Michael Murphey [Today's Album]
私としたことが・・・CD化されたの見逃してました。
米版は限定5000枚シリアル・ナンバー入りのデジパック仕様で例のHip-O Selectから、恐らくこちらはダブルジャケットだったオリジナルのアートワークを再現しているのではと。
その他にオーストラリアのRavenからボーナス・トラック、ライブ録音5曲入りでもリリース。Ravenは今までRemasterでもあまりいい音だと思った試がなかったが、ボーナス・トラックに目がくらみ豪盤をチョイス。でもそんなに音質の悪さが気にならなかった。持ってたアナログがボロボロだったしな。それともマスタリングの腕を上げたのだろうか?
JTやCarol King、Laura Nylo等の西海岸系や都会派SSWは日本でも人気があるが、どうもカントリー系のSSWは正当な評価を得られていないような・・・。
Willie NelsonやWaylon Jennings等、Nashvilleでは外れ物だったカントリー・シンガーと、Guy ClarkやJerry Jeff等ソングライター・サイドからカントリーよりのサウンド・アプローチを行っていた連中がTexasで作り出した70年代のアウトロー・カントリー、プログレッシブ・カントリー・ムーブメント。その中心人物の一人だったのが"Cosmic Cowboy"=Michael Murpheyだ。
彼の代表作は大ヒット曲「Wildfilre」を含む「Blue Sky - Night Thunder」なのだろうが、荒削りだが素朴なサウンドと、瑞々しいヴォーカルが魅力的で、SSWという観点から見るとこちらの方が好みかもしれない。
Michaelの声は、透明感があり、いわゆるクリア・ヴォイスなのだが軟弱さは全く感じさせず、聴くものの胸に直接染み込んでくる優しさに満ち溢れている。
TexasはDallas出身、60年代にカリフォルニアでMonkees結成前のMike Nesmithと活動を共にした後、カントリー・ロック・グループLewis & Clarke Expeditionの一員として活動、彼の書いた「What Am I Doin' Hangin' Around」がMonkeesに取り上げられる。その後もFlatt & Scruggs、Kenny Rogers、Bobbie Gentry、Roger Millerといった大物達に作品が取り上げられ、なかでもKenny Rogersは大変な入れ込みようで全曲がMichaelのペンによるコンセプト・アルバム「The Ballad Of Calico」を発表している。
Texasに戻り、Austinを拠点に前述のプログレッシヴ・カントリー・アーティスト達と進行を深め、72年にリリースしたソロデビュー作。
プロデュースはDylan、S & G、Jonny Cash等Columbiaのアーティストとの仕事で有名なBob Johnston。 参加ミュージシャンには後にJerry JeffのLost Gonzo BandのメンバーにもなるBob Livingston、Gary P. Nunn、Nashvilleの敏腕セッション・ドラマーKenneth Buttrey等が含まれている。そしてクレジットには意外にもLeonard Cohenの名が"Good Spirits"として刻まれている。Bob JohnstonつながりでMichealを知ったLeonardはMichaelのソング・ライティング・センスに感銘を受け、彼を励まし続けていたらしい。
①「Geronimo's Cadillac」、アコギのイントロに乗せて、調子っぱずれになりそうでならない危ういハイノートで歌いだす不思議な雰囲気のある曲だ。黒人の権利を擁護する歌は世に溢れていたが、迫害され続けたネイティヴの権利を擁護する歌がなかったことを嘆いて書かれた曲。実際にLakota IndianのMedicine Man(祈祷師)と深い親交を持ち、スピリチュアルな面で多大な影響を受けていたらしい。Hoyt Axton、Cher、Manfred Mann's Earth Band等にカバーされた隠れた名曲。ヒューストンやボストンでは当時オンエアが禁止された。
②「Natchez Trace」、これもまた先住民ナチェズ族に関するアコースティック・ロック・ナンバー。上手いとは言えないが、愛らしい味のあるボトルネック・ギターはどうやら本人による物らしい。
④「Harbor For My Soul」、は歪んだギターのオブリガードが高揚するMichaelのヴォーカルに拍車をかけるロックンロール・ナンバー。
⑥「Waking Up」、ピアノで始まる美しいメロディを持ったスローな曲。コーラス部分ではゴスペルの影響も感じさせるが、エキセントリックなエレキ・ギターとMichaelのヴォーカルが痛い。
⑧「Boy From The Country」、アコースティックな弾き語り調のこれも美しい曲。ピッキング・ハーモニクスも効果的。
⑨「What Am I Doin' Hangin' Around」、これはMonkeesバージョンでご存知の方も多いのでは。ここではシンプルなカントリー調のアレンジ。Michaelを代表する曲だ。
⑪「Backslider's Wine」、Jerry Jeff Walker、Earl Scruggs、Gary Stewart等に取り上げられたMichaelらしいカントリーソング。
全12曲プラス、ボーナス・トラックとして彼が正式にデビューする前の70年に録音された貴重なライブ音源が5曲収録されている。
"Cosmic Cowboy"の名を知らしめた続く2nd「Cosmic Cowboy Souvenir」、一枚飛ばして4th「Blue Sky - Night Thunder」もAmerican SSWファンなら是非とも抑えておきたい、カントリー系SSWの名盤。
82年にはLibertyに移籍、ミドルネームも使い始めMichael Martin Murpheyの3Mに。
時代の流れか、かなり洗練されたサウンドになってしまうが、メロディ・センスと清涼感のあるヴォーカルは健在でヒットを連発する。更に1985年にW.Bに移籍、カントリー・フィールドに戻り始める。1990年からは自作、トラディショナルを交えた「Cowboy Songs」シリーズをリリースし始め、古きよきアメリカン・カウボーイ・ソング、ストーリーの伝承者となる。これが予想外のセールスを記録し、W.BはWarner Westernなるレーベルまで立ち上げてしまった。(すぐぽしゃったようだけど)
Cowboy Songsシリーズは本当に内容が素晴らしく、曲名は知らずとも口ずさめるような曲がMichaelのヴォーカルで見事に新しい生命が吹き込まれており、将来的にも大いなる遺産になることは間違いないだろう。Cowboy SongsⅢでは棺桶からMarty Robbinsをたたき起こし、あの「Big Iron」を競演するなんて離れ業もやってのけた。
Eaglesの活躍で当時のカントリー・ロックで沸き立っていたカリフォルニアを捨てたMichael。ソングライターとして成功を掴みかけていた彼にとっては魅力的な土地ではなかったのであろうか?
「ウエストコースとでは誰もが競争意識が強く、周りの人々も批評的だった。そんな中ステージに立って自分の書いた曲を演奏するのには気が滅入った。それがAustinでは誰もがお互いに敬意を抱き、カントリー、ブルース、ヒスパニックの音楽に影響を受けた我々皆の音楽が一つの大きな流れになっていった。勿論、レコード会社の発掘によってそんな状況は2,3年しか続かなかったけれどね。」、
という彼自身の言葉に、大自然を愛する彼の音楽の持つ優しさの秘密が集約されている気がする。
ジャケがいいのでこっちも載せちゃえ!
②「Natchez Trace」、これもまた先住民ナチェズ族に関するアコースティック・ロック・ナンバー。上手いとは言えないが、愛らしい味のあるボトルネック・ギターはどうやら本人による物らしい。
④「Harbor For My Soul」、は歪んだギターのオブリガードが高揚するMichaelのヴォーカルに拍車をかけるロックンロール・ナンバー。
⑥「Waking Up」、ピアノで始まる美しいメロディを持ったスローな曲。コーラス部分ではゴスペルの影響も感じさせるが、エキセントリックなエレキ・ギターとMichaelのヴォーカルが痛い。
⑧「Boy From The Country」、アコースティックな弾き語り調のこれも美しい曲。ピッキング・ハーモニクスも効果的。
⑨「What Am I Doin' Hangin' Around」、これはMonkeesバージョンでご存知の方も多いのでは。ここではシンプルなカントリー調のアレンジ。Michaelを代表する曲だ。
⑪「Backslider's Wine」、Jerry Jeff Walker、Earl Scruggs、Gary Stewart等に取り上げられたMichaelらしいカントリーソング。
全12曲プラス、ボーナス・トラックとして彼が正式にデビューする前の70年に録音された貴重なライブ音源が5曲収録されている。
"Cosmic Cowboy"の名を知らしめた続く2nd「Cosmic Cowboy Souvenir」、一枚飛ばして4th「Blue Sky - Night Thunder」もAmerican SSWファンなら是非とも抑えておきたい、カントリー系SSWの名盤。
82年にはLibertyに移籍、ミドルネームも使い始めMichael Martin Murpheyの3Mに。
時代の流れか、かなり洗練されたサウンドになってしまうが、メロディ・センスと清涼感のあるヴォーカルは健在でヒットを連発する。更に1985年にW.Bに移籍、カントリー・フィールドに戻り始める。1990年からは自作、トラディショナルを交えた「Cowboy Songs」シリーズをリリースし始め、古きよきアメリカン・カウボーイ・ソング、ストーリーの伝承者となる。これが予想外のセールスを記録し、W.BはWarner Westernなるレーベルまで立ち上げてしまった。(すぐぽしゃったようだけど)
Cowboy Songsシリーズは本当に内容が素晴らしく、曲名は知らずとも口ずさめるような曲がMichaelのヴォーカルで見事に新しい生命が吹き込まれており、将来的にも大いなる遺産になることは間違いないだろう。Cowboy SongsⅢでは棺桶からMarty Robbinsをたたき起こし、あの「Big Iron」を競演するなんて離れ業もやってのけた。
Eaglesの活躍で当時のカントリー・ロックで沸き立っていたカリフォルニアを捨てたMichael。ソングライターとして成功を掴みかけていた彼にとっては魅力的な土地ではなかったのであろうか?
「ウエストコースとでは誰もが競争意識が強く、周りの人々も批評的だった。そんな中ステージに立って自分の書いた曲を演奏するのには気が滅入った。それがAustinでは誰もがお互いに敬意を抱き、カントリー、ブルース、ヒスパニックの音楽に影響を受けた我々皆の音楽が一つの大きな流れになっていった。勿論、レコード会社の発掘によってそんな状況は2,3年しか続かなかったけれどね。」、
という彼自身の言葉に、大自然を愛する彼の音楽の持つ優しさの秘密が集約されている気がする。
ジャケがいいのでこっちも載せちゃえ!
Video「Cosmic Cowboy」 Willie Nelson’s Picnic '74より
非常に珍しい映像なのでは?残念ながら画質が悪いのと殆どの人が顔中毛だらけなので誰が誰だかわかりません。かろうじてWillie、Leon Russell、NGDBのメンバー、そして馬鹿でかくてやたら目立つDavid Allan Coeだけは確認できます。
それにしても皆楽しそう!
Video「Carolina In The Pines」
最近の映像のようだ。息継ぎ時に若干喘ぐような感もあるが、年を取っても透明感のある瑞々しい声を保っている。
これも画質悪くて顔がわかりません。
cosmic cowboy n,g,d,bが歌っていて・・・知りました。
マイケル・マーフィーのアルバムCosmic Cowboy Souvenirはアナログで持っています。
久しぶりに押し入れから出し、雑音に我慢しながら聞きました。
紹介しておられたCD「Geronimo's Cadillac / Michael Murphey」 (1972)
それからCosmic Cowboy Souvenirもそのうちに手に入れて
聞きたいと思いました。Cosmic Cowboy Souvenirには良い曲が
沢山入っています。良い記事を有り難うございました。Michael Murpheyを
知ることが出来ました。
by holy-ghost (2007-06-07 09:09)
holy-ghostさん、ありがとうございます。
この辺は好きそうですよね。
「Cosmic Cowboy Souvenir」はアナログお持ちでしたか。私も両方アナログもあるのですが、聴かないのにも関わらず、手放すことはないと思います。両方ともダブルジャケットでイラストや写真が素晴らしいですもんね。
「Cosmic Cowboy」はNGDBのライブ・バージョンも聴いているだけで楽しくなりますね。
by Mudslideslim (2007-06-07 19:27)
☆ THANK YOU FOR YOUR KINDNESS.
NOW I'M BACK TO YOU!
by deacon_blue (2007-06-09 00:05)
おっ!お戻りですか!?
またお邪魔させていただきます。
by Mudslideslim (2007-06-09 14:01)
ジャケ買いしちゃいそうなアルバムです。
いい顔してますね。
アウトローにされてしまった、彼等のようなミュージシャン達、僕にいろいろと音楽を教えてくれた先輩は”RED NECK ROCK"って言ってました。
呼び方どうあれ、大好きな音です。
今回も素敵な音楽、ありがとうございます。
by DEBDYLAN (2007-06-12 00:39)
DEBさん、コメントありがとうございます。長い間の放置を許してください。
そうですね、ジャンルとは違ったような定義で南部の商業主義ではない白人のアーティストは「Red Neck Rock」とも呼ばれていましたね。
by Mudslideslim (2007-09-20 18:03)