeteの穴をその筋では実績のあるギタリストKeith Gattisが埋めていたが今回はEddie Perezという人。まあ、普通に上手い人なんでしょうけど良く知りません。
ある意味Dwightの真価が問われるアルバムになるのかもしれない。

 1. 「My Heart Skips a Beat」
軽快で分かりやすいメロディの佳曲。やはりDwightのヴォーカルはBuck+The Kingといった感じだ。ギターも悪くないがちょいと粘っこく歪みすぎか。(Buck,64,#1Country Single)
 2. 「Foolin' Around」
続けざまにBakersfield Sound特有の元気のいいホンキートンク・ナンバー。全く違和感がないのは普段Dwightが作り上げているサウンドへのBuckの影響が大きいことの表れだろう。(61,#2)
 3. 「I Don't Care」
(64#1)
 4. 「Only You (Can Break My Heart」
更にスローに更にネットリと歌い上げるDwightのヴォーカルが泣かせる。(65,#1)
 5. 「Act Naturally」
Buck Owensの名を知らない人でもこの曲を耳している人は多いと思う。カントリー・クラシックといってもいい曲。Loretta LynnやKitty WellsらのカントリーシンガーはもとよりBeatlesもカバーしていたのを思い出して10年ぶりぐらいにBeatlesのCDを自らプレーヤーに入れたがケツが青すぎの演奏で申し訳ないが聴けたもんじゃない。
ここでは割とオリジナルに忠実に演奏されている。(63,#1)
 6. 「Down On The Corner Of Love」
 7. 「Cryin' time」
 8. 「Above And Beyond」
(60,#3)
 9. 「Love's Gonna Live Here」
(63,#1)
10. 「Close Up The Honky Tonks」
GPの名唱でロック・ファンにも知られているこの曲をゆったりとした16ビートでオルガンまで加えてのアレンジ。
カバー曲のアレンジ・センスの素晴らしさにはいつも驚かされていたのだが、そこには少なからずPete Andersonの力があると思っていた。すいませんでした。いやぁ、これは良い!ロック的なリズムに乗せて緩めに唄うカントリーなヴォーカルが絶妙だ。
11. 「Under Your Spell Again」
オリジナルより強めにバック・ビートを刻むドラム、歯切れのいいテレキャスのサウンド。うーん、これぞ現代のBakersfield Sound!(59,#4)
12. 「Your Tender Lovin' Care」
(67,#1)
13. 「Excuse Me (I Think I've Got a Heartache)」
(60,#2)
14. 「Think Of Me」
今更ながらBuckの曲がとてもシンプルで美しいメロディ・ラインを持ったものばかりであることに驚かされる。
(66,#1)
15. 「Together Again」
これもカントリー史上に残る名曲。カントリー界では多くのアーティストがカバー。GPやEmmylou Harrisのバージョンはロック・ファンにもお馴染だろう。Dwightは少しメロディを崩した独特の唄いまわしを聴かせる。(64,#1)

結論を言います。素晴らしい!Buckも草葉の陰で後継者の敬意溢れる追悼盤の出来に目を細めて、そのメチャでかい鼻の穴を膨らませていることでしょう。

だけどもだけど・・・Peteに戻ってきて欲しい・・・・。


「Close Up The Honky Tonks」



「Act Naturally」 Dwight & Buck



「Streets Of Bakersfield」 Dwight, Buck & Flaco


「Mystery Train」 Dwight with Pete, Don Was & Kenny Arnoff!
Peteのテレキャス捌きは必見!


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Bobby Bare 「Sings Lullabys, Legends and Lies」 [Today's Album]

「Sings Lullabys, Legends And Lies / Bobby Bare」 (1973/2007)
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Bobby Bare Sings Lullabys, Legends and Lies (And More)

Bobby Bare Sings Lullabys, Legends and Lies (And More)

  • アーティスト: Bobby Bare
  • 出版社/メーカー: RLG Legacy
  • 発売日: 2007/07/24
  • メディア: CD


もしかしたらとてもダサいことかもしれないんですけど、けっこうこの手のカントリーが大好きなんです。
それでも、聴き始めた頃は手当たり次第に聴いていましたが、今では私なりにこだわりがあるつもりなんですけど。

Illinois州出身、5歳で母親を亡くし、父親に生活力が無かったために一家離散、15歳までは農場で働いて過ごし、その後は工場やアイスクリーム売りで生計を立てながら自身でギターを組み立てOhioのローカル・バンドで演奏をし始める。
最初の録音であるトーキング・ブルース調の「All American Boy」を吹き込むが全く相手にされず、50ドルでOhioのインディーズに買われて59年に他人名義でリリースされるのだがこれが予想外の大ヒット。
徴兵期間を終えてルームメイトでもあったWillie Nelson等と交友を深めながら、作曲を続けポップス畑で多くの曲が取り上げられ、自らもポップス・シンガーとして認識されるがそれに飽き足らず、62年にRCAと契約、カントリー・シンガーとして再起する。 その後はBob Dylanの曲をいち早く取り上げたり、イギリスに渡り地元のバンドと録音するなど、カントリー・アーティストとしては型にとらわれない精力的な活動を続け、Mercury、 United Artistとレーベルを渡り歩き、RCA復帰作となったのがこのアルバム。

このアルバム自体は以前にドイツのカントリーやブルーグラスを好きな人ならご存知だとは思うドイツのBear FamilyというレーベルからReissueされていた。 が、今回は72年にリリースされたShel Silversteinという人の曲のみで構成されたスタジオ・ライブ・アルバムを「まるであなたがそこにいるように」と、リマスターしたこのアルバム自体に加えて、それ以外にBobby BareがShelの曲を演奏した物を16曲集めた盤をプラスした2枚組みというヴォリューム満点の物なのですが、その2枚目の物が今までにCD化されているアルバムに収録されている音源とダブりまくりなのが少々いただけない。

でもSONYとBMGがくっついたことにより、今までこの辺の音源を沢山抱えていながら今までReissueに積極的でなかったRCAのアーティストのアルバムがSONYお得意のLegacyシリーズとして日の目を見るのを期待せずにはいられない。国内盤紙ジャケ化なんて望めないし・・・。

時は73年、白人のためだけのお上品なNashvilleのカントリー・ミュージックに嫌気がさしていたTexasのアウトロー勢がその土地に豊潤に溢れる様々なミュージックを取り込み、にわかに盛り上がりを見せていた。Willieが反逆の狼煙となった「Shotgun Willie」を、Michael Murpheyが自らのニックネームにもなった「Cosmic Cowboy」をリリースしたのもこの年であった。
なんか大河ドラマみたいになってきましたね。

Shel Silversteinという人についても少し触れたい。
彼は作家、漫画家、作詞家、作曲家、編曲家、シンガーとしてどの分野でもある程度の成功を収めた文字通りマルチ・タレントな人で、スキンヘッドに熊男風の(ある人に言わせればきっと・・・)ヒゲを蓄えたおっかないルックスにも関わらず、多くの子供向けの本がベストセラーになっているという人だ。
作曲家としてはDr. Hookが彼の多くの曲を取り上げ、「Sylvia's Mother」「Cover Of The Rolling Stone」のヒットはあまりにも有名だが、Johnny Cashもいち早く目を付けていて、「25Minutes To Go」、「A Boy Named Sue」などを取り上げられるほか、Willie、Waylon、Tompall Glaser、Kris Kristofferson等が挙って彼の曲を取り上げており、アウトロー・ムーブメントにおいても欠かせない人だ。

Bobbyの素朴な語り口や奔放な活動が、Shelのバック・グラウンドと相まってこのアルバムをアウトロー - プログレッシヴ・カントリーの重要アルバムと位置づける記述も多く見かけるが、Bobby自身はアウトロー連中との関係は大事にしながらも、アウトロー、そしてメインストリームのカントリー・シンガーのどちらとも見なされるのを嫌ったようだ。
しかし、当時RCAのドンだったChet Atkinsが癌で入院中だったため、RCA全体を取り仕切っていたJerry Bradleyの目を盗んで本作のレコーディングを決行するなどアウトロー魂は持ち合わせていた。後にJerryは「当時Bobbyが何をしているか分かっていたとしたら間違いなく辞めさせただろう。」と語っている。それだけ保守的なカントリー界では全曲を一人のソングライターの曲で埋めたスタジオ・ライブ・アルバムというのは異端に思えたのであろうか。

収録曲14曲中、12曲がこのアイデアを思いついたBobbyに頼まれたShelが書き下ろした作品で残りの2曲も既発ながらShelの作品。
タイトルどおり“ララバイ”と“古い言い伝え”、そして“嘘”がShelというフィルターを通して言葉になったストーリーにBobbyが持ち前の太く甘いウォームな声で命を吹き込んでいる傑作だ。スタジオにはBobbyの家族の他にWaylon JenningsやMickey Newburyなどもいたと言われており、非常にリラックスしたアットホームな雰囲気で演奏されたようだ。

ここまでであまりにも長くなったのに曲解説は端折って・・・。

Disc One
 1. 「Lullabys, Legends And Lies」
 2. 「Paul」
 3. 「Marie Lavaux」
彼にとって唯一のカントリー・チャートNO.1となった、実在したスペインからNew Orleansに入植した最後の魔女といわれるMarie Lavauxを唄った曲。非常に泥臭くスワンピーでさえあるバックに支えられて唸るように唄うBobbyがカッコよし。
 4. 「Daddy What If」
これもチャート入りしたヒット曲、現在オルタナティヴ・ロック、オルタナ・カントリー界で活躍している、当時5歳のBobby Bare Jr.君との愛らしいデュエットが聴けるメロウな曲。冒頭でJr.の事を“将来のスター”と紹介し「こんなところで唄わせたら後で恥じて俺を訴えるかもしれない。」と冗談交じりに語っているのが聴かれる。
 5. 「The Wonderful Soup Stone」
 6. 「The Winner」
腕力を誇示して周囲を威圧する若者を滑稽に描いたシンプルなカントリー・ソング。
 7. 「In The Hills Of Shiloh」
Judy Collinsに取り上げられたこともある、南北戦争での未亡人を唄ったスローな曲。前の曲と180度違うテーマ:悲劇を唄いこなすヴォーカルが見事。
 8. 「She's My Ever Lovin' Machine」
 9. 「The Mermaid」
10. 「Rest Awhile」
11. 「Bottomless Well」
12. 「True Story」
13. 「Sure Hit Songwriters Pen」
14. 「Rosalie's Good Eats Cafe」
夜中のダイナーにたむろする人々を鮮やかに描写した8分にも及ぶスロー・ワルツ。トレモロのかかったエレピと恐らくLloyd Greenと思われるドブロが切ない。最後は皆のコーラスが加わって。

Disc Two
 1. 「Sylvia's Mother」
Dr. Hookでお馴染。ここではテンポを上げてシンプルなカントリー調。このバージョンもカントリー・チャートでは12位と健闘。
 2. 「Singin' In The Kitchen」
この人は恵まれない幼少期を送った反動か、とても子煩悩で家族想いなようだ。ここでも奥方と3人の子供達が張り切りコーラスを聴かせるのが微笑ましい。他のアウトロー・カントリー・シンガーではとても考えられない事だ。
残念ながら長女が翌年に突然15歳という若さで他界している。Bobbyの心痛は計り知れなかったであろう。74年「Singin' In The Kitchen」収録。
 3. 「$100,000 In Pennies」
ここから5曲目まではブルーカラーのハードな生活を描いた74年の「Hard Time Hungry」収録。
 4. 「Alimony」
 5. 「Back Home In Huntsville Again」
 6. 「Brian Hennessey」
 7. 「Too Many Nights Alone」
 8. 「This Guitar Is For Sale」
心身ともにズタズタの流れ者を唄ったスロー・バラッド。バリトーンで情感たっぷりに歌い上げるヴォーカルに泣きそうです。77年の「Bare」収録。
 9. 「Rough On The Living」
10. 「Numbers」
11. 「Tequila Sheila」
『アウトローがボーダーを越えて逃げる』というテーマ、メヒコ調のギターがMarty Robbinsからの影響をも感じるご機嫌なナンバー。
12. 「Qualudes Again」
13. 「Food Blues」
14. 「The Jogger」
15. 「Me And Jimmy Rodgers」
16. 「Time」


83年の「Drinkin' From The Bottle, Singin' From The Heart」を最後に、自らの意思でColumbiaとの契約更改を拒み、表舞台から遠ざかっていたが98年のWaylon、Jerry Reed、Mel Tillsとのコラボ・アルバム「Old Dogs」で復活。
しかし99年のShelの死去が彼に深い傷をもたらす。ChetやJohnny Cash等と共に嘆き悲しんだというBobbyは「彼が早く逝きすぎたのか、我々が長居しすぎているのか・・・」という言葉を残し再度引きこもり生活に入るが、彼をスタジオへと誘い入れて05年の「The Moon Was Blue」を録音させたのは恥じ入るどころか父を敬って止まないBobby Jr. だった。

アウトローの姿勢には共感を覚えながらも徒党を組むことを嫌ったBobbyの歌声は暖かく、優しく、そしてどこか悲しい。

こんな長い記事いったい誰が読むんですかね??



「Marie Lavaux」



「The Winner」


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The Bridge 「The Bridge」 [Today's Album]

「The Bridge / The Bridge」 (2007)
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The Bridge

The Bridge

  • アーティスト: The Bridge
  • 出版社/メーカー: Hyena
  • 発売日: 2007/10/23
  • メディア: CD


音楽好きな方は毎日のようにCDが届く忙しい年末を送っていることと思います。そんな中、恐る恐る購入した全く知らないアーティストにガツンとやられました。

Hyena Recordsからのデビュー・アルバムでこれ以前にも自主盤がある模様。Merryland州Baltimoreというイースト・コースト出身ながらNew Orleansファンクの影響を強く感じさせるBluesやBluegrass、Jazz、Countryのテイストも盛り込んだごった煮サウンド。今風に言うとジャム・バンドという括りに入るらしいがヴォーカルはLyle Lovettをもっと太くパワフルにしたようなスモーキーな声で中々ソウルフルだ。

メンバーは
Chris Jacobs - Vocal, Guitar, Pedal Steel, Dobro
Kenny Liner - Mandolin, Human Beatbox
Dave Markowitz - Bass
Mike Gambone - Drums
が中心となっていて、そこにホーンやフィドルのメンバーが曲ごとに出入りしているようだ。

1. 「Get Back Up」
ゆったりとしたファンク・ナンバー。打ち込みのようなサウンドはどうやらヒューマン・ビート・ボックスのようだ。この粋でニヒルなヴォーカルをどう受け取るか?
2. 「Angelina」
スライドによるレイド・バックしたイントロでもう降参!キザな歌声も泣かせる。
3. 「14 Days」
セカンド・ラインを取り入れたニュー・オリンズ・ファンク・ナンバー。
4. 「Bad Locomotion」
ここまでも全然悪くないが、けっこうメロウなファンク・バンドかなと思っていたところに強烈なブルース・ロック!間奏でのワウ・ギター、それと渡り合うブリブリ・ベースも聴きもの。
5. 「Easy Jane」
これはLittle Featファンは間違いなく食いつく。スライドはラップ・スティールのようだ。泥臭いファンク・ロック。参りました!
6. 「Shake 'em Down」
これもファンキーでアップテンポ。複雑なフィルが多い曲だが難なくカッチリとこなすリズム隊。ドラムの手数が凄い!かなりの演奏力だ。
7. 「Country Mile」
これはドブロが使われていて泥臭くも幻想的な感じがするスローな曲。
8. 「Further to Room」
ファンキー!
9. 「Flats of the Old Avenue」
ファンクに飽きた頃に絶妙のタイミングで出てくるマンドリンのイントロとハーモニーが美しいThe Bandを彷彿とさせるような曲。やっぱりLyle Lovettに似ているのでは?
10. 「Chains」
これはあんなビート・ボックスが出来るのに何故かヘタウマなKennyのヴォーカルが聴けるBluegrass調というかアイリッシュ・トラッドのようなヘンテコなアコースティック・ナンバー。このアコギのリードもChrisなのか!?
11. 「The Ballad of Clear Rock」
これはChrisとKennyの2人だけの演奏によるナンバー。Kennyの口技で二人にしてはやけに音が分厚いブルージィーな曲。
12. 「Brother Don't」
最後に残しておいた取って置きのファンク・ロックか。様々な楽器のリード・パートをフューチャーしたJam Bandらしい曲。う~ん、Dave Matthewsにも近いような・・・。

しかし、このChris Jacobsという人は本当に芸達者で色んな楽器を色んなスタイルで演奏することができる。泥臭いといってもちょいと都会的で洗練された雰囲気を持つヴォーカルが全てのルーツ・ロック・ファンに受け入れられるかどうかは疑問だが、個人的にはいやらしい大人向けのロックになる手前で留まっていると思う。見逃すのには惜しすぎる逸材だ。

Kennyのヒューマン・ビート・ボックスがどれほどこのサウンドを確立するのに貢献しているのかはわからないが、曲によってはマンドリンでもがんばっているのであえてその辺を突っ込むのは無しということで・・・。

見たところは若そうだが、名前も聞いた事がないバンドがこんなスケールの大きいグルーヴ感を持ったサウンドを奏でるとは驚き。私が知らなかっただけでその筋では有名なバンドなんでしょうか?


「Easy Jane」

「Don't Do It」


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Billy Joe Shaver 「Old Five and Dimers Like Me」 [Today's Album]

「Old Five and Dimers Like Me / Billie Joe Shaver」 (1973)
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Old Five and Dimers Like Me

Old Five and Dimers Like Me

  • アーティスト: Billy Joe Shaver
  • 出版社/メーカー: Koch
  • 発売日: 1996/11/19
  • メディア: CD

 1. Black Rose
 2. Old Five and Dimers Like Me
 3. L.A. Turnaround
 4. Jesus Christ, What a Man
 5. Played the Game Too Long
 6. I've Been to Georgia On a Fast Train
 7. Willy the Wandering Gypsy and Me
 8. Low Down Freedom
 9. Jesus Was Our Saviour and Cotton Was King
10. Serious Souls
11. Bottom Dollar
12. Ride Cowboy Ride
13. Good Christian Soldiers

この人の良さがわかるまではちょいと時間がかかったのを覚えている。
非常にメロディが伝わりにくいガラガラ声に滑舌の悪い彼のヴォーカル・スタイルと聴いたアルバムの順序が悪かったのがその理由として考えられると思う。
最初にこのアルバムを聴いていればすんなりと彼の世界に入れたと思うのだが、最初に聴いたアルバムはこの次にリリースされた76年の2nd、「When I Get My Wings」だった。
その後、2ndを聴いてみると、勿論アルバムとしては1stの方が格段上なのだが不思議な物で全然悪くない。この人がどういうスタイルなのか、どういう変遷を辿ってこのようなサウンドにたどり着いたのかが解るとまったく感情移入の仕方が違ってきてしまっているようだ。他のアーティストでも経験があるのでこういう面も「自分は純粋に音だけを聴いているのではないのでは?」と訝ってしまう理由なのだが・・・。

39年生まれのTexas出身のカントリー系SSW。
ネイビーを除隊後、様々な肉体労働で糊口をしのいでいたのだが、Bobby Bareの事務所の門を叩いたのがこの世界に入るきっかけに。
その後Kris Kristofferson、Tom T. Hall、Bobby Bare、Allman Bros.、Elvis Presley等が挙って彼の曲を取り上げる。
Waylon Jenningsにいたっては殆どの曲がBilly作で最初のアウトロー・カントリー・アルバムともいわれた「Honky Tonk Heroes」をリリース。一気に気運が傾いてきたところでKris Kristoffersonプロデュースにより制作されたデヴュー・アルバムが本作だ。
脇を固めるのはNashvilleのKenny Molone(dr)、Kristoffersonの片腕だったStephen Bruton(gt)、Marc BennoやTony Joeと、Swamp系アーティストのアルバムには欠かせないMike Utley(key)、伝説的なカントリー・フィドラーTommy Jackson等。

1.当初、私が入り込む邪魔をしていたモゴモゴとした南部人らしいヴォーカルも痘痕も笑窪、Kenny Moloneのドラムと切れのいいアコギ・カッティングに導き出されるファンキーなリズムでちょっぴりスワンプ臭も漂わせる素晴らしいこのカントリー・ロックを聴かされれば文句も出ない。WillieやWaylonもカバーしているが素朴なヴォーカルのこのバージョンには及ばない。
2.アルバム・タイトルにもなっている、何をやっても上手くいかない惨めな男が自らを卑下したようなこの曲はTom T.、Waylonに加えて、Jerry Jeff Walkerも「Good Night For Singin'」(乞CD化!)で取り上げているカントリーワルツ。
3.後にDavid Allan Coeが取り上げ、自分のテーマ・ソングのような扱い方までしてしまった、無骨な一言一言搾り出すようなヴォーカルが素晴らしい曲。
6. 列車の走りを思わせるなスネアのロールとギターのカッティングが印象的なアップ・テンポなカントリー・ナンバー。
11.最後に残った1ドル札を握り締めた男の悲哀を歌ったメロディアスな曲。時折調子っぱずれにも聴こえる温かい語り口で、人生のどん底を唄いながらもユーモラスにさえ聴こえる。
12.、13.は96年のCD化にあたって収録された未発表のボーナス・トラック。後者はKristoffersonに取り上げられている。

Billyは今年の3月にTexasのサルーンで発砲事件を起こし一人の男に大怪我させているが、保釈金を払ってリリースされている。本人の弁によると脅されている状態での正当防衛との事だが、目撃者の証言によると脅していたのはBillyのようだ。老いてなおさかんというか、そんなところでOutlaw魂発揮してどうするんだ・・・?

彼は80年代後半よりギタリストである実の息子、Eddyを引き連れてよりハードなホンキートンクをならし続けていたが、2000年にEddyがオーバードーズで死去。その夜ギグの入っていたBilly Joe。姿を現さない息子の穴を埋めたのは盟友Willie Neslonだった。

このアルバムのライナーより引用を・・・
"If you can't love him, put the damned album in the rack and keep your money and PISS ON YOU!"    -Tom T. Hall

アウトローとかプログレッシブ・カントリーの創世記の一枚としてだけではなく、そんな枠を超えた純粋なアメリカンSSWの名盤として味わいたい一品。



「Black Rose」


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Jerry Douglas & Peter Rowan 「Yonder」 [Today's Album]

「Jerry Douglas & Peter Rowan / Yonder」 (1996)
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Yonder

Yonder

  • アーティスト: Peter Rowan & Jerry Douglas
  • 出版社/メーカー: Sugar Hill
  • 発売日: 1996/04/23
  • メディア: CD

 1. Wayside Tavern
 2. Cannonball Blues
 3. Lullaby of The Leaves
 4. Tuck Away My Lonsome Blues
 5. Texas Rangers
 6. Can't Get There From Here
 7. Triburations
 8. When You And I Were Young, Maggie
 9. Girl In The Blue Velvet Band
10. Chicka-Li-Lee-o
11. You Taught Me How To Lose
12. Where Angels Weep

ブルーグラス界にNO.1ドブロ・プレーヤーとして君臨するJerry Douglas。
Country Gentlemenに見出されてのデビュー以来、数多くのセッションをこなし、自らのリード・アルバム「Fluxology」も79年にリリース。その後はソロにグループに、そしてCountry, Bluegrass, Rockミュージシャンのあらゆるアルバムに参加してその卓越したドブロ・テクニックを披露してきた必殺の仕事人。皆さんも彼の参加しているアルバムを一枚ぐらいは知らないうちに所有しているのではないのでしょうか。

一方のPeter RowanはBill MonroeのBluegrass Boys出身という血統書付きでありながらグループ脱退後は、David Grismanとの前衛的なブルーグラス・ユニットEarth Opera、サイケ・カントリー・ロック・バンドのSea Train、Jerry Garcia, David Grisman, Vassar Clements等とのOld And In The Way、同じくDavidにClarence White, Bill Keith, Richard Green等を加えたMuleskinner、Chris、Lorin等自分の兄弟とのThe Rowans、Tex-Mex、SSW色が強いソロ・アルバムなどと捕らえどころのない多岐に渡る活動が異色なアーティスト。

Jerryのソロ・アルバム自体、一般のBluegrassのアルバムに比べると落ち着いた雰囲気を持っている物が多いのだが、本作はPeterとのコラボによってより歌物感が強まり、SSWファンやブルーグラスのチャカチャカした能天気さ(そうじゃないのもいっぱいあるんだけど・・・)が苦手な人にもにも充分アピールできる上質のアコースティック・アルバムに仕上がっている。

基本的にPeterのギター、マンドリンにJerryのドブロ、ワイゼンボーンという非常にシンプルな構成。2.,5.,8.,9.,10.がトラディショナルで、3.とミシシッピの"Blue Yodeler"-Jimmie Rodgersで知られる4.が他人の作品(といってもこれらもトラッドといえるような古い曲)、残りの1.,6.,11.,12.がPeter自身のペンによる物だ。

Peterが甲高い声で歌い上げてしまうブルーグラスは昔はちょっと苦手だったが、本作ではいい感じに力が抜けていて優しいヴォーカルが素晴らしい。機械的且つ人工的なエフェクトは全て排除してリバーブもノイマンのチューブ・マイクで捕らえられた部屋鳴りのみの非常に耳に心地よいサウンド。
4.や8.でのJerryによる透き通る川の流れのように流麗なイントロには心が洗われるようだ。
泥臭くも荘厳なドブロの魅力が味わえるアルバム。

もっとJerryの高度なテクニックを誇っていながら嫌味のないドブロ・ギターを堪能したい人には92年の「Slide Rule」あたりから入るとよろしいのでは・・・。

このアルバムを聴くと思い出すのが、私が発病してから疎遠になっている心底音楽を語り合えた数少ない友人と出かけた本作リリース後に実現したこの組み合わせでの来日公演。
今思うとこの2人が来たなんて奇跡に近いと思うのだが・・・。

その会場で故 高田渡さんに遭遇。渡さんは私を見つけると酔ってきて、じゃない依って来て、「凄いよぉ、(スライド・バーが)グイッと来てフレット上でピタッと止まっているよぉっ!」と子供のように興奮して人懐っこい笑顔で酒臭い息を吹きかけながら話していた・・・。

ご冥福をお祈りします。合掌

因みにライブの演奏も勿論素晴らしかったです。


2人の共演映像は酷い物しかありませんでしたので・・・。

「A Man Of Constant Sorrow / Peter Rowan」

「We Hide & Sick / Jerry Douglas」
どうしてもHead-Banging Mandolin-ManのSam Bushに目が行ってしまいます・・・。Stuart DuncanがフィドルでMark O'Connorが・・・ギター!?



「Patrick Meets the Brickbats / Jerry Douglas Band」 



「Little Meddley / Jerry Douglas」 Little Marthaが聴けます!




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The Dependables 「Klatu Berrada Niktu」 [Today's Album]

昨日は義母の三回忌法要でした。気圧の谷間のような荒れ模様の天気でかなり調子が悪かったですが、義母はとても穏やかで優しく、自分よりも他人の喜びを優先する聖人のような人だったので片道2時間かかる運転もがんばってこなしてきました。しかし、何故か義母の3人の娘達は誰一人としてその穏やかさを全く受け継いでいないんですよね・・・。

今秋の大物リリースはまだまだありましたが、とりあえずまたランダムなアルバム紹介に戻らさせていただきます。

「The Dependables / Klatu Berrada Niktu」 (1971)
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Klatu Berrada Nitku

Klatu Berrada Nitku

  • アーティスト: Dependables
  • 出版社/メーカー: Revola
  • 発売日: 2003/09/22
  • メディア: CD


① Loving You More
② Who Could You Get (To Love You)
③ Give Me Love
④ Standing Here Alone
⑤ Don't Blame On Me
⑥ I Don't Know
⑦ Get It, Get It
⑧ Baby Don't Cry
⑨ To Do Me Right
⑩ I've Got No Time
⑪ I Take What I Want

まだCD化されているものが少なくてSSWやSwamp系のアナログを買い漁っていた頃、未開拓のアーティストを選ぶ基準はジャケット写真やレーベルといったものより、プロデューサー買いや参加ミュージシャン買いの方が高い確率で当りが多かった。
このアルバムを手にした理由はドラムスにChuck Blackwell、そして当時バリバリのベーシストであった私の師Carl Radleが参加しているのを見つけたから。
聞いたことないアーティスト名に解読不能なタイトルだったがCarl参加で即購入。

今年になってから、こいつがCD化になったを見つけて小躍りして注文したのだけどリリースされたのはけっこう前。オリジナルはUnited ArtistだったがUKのRevolaとUSのSound City Musicというレーベルから再発。ここで"Remastered"の文字に騙されてUKのRevola盤をチョイスしたのだがこれが大間違い。
アナログ盤はアナログといえども、「ここまでこもった音は聴いたことがねえよ!」っていうぐらいモコモコしていた。それをリマスターに関わった本人達も気にしていたのかどうか、これでもかって言うぐらい高音域を強調したマスタリングで耳が痛い。最近こんなのばっかり・・・。どなたかUS盤聴いた方いっらっしゃいます?リポートください!

中身の方は流石Carl Radle参加、と言えるぐらい素晴らしいB級スワンプ!(?)

The DependablesというのはThe MilleniumやSagitariusに在籍していたJoey Stecが、Ralph Scalaが在籍していたBlues Magoos(あのEric Justin Kazも在籍)のレコーディングに参加したことから始まったJoeyとRalphのデュオかと思っていたのだが、どうやら

Ralph L. Scala (Vo, Piano, Organ)
Joey Stec (Guitar)
Ron Gilbert (Bass) Blues Magoosのメンバー
Claudia Lennear (Vo) Shelter People!
Chuck Blackwell (Dr) Taj Mahal, Leon Russell等と活動

が正式(?)なグループ・メンバーで、そこに

Carl Radle (Bass) Derek & The Dominos, Mad Dogs & English Men
Randy Nayler (Key) Randy Meisnerが在籍していたThe Poor
Tom Brumley (Pedal Steel) Buck OwensのBuckaroos等

等がゲスト参加、というのがクレジットによると正しいようだ。

Boyer & TaltonのCowboyのサウンドにホーンを加えてリズムも少々重く、ヴォーカルもBoyer & Taltonの情けなさと切なさを兼ね備えつつ、よりソウルフルにした感じ。このメンツなら当然だがソウルフルでありながら、カントリー色、フォーク色、ヒッピー色を兼ね備えたレイドバック・サウンドが聴ける。
①、②、⑥、⑧は裏返りそうなRalphのヴォーカルにホーンやClaudiaの声が絡みつく元気の良いファンキーなソウル・ナンバー
④Dominosの「Keep On Growin'」を思わせる一番お気に入りの曲。Joeyのギターには強烈な個性は感じられないしソロらしいソロも取らないが、悪くはないしわりとオブリ弾きっぱなのだがヴォーカルの邪魔もしていない。
⑤Tom Brumleyのペダル・スティールをフューチャーしたカントリー・ソング。
⑦はIke Turner作、泥沼の中を這いずっている様なスワンプ・サウンド炸裂。Claudiaのソウルフルなソロ・パートも聴ける。
⑩アルバム中最もブルージーなナンバー。Joeyのギターが長めに聴ける。良い音は出しているがやはりリード・ギタリストではないかな?という印象。これもB級スワンプの醍醐味ということで。
⑪多くのアーティストにカバーされているIsaac Hayes作のソウル・ナンバー。ArethaやSam & Daveを超える名唱とは言いません。が、スピード感だけは負けていない。

アルバム一枚で消えたグループだが、スワンプ・ファンにとっては抑えといて損はない入手容易盤。
どうしても紙ジャケでのCD化にばかり目が行ってしまうが、こんなの出てたの!?っていう再発盤、けっこうありますね・・・。しかも安価で・・・。


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Eddie Vedder 「Into The Wild」 [Today's Album]

「Into The Wild / Eddie Vedder」 (2007)
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Into the Wild

Into the Wild

  • アーティスト: Eddie Vedder
  • 出版社/メーカー: RCA
  • 発売日: 2007/09/18
  • メディア: CD

① Setting Fouth
② No Ceiling
③ Far Behind
④ Rise
⑤ Long Nights
⑥ Tuolumne
⑦ Hard Sun
⑧ Society
⑨ The Wolf
⑩ End Of The Road
⑪ Guaranteed

ひっそりとリリースされた超大物。

この人に対してはBruce Springsteenに持っている感触に近い何かを感じている。勿論音楽のタイプは全然違うし、片やRock界のスーパースターに奉り挙げられ、片やいつも眉間にしわ寄せた陰気臭いグランジ、オルタナ・ムーヴメントの申し子、と世間の評価も両極端なのではと思うのだが、言葉では上手く言い表せないけど何か共通するカリスマ性がある。
「この人がいるのならこの世もまだまだ捨てたもんじゃない。」って思えるような何かが・・・。

「Dead Man Walking」で以前にも縁があったSean Pennが監督で、若手注目株のEmile Hirschを主演に起用した映画のサウンド・トラック。以前からバラ売りはあったんだけど、サントラとは言え初のソロ・フル・アルバムという事になるのではないだろうか。

結論から言いますと1分台の短い曲が多いかと思えば7分台の曲もあったりと、当たり前ながら映像を見ながら聴くとイマジネーションを刺激されるような曲が並び、彼、又はPearl Jamのコアなファン以外には薦められません。
しかし私はここにPearl Jamの未来を見出すことが出来たような気がする。オルタナ・バンドが次々失速、自滅していく中、単なるムーヴメント内の一バンドではなく本物のロック・バンドであることを既に証明しているスマート集団Pearl Jamに対してはこんな危惧も必要ないのかもしれないが・・・。

このアルバムでは殆ど全ての楽器をEddie一人で手がけており、⑦、⑧を除いて全て自作。
勿論、今までのPearl Jamのサウンドからも時折ルーツ・ミュージックへの愛情は感じられはしたのだが、更にそのルーツ嗜好を推し進めたサウンドになっている。

オープニングの①、バンジョーも聴かれる②、かなり重めの③等は"アコースティックなPearl Jam"といった感じで、今までのファンが聴いてもそれほど違和感は感じないであろう。
④マンドリンの弾き語り。
⑦シングルになったGordon Peterson(よく知りません)という人の曲。荘厳ささえ感じられるサビのコーラス、ラストの轟音ギターが聴き物なヘヴィーなフォーク・ロック。
⑪ギター一本の弾き語りだが非常に表現力のあるヴォーカルが聴ける。

映画を見るまではどれほどSean Pennの描きたかった世界を表しているかという点では評価が出来ないが、音楽面のみでも以前から思っていた通りこの人が深く太い根を持っていたことを再確認できたという点では個人的に価値のあったアルバム。



「Hard Sun」
「Guaranteed」
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Ryan Bingham 「Mescalito」 [Today's Album]

「Mescalito / Ryan Bingham」 (2007)
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Mescalito

Mescalito

  • アーティスト: Ryan Bingham
  • 出版社/メーカー: Lost Highway
  • 発売日: 2007/10/02
  • メディア: CD

①Southside Of Heaven
②The Other Side
③Bread And Water
④Don't Wait For Me
⑤Boracho Station
⑥Sunshine
⑦Ghost Of Travelin' Jones
⑧Hard Times
⑨Dollar A Day
⑩Take It Easy Mama
⑪Long Way From Georgia
⑫Ever Wonder Why
⑬Sunrise
⑭For What It's Worth

現在ではネイテヴ・アメリカン・チャーチでのみ使用が許されている幻覚剤サボテンのペヨーテ。そのペヨーテを自省のために使用した時のみ感知できる境地を"Mescalito"と呼ぶらしい・・・。

唯一メジャー傘下で大物ルーツ系アーティストを多数抱えているLost Highwayから期待の新人。

今年の新人王決定!

これ以前に未聴ながら自主盤が2枚ほどあるようだが、今年メジャー・デビューだから権利はあるんですよね?ハゲた新人王のペドロイアさん?

いわゆるアメリカーナ系のSSW。まだ25歳ということだが、とてつもない奥行きが感じられる。その唄い回しにはDylanの影もちらつき、Woody Guthrieが持っていた放浪、Hank Williamsの孤高といったイメージが、繊細さも感じられる酒焼けした歌声から滲み出る摩訶不思議な若者。かといって彼の音楽は単なる古臭いフォークとかカントリーの焼き直しではない。Mark Ford(ex Blackcrows)のプロデュースとバックのThe Dead Horsesによって一体感のあるスケールのでかいルーツ・ロック・サウンドを聴かせ、聴く物を圧倒する。

Ryan BinghamはTexasの非常に貧しい牧場で育ち、経営に失敗した両親と共に荷物を解く間もなく町から町へと移り住む幼少期を過ごす。10代中ごろには牧童やブル・ライダーとしてロデオ競技で自活し始める。
幼少時からバーを経営する叔父の影響で音楽には慣れ親しんできたが、本格的にめり込んだのは17歳の時、隣人であったマリアッチ・マン宅に入り浸り、ウイスキーを酌み交わしながら(合法か!?)ギターを伝授されてからだった。
これらのHardな体験が彼の書く曲に投影されているのは間違いない。

Mark Fordも随所で素晴らしいサポートを聴かせているが、本人もかなりインパクトのある上手さより豪快さが目立つスライドを多くの曲で聴かせている。
①BluegrassやWoody Guthrie、Jack Elliottのプレイで聴かれる伝統的なフラット・ピック奏法とハーモニカのイントロにドラムのロールと心地良い歪みのエレキのオブリやマンドリンが重なる。ラストはアップテンポでバンジョーも・・・・。掴みとしては充分すぎるフォーク・ロック。
②アコギの弾き語りかと思いきや、The Bandのような粘り気のあるリズム隊にバンジョーやアコギによるスライドも絡めてくる。
③重たいリズムに豪快なスライドとバンジョーが圧巻なイントロ。リズムの裏を取るハンド・クラップにより勢いを増して、居場所を追われた孤独感が暴走する・・・。只者ではない。
④シンプルなバックに乗せて切々と訴えかけるスローな曲。ドブロを弾いているMike StarrってAlice In Chainsの人じゃないですよね?
⑤名も無きマリアッチ・マン直伝の哀愁のスパニッシュ調弾き語り。
⑥アコギのシンプルなリフでグイグイ引っ張るヘヴィーな曲だ。ブリッジ部ではスライドとフィドルで畳み込む。
⑦ロー・レンジでのTerry Allenのピアノが効果的な重たいエイト・ビートのアコースティック・ブギー。バンジョー、セロ、スライドと様々な音が聴かれるが決して煩くない。
⑧これもThe Bandを彷彿とさせるようなタメの効いたリズムにMark Fordのスライドが唸る強烈なロック・ナンバー。虐げられ、打ちのめされてきたRyanの“Hard Times”がここに凝縮。
⑩ファンキーなギター・カッティングに意表を衝かれるハードなナンバー。

悪い曲は無いのだが言わせてもらえば曲が多すぎ。2~3曲減らしてもらった方がグッとアルバムの密度も増すと思うのだけど・・・。私も年かな・・・。

Lost Highwayがどこまで我慢して使ってくれるかは微妙だが、このような逸材に出会える喜びを与えてくれたことには感謝したい。25歳の若者がこんな曲を書き、歌うことが出来るのに十以上年上の私には何があるのだろうか・・・?凄い良いアルバムだがなんか落ち込むなあ・・・。

過酷な体験がもたらした感情の吐露と自戒の叫びが聴く者を"Mescalito"へと誘う!


Lost Highwayのプロモーション用その1
「Southside Of Heaven」


その2「Bread and Water」


その3「Ghost Of Travelin' Jones」


その4「Take It Easy Mama~Sunshine」


曲名がわかりません!私にはCharlie Danielsの「Sweet Louisiana」をカバーしているように聴こえますが・・・。わかる方いらっしゃったらご一報を願います。


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Shooter Jenningsその2 「The Wolf」 [Today's Album]

あぁ~いくらWSとはいえ6回は投げさせてやってよフランコナ!2点ぐらい取られるまでは・・・。自分で2点取ってんだからさあ。ランナーためたのは悪いんだけど・・・。
このままフェンウェイに帰らないで終わっちゃうのも味気ないなあ。

「The Wolf / Shooter Jennings」 (2007)
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The Wolf

The Wolf

  • アーティスト: Shooter Jennings
  • 出版社/メーカー: Universal South
  • 発売日: 2007/10/23
  • メディア: CD

①This Ol Wheel
②Tangled Up Roses
③Walk Of Life
④Old Friend
⑤Slow Train
⑥Time Management 101
⑦Concrete Cowboys
⑧Higher
⑨Blood From Stone
⑩Last Time I Let You Down
⑪She Lives In Color
⑫The Wolf
⑬A Matter Of Time

Bossショックと低髄で沈む小脳に「カーツッ!」を入れたのは大沢親分や3000本安打男ではなくこの男だった。
過去記事はこちら→Shooter Jennings

前作「Electric Rodeo」から約一年半ぶりのサード・アルバム。

勿論期待していたのだがこちらは期待を上回る出来。
まず彼のロック・サイドが楽しめるのが・・・
ゲストのCajun Country Rockの鬼才Doug Kershawの扇情的なフィドル、早口でまくし立てるShooter、エンディングで絡むLeroyのリード・ギター。文句なしのヘヴィなカントリー・サザン・ロック①、
キャッチーなメロディを持ったストレートなアメリカン・ロックの②、こういう曲もできるのが彼らの強み。もちろんヒットなんか狙っていないのだろうが・・・。Bossに聴かせてやりたい。
Dire Straitsのヒット曲を重厚なカントリー・ロックに料理してのけた手腕に脱帽の③、
またも聴けたShooter流Swamp-Rock⑧、
ゴスペルっぽいコーラスを配した感動的な⑨、
オリジナルより重さを増して全盛期のLynyrd SkynyrdのようなTed Russell Kamp作の⑩。

カントリー・サイドとしてはどの曲でも父親譲りの深い声が自在に舞う。
ミディアム・テンポで間奏のホーンが郷愁を誘う④。
The Oak Ridge Boysによる男臭く分厚いコーラスのリフレイン、父Waylonのアウトロー・カントリー路線を更に過激に推し進めた⑤。
ホーンによるイントロにびっくり、しかし始まってみればお手のもんのホンキー・トンク・ナンバー⑥、このリズム感と深みのあるヴォーカル、最近のいわゆるチャート物カントリー・シンガーたち、良く聴け!
泣きのスロー・カントリーの⑦、
メキシコ調のリズムとホーンは新しい試みだが違和感無しの⑪、と良い曲尽くし。

強いて言えば⑫、⑬あたりを除いて1,2作目みたい10~11曲ぐらいでサクッと終わらせて欲しかった。あれ?⑫はタイトル曲か・・・。悪い曲じゃないんだけど後半、ダラっとしたテンポの曲が並ぶんで・・・・。

三枚目で大手Universalに居残っているのはオヤジの七光りなのかもしれない。しかしそれを逆手に取りやりたい放題の確信犯Shooter、こんな時代にこんな小汚い奴等がメジャー・レーベルでいなたいサウンドを鳴らし続けているのは痛快!

普通の人達には野蛮で低脳な人間の音楽に聴こえるのかもしれない。でもなぜかこの手の音楽を好む人達のブログやコメントはとてもユーモアがあり、表現力に富んでいて詩的で知的なものが多い。私を除いて・・・。



「Walk Of Life」 PV 


「Walk Of Life」
 Live



「Old Friend」


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