Healing? [MudslideslimのDetox]
去年、相方が気苦労からか、突発性難聴という病気になった。
耳鳴りがして、ある一定の音域の聴力がガクンと落ち、眩暈も伴うことがあって、治療が遅れると聴力が落ちたところで固定されてしまったり、メニエル病に移行してしまったりと難聴とはいえ侮れない病気らしい。
面食らった私は普段心労をかけていることが多いので、全面的にサポート、早期入院で事なきを得た。私同様、音楽好きの相方だが、なるべく耳を休めた方が良いとのことで、通常体調が悪い時には癒しとなる音楽が使えない。
症状が落ち着いてきてからも、怖いようで中々音楽を聴き始めることができなかった。そこで私が買ってきたのがモーツァルトの耳に優しい曲ばかりを集めたCD。これが心地よかったらしくMP3プレーヤーに入れて持ち歩き、寝るときもかけていた。おかげで彼女は徐々にRockも聴けるようになり、今でも「気分が落ち着く。」と言ってそのCDを聴きながら眠っている。
しかし、これが私にとっては拷問だった。
只でさえ眠れないのに、その音楽が耳に入ってくると落ち着くどころか、頭の中で巻き毛のヅラの男達とコルセットでやたらにウエストの細い女性達が舞踏会を始めてしまい、そのイメージを打ち消す事が出来ずに逆にイラついてしまう。
最近はどっちみち耳栓して寝ているので関係ないのだが・・・。
以前、TVであらゆる年齢層の人々に聴かせて最も多くの人にアルファ波がでた音楽がモーツァルトのものだった。というのを見たことがある。
が、誓ってもいい、どんな装置を使っても私の頭の中からは踊り捲る巻き毛のヅラしか検出できないであろう。
元々、アルファ波よりアドレナリンをエネルギーに行動するタイプだし、ハードコアなカントリー・ロックばっかり聴いているように思うかも知れないが、私にだって癒されたい時があります。そんな時はこんなの聴いてます。
因みにここに挙げるアルバムは巷で言われているヒーリング・ミュージックには程遠いサウンドです。
ヒーリング・ミュージックでは私の傷は癒されません。眠くなるという点では癒されているのかも知れませんが・・・。
Sings the Best of Jimmy Webb 1967-1992
- アーティスト: Glen Campbell
- 出版社/メーカー: Raven
- 発売日: 2006/05/16
- メディア: CD
優れたギタリストとしても知られるカントリー・シンガー。個人的にBacharachに匹敵するロック‐ポップス系ソングライターだと思っているJimmy Webbの曲ばかりを集めた編集盤。何故かWebbのオリジナル・アルバムは辛い物が多いのだが、Webb作品最高の歌い手である彼にかかれば・・・。
説明無用のスライド・ギタリスト、ギター一本で私の涙腺をゆるませることができる稀有な存在。⑤「Maria Elena」を愛聴。
ご存知JTの実弟LT。時折ソングライターとしてはこちらの方が上?と思うことも・・・。AORになってしまう一歩手前で寸止めのサウンドと繊細なヴォーカルが優しい。これ紙ジャケのようですよ。
①「Bright Side Of The Road」、タイトルそのまんまの⑤「The Healing Has Begun」。この人の作品に心を動かされている限り、自分はまともなんじゃないか、って思っちゃう。どんな時にも、この狂った世の中を生き抜く活力を与えてくれる人だ。狂ってんのは俺か・・・。
「Wichita Lineman / Glen Campbell」
・