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The Steeldrivers [Today's Album]

あけましておめでとうございます。 

相変わらずのニート生活にもかかわらず、例の陰謀との闘いのため、去年から突発的に忙しくなることがあります。年が明けてからも早速一つ大仕事をこなしてきました。もうしばらく予断を許さない戦況が続きそうです。
入院する前に2008年度のBest Albumは発表するつもりなので楽しみに(?)お待ちください。まずは書きかけだったものから・・・。

「The Steeldrivers」 / The Steeldrivers (2008)
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The Steeldrivers

The Steeldrivers

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Rounder
  • 発売日: 2008/01/15
  • メディア: CD


 1. Blue Side Of The Mountain
 2. Drinkin' Hard Whiskey
 3. Midnight Train To Memphis
 4. Midnight Tears
 5. If You Can't Be Good, Be Gone
 6. If It Hadn't Be For Love
 7. Hear The Willon Cry
 8. Sticks That Made Thunder
 9. East Kentucky Home
10. To Be With You Again
11. Heaven Sent 

Produced by Luke Wooten and The Steeldrivers

Bluegrassも多様化してきているようで、以前からフュージョンやジャズとクロスオーバーしているアーティストはいたし、最近ではBluegrassをルーツとするJam Bandなどもいる。 
演奏もコーラスワークもあまりカッチリしているモダンBluegrassバンドは、特に気になるリード・プレーヤーがいない場合はパスしていたが、Mike Hendersonの新しいバンドとなれば話は別で聴かないわけにはいかない。

Mike Hendesonといえば、同姓同名の黒人ブルースマンもいるが、こちらはカントリー・アーティストとしてRCAにデビュー・アルバム(94)を残すが、その後直ぐにメジャーからは追放され、同じくメジャー落ちしたKevin Welch、Kieran Kane等が立ち上げたDead Reckoningレーベルに合流、名作「Edge of Night」(96)を発表。これはカントリー・アルバムであったが、Hendersonのギター・フレージング、スライドの音色はもろブルースのそれであった。
その後Bluebloodsを率いググッとBluesに傾倒、強烈なBluesアルバム「First Blood」(96)、「Thicker Than Water」(98)の2枚を発表。全編に渡りダーティーなヴォーカル、ギター・プレーがフューチャーされており、特にそのスライド奏法の凶暴さは凄まじく、恐らくHound Dog Taylor辺りから多大な影響を受けていると思われる。
ソングライターとしても評価は高く、Dixie ChicksからFabulous T-Birds、Solomon Burkeと多方面に楽曲を提供している。
その後なりを潜めていたが、楽器をマンドリンに持ち替え、Bluegrassバンド、The Steeldriversの一員としてシーンに戻ってきたわけだ。

他のメンバーは、同じくDead ReckonersであったTammy Rogers(Fiddle)、Bluegrass界ではよく目にするセッション・プレーヤーのRichard Bailey(Banjo)、カントリー界で数多くのセッションをこなしてきたベテランMike Fleming(Bass)、そしてChris Stapleton(Guitar)という人。殆どの曲がMikeとChrisの共作であるが、盟友Kevin Welchが曲作りに参加しているものもある。 

予想通り1曲目の[Blue Side Of The Mountain]からただのBluegrassではない。
ドラムレスでありながら非常に重心の低いリズムに乗って、High-LonesomeというBluegrassの常識を覆す、非常に野太く、土の臭いを感じさせるヴォーカルが聴こえてくる。ある意味Levon Helmの「Dirt Firmer」を聴いた時と同質の衝撃を受けた。そう、またもスピーカーの向こうから泥を投げつけられたのである。あまりの勢いに避けきれずに泥だらけとなるが、泥の臭いは大好きなので泥まみれでにんまり。流石Henderson先生!んっ?ヴォーカルはMike Hendersonではない?・・・Chris Stapleton?ソングライターとしてカントリー・シンガーに楽曲を提供した実績はあるらしいが、まったく聞いたことがない名前。しかし、ザラザラと目の粗い質感でソウルフルな歌声の持ち主で、Henderson先生を押しのけてリードヴォーカルの座に落ち着いているだけあり、Chrisの歌声が他のBluegrassバンドと一線を画するThe Steeldriversの個性を決定付けていると言っても過言ではない。蛇足ながらカントリー、ロック界と多くのセッションをこなしてきたTammyおば様のこの曲でのプレイもエモーショナルでインパクト大。
2. [Drinkin' Hard Whiskey]のような典型的Bluegrassの展開を持った曲でもChrisの声質と歌唱ほうにより斬新に響く。
3.[Midnight Train To Memphis] 非常に重いサウンドで、イントロやブリッジ部のバンジョーのフレーズがブルージーで生々しい演奏が聴かれる。
6. [If It Hadn't Be For Love] これも既成のBluegrassではありえない非常にソウルフルなChrisのヴォーカルが印象的。通常、Bluegrassでは似通ったかん高い声質での完璧なハーモニーが多いが、Chris、Tammy、Mike Flemingとまったく声質の違う3人でのハーモニーはそれぞれのキャラクターが際立っていて面白い。

スーパー・プレーヤーはいないが、楽曲を表現するために5人が時には離れ、時には固まりとなるソウルフルなプレーに徹しており、小奇麗な白人のためのイージー・リスニングと化している一部のBluegrassバンドに逆行するどす黒い貧乏ブルーグラスを聴かせる名盤。私は彼らの音楽を"Black-Bluegrass"と名づける!いや、縮めてBlack-Grassはどう?

しかし、Mike Hendersonのエレキ・ギターとヴォーカルはもう聴けないのだろうか?
もともとマンドリニストとして音楽キャリアをスタートさせたとは言え、何故、Mike Henderson先生ともあろうお人がヴォーカルも一切取らずにマンドリンというポジションに甘んじているのだろうか?平行してソロ活動をしないのであれば、いっそのことドラムも加入させ、曲によってはエレキ・ギターを弾きまくり大いにBluegrassの規制枠をはみ出してみてはどうだろうかHenderson先生。



[Blue Side Of The Mountain]
Hendersonは何故かドブロを演奏しているが、その奏法はまったくブルーグラスのものではない!

 

[If It Hadn't Be For Love]

[Can You Run]

 


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