J.J. Cale 「Rewind」 [Today's Album]
「Rewind / J.J. Cale」
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Rewind: The Unreleased Recordings
- アーティスト: J.J. Cale
- 出版社/メーカー: W14
- 発売日: 2007/10/02
- メディア: CD
①Guess I Love
②Waymore's Blues
③Rollin'
④Golden Ring
⑤My Cricket
⑥Since You Said Goodbye
⑦Seven Day Woman
⑧Bluebird
⑨My Baby and Me
⑩Lawdy Mama
⑪Blue Sunday
⑫Out of Style
⑬Ooh La La
⑭All Mama's Children
今秋の大物リリース・シリーズ第三弾。この人も大物ですよね・・・・?
ご存知のようにEric Claptonに多大な影響を与えた白人南部アーティストにDuane Allman、Dlaney Blamlett、J.J. Cale等がいるが、その中でもECが本気でなりたいと思っていたのがJ.J. Caleなんではないでしょうか。ECがJ.J.がいた境地にたどり着くことは決してなかったが、その中途半端さが多くの人に受け入れられ大成功へと繋がったのと無縁ではないと思う。
ECはビッグになりすぎてどっかで開き直っちゃったのかもしれないが、同じく彼の影響下にあった者としてはMark Knopflerのほうがよっぽど良い音を出し続けている。
Jean Jacoques Cale(読めない・・・)はOklahoma City生まれのTulsa育ちという生粋のOkie。10代の頃からLeon Russellと親交がありNashvilleでちょろちょろ音楽活動をした後再びTulsaに戻り、今度はLeon、Carl Radleらを頼ってLAに移り、ギタリスト、レコーディング・エンジニアとして活動。Roger TillisonとのThe Leatherocated Mindsに参加、アルバム「A Trip Down the Sunset Strip」をリリースするが、J.J.とRoger Tillisonというメンツの割には時代がらサイケ色が強く泥臭さは希薄。
再度Tulsaへ戻り地道なクラブ・ギグを始めるがDenny CordellとLeon Russellが設立したShelter Recordsと契約。Nashvilleで出会ったAudie Ashworthをプロデューサー、マネージャーとして活動を始める。(彼とのパートナー・シップは00年のAudieの死まで続いた。)
デビュー前のJ.J.に既に魅了されていたECはその直後にリリースした1st ソロアルバムであの「After Midnight」をカヴァー。JJの名はRockファンに知られることになり71年に「Naturally」でデヴュー、「Crazy Mama」、「After Midnight」は小ヒット、Lynyrd Skynyrdによるカバーがサザン・ロック・ファンには知られている「Call Me The Breeze」も収録。しかしECの張り切り「After Midnight」を聴いて期待した人は脱力したに違いない。隙間だらけのサウンドに呟きのような枯れたヴォーカル。インパクトでは全く勝てない、よわよわセルフ・カバーなのだが、聴けば聴くほど味が出るのはこの曲に限らずJ.J.の魅力。
そのJ.J.の73~83年の未発表曲集がリリースされた。
①からカサカサのヴォーカル、独特の指引きによるペラペラとしたギターにジャジーなピアノでぐいっと彼の世界に引き込まれ、Mac Gaydenが強烈なスライドを聴かせる、これぞ本物のレイドバックといわんばかりのゆったりとした⑥、剛のTony Joeに対して柔のスワンプ・ロックの巨人が本領発揮ともいえる⑩、これまたジャジーなピアノのイントロに導かれてJ.J.のつぶやきがニヒリズムを演出する⑫、「もっと弾いて欲しい!」と思ったとたんにいつものようにフェードアウトされて中途半端な快感が病みつきになりそうなロック・ナンバー⑬と、今までのアルバム収録曲にも引けを取らないオリジナル曲も満載なのだが、この未発表曲集の目玉は著名アーティストのカバー群で、Waylon Jennings作の②、Randy Newman作の③、Eric Clapton作の④、Leon Russell作の⑤といったところ。
中でもやはりECの④に注目が集まるのは避けられない。数小節はECか?と思わせるような唄いっぷりだが(真似ていたのはECなんだよな・・・)、やはり枯れまくりのヘナヘナ。このようなメロウな曲でもECと違って綺麗になりすぎないのがこの人の強みだ。
これらのカバー曲が良いアクセントになっておりJ.J.のファンのみならず、彼を体験したことが無い人達の入門盤としてもよいのでは?
あまり表に出ることがなかった古い写真も満載で、こういうリイシュー盤は非常に嬉しいです。
そのリラックスしたレイドバック・サウンドとは裏腹に、超がつく神経質らしい彼はとにかく有名になることを嫌っていたらしく、70年代はアルバム・カバーに自分の写真を載せることも許さず、ECのヒットに乗じて見栄えのする衣装を着せて売り出そうとしたAudieの方針も頑なに拒んでいたらしい。
どんなギターを手にしてもあの音が出る。Rockは進化もするが、変わらない良さもある。これしか出来ないのかも知れないし、あのギターにレンジの狭いヴォーカルでは何やってもこうなってしまうのかもしれない。天下のECに師事されながらもロック・スターになることを拒んだのは自分が見えていた証ではないだろうか・・・・。
「After Midnight with EC」 ECヴァージョンに近いテンポ。しかしECっ!違うだろっ!」
「Don't Cry Sister」 J.J.のいくところにChrsitine Lakeland有り。J.J.も渋いがChristineのユル~い魅力にやられた~。ゆるゆるデュエットだ~。
「Golden Ring」 ECよりはJ.J.のような爺さんになりたい。あなたは?
deacon_blueさん、ありがとうございます。
by Mudslideslim (2007-10-22 23:02)
Claptonは私も好きです。
Mudslideslimさんの様に詳しくはないのですが・・・
このアルバム、入門版として是非聞いてみたいと思います。
by 釈愛 (2007-10-23 21:55)
釈愛さん、音楽記事にまでコメントありがとうございます!
Eric Clapton好きでしたか!私がECをあまり良く思っていないように思われるかも知れないですけど、そんなことはないんですよ。好きだったからこそ不満も出てきてしまうんですよね。私に言われたくないだろうけど・・・。
このJJ爺さん、入りにくいかもしれないですけど、このアルバム、特に他人のカバーはわりと聴きやすい曲が多いですよ。
by Mudslideslim (2007-10-23 22:54)