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2008 Best Album (New Releases) [Best Album of The Year]

今日の体調・・・・
何故か身体中の痛みの症状はここ3日ぐらいちょっと楽。このぐらいなら生きていけます。でもやたらダルくて頭が重い。エイリアンは消息不明でどこかに潜伏中。

グラミー賞のほうはRobert Plant & Alison Kraussが複数部門を独占したらしいですね。まさかというか、やっぱりというか・・・。

さて、由緒ある当ブログの2008年度ベスト・アルバムの新譜部門は絞込みに苦労しました。難産の末、選出されたのが以下の12枚です。受賞おめでとうございます!




Just Us Kids

 

 

 

 

「Just Us Kids」 / James Mcmurtry
寧ろ彼の作品の中では出来の悪い部類に入るかもしれないが、私にとっては唯一無二な存在なので一番に入選決定。Jon DeeやC.C. Adcockとの共演ははまっていて新しさも感じたが、この人には変化は望んでいないので「これ以上同じことは出来ない。」などと考えずに自分の道を貫き通して欲しい。ゲストや気を衒った変わった楽器挿入も程ほどに。バリバリとした手癖ギターと震えるハードな声があればいい。

 

The New World

 

 

 



「The New world /
Bruce Robison
1~2曲目辺りまでは「悪くないが、ついに作曲能力も枯れてきたかなぁ。」という感じ。しか~し、3曲目の「Bad Girl Blues」で評価は一変、相変わらずの息づかいまで聴こえてくる生々しいヴォーカル録音も素晴らしく江頭目頭が熱くなる。続くMickey Raphaelのハープが滑らかな「California 85」もどこか懐かしい感じがする8ビート・カントリー・ロックの好トラック。そしてこの後はラストの「Echo」まで全てよし。凄いぞRobison!見た目はJohn Goodman化が進んでいるようです。
 
 

Trouble in Mind 

 

 



「Trouble In Mind」 / Hayes Carll
Lost Highwayからのメジャー・デビュー。定番のギター・ケース・ジャケ写から過去の名盤を思い起こした方も多いと思うが、私がこのジャケから連想したのはTom Rush。サウンドの方は、同じ放浪系でレーベル・メイトのRyan Binghamがバンドとしての一体感をも表現しようとしていたのとは違い、飽くまでも“SSW+サポート”という感がある。全14曲、捨て曲なしで一気に聴かせるが“2、3曲削った方がアルバムの密度も上がるのでは”というのは長いアルバムを通して聴く体力のないオヤジの戯言か。曲によってはドブロ、バンジョーも配したアコースティック・サウンドに適度にエレキ・ギターを被せる音作りと力強くもどこか投げやりなVocalは登場時のTodd Sniderを思い出した。現在のアメリカーナ・シーンの土台を支えるWill Kimbrough、Darrell Scott、Dan Bairdらと共にAl Perkinsも参加。
 
 

Low on Cash, Rich in Love 

 

 

 

「Low On Cash, Rich In Love」 / Eric Lindell
現代のアーティストではBluesよりの人よりもCountryよりの人を好んで聴くことが圧倒的に多いのですがこれはよく聴きました。70年代からブルース専門レーベルとして奮闘しているAlligatorからの2nd。枯れた歌声とギター、ハーモニカを武器にソウルフルなR&Bスタイルの「Lay Back Down」、「Tried And True」、New Orleansっぽいファンクの「It's A Pity」、リズムがゆるく、適度な隙間でうるさすぎないブルース・ロックの「It's My Pleasure」と多彩なサウンドを聴かせる。唯一のカバー・ソングであるGil Scott‐Heron作の「Lady Day & John Coltrane」は、オリジナルはお洒落な人だと思っていたので聴いたことがなかったが、ファンキーなカッティングがカッコよく、リード・ギターもハープも堪能できるブルース・ロックに仕上がっている。
 
 

The Steeldrivers 

 

 

 

「The Steeldrivers」 / The Steeldrivers
一曲目の「Blue Side Of The Mountain」からのChris Stapletonのどす黒いヴォーカルに仰け反ること必至の非常にソウルフルなブルーグラス・バンドのデビュー作。メンバーにはDead Reckoning組のTammy Rogers(Fiddle)とMike Henderson(Mandolin)先生も。グラミー賞"Best Country Performance By A Duo Or Group With Vocals"部門にノミネートされていたが惜しくも受賞は逃した。まあこの部門でのこの手のバンドの受賞は無理でしょう(受賞はSugarland)。
 
 

Blind Man's Hill 

 





「Brind Man's Hill」 /
The Bridge
こんなに早く2ndをリリースしてくるとは・・・。前作でインパクトが強かったラップ・スティールが抑え気味なのは残念ながら、カントリー、ブルーグラス色を強めに打ち出して引き出しの多さを披露。そのラップ・スティールをフューチャーした「Poison Wine」はスカスカの音ながら重いドラミングとスティールの音色でやはりLittle Featのようなヘヴィネスを感じさせる。何故かヘナヘナ声のKennyがヴォーカルを取る曲が増え、新しい試みとも言える牧歌的な「Born Ramblin’」で一息つけるかと思いきや、巧みな演奏に聴き入ってしまう。「Dirt Ball Blues」でのCrisのカントリー・ピッキングは強烈だし、ラスト「Lasting Hymn」は弾き語りなのに荘厳でスケールのでかさを感じさせる。2ndにしてベテラン・バンドのような風格は凄い!
 
 

The Band of Heathens 

 

 


「The Band Of Heahens」 / The Band Of Heathens
ライブでの荒々しさがいま一つ表現しきれていなかったのが少々残念ながら、The BandやCCRの流れを組む正統的なアメリカン・ロック・サウンド満載のスタジオ・デビュー作。中心メンバー3人其々のソロ活動も含めて今後の活動から目が離せない。
 
 

Honey Songs 

 




「Honey Songs」 / Jim Lauderdale
まったく知りませんでしたが、どうやらこの人私に無断で去年関西方面に上陸していた模様。(怒)
James Burton、Ron Tutt(Drum)、Glen D. Hardin(Piano)、Garry Tallent(Bass)、Al Perkins(Pedal Steel)らDream Bandを従えたベテラン・カントリー・シンガー/ソングライターの全10曲35分、音の方も必要最小限にして充分のカントリー・アルバム。近頃、辛口のカントリーが少ないとお嘆きの貴兄に。


Bucket 

 

 

 

「Bucket」 / Mando Saenz
Texas育ちながら何故かとても繊細な語り口とメロディ・センスを兼ね備えたSSWの2nd。1stよりは現代っぽいというかオルタナ・カントリー(使用禁止語か?)っぽさも加味されたメリハリのあるサウンドになっている。ラスト2曲のストリング・アレンジはやりすぎかと思えるが、鼻にかかったヴォーカルと甘酸っぱいメロディが際立つ「Pocket Of Red」、「Pittsburgh」、「Seven Dollars」には干からびたオジサンの胸もキュンと疼いた。歌い出しから聴き手の緊張を和らげるような裏声が聴かれる「All Grown Up」でのハーモニーはKim Richey。他にはDavid GrissomやRichard Bennett等カントリー界のベテラン・セッションマンの名も。近頃あまりこういうのは聴かないんだけど癒されちまった。疲れているのか。
 
 

Modern Hymns 

 

 

 

「Modern Hyms」 / Darrell Scott
ソングライターとしてNashvilleで重用されていたカントリー系SSW。これまでのソロ・アルバムでヴォーカリストとしての資質も証明済みだが、今回はヴォーカル自体がものを言うカバー集。Bob Dylan、Guy Clark、Joni Mitchellといった大御所たちの曲が並ぶが、ポイントを外した玄人好みの選曲。白眉はGordon Lightfootの「All The Lovely Ladies」と、心に染み入るヴォーカルであのJesse Winchesterを思い出したAdam Mitchellの「Out Among The Stars」、そしてMickey Newburyの「Frisco Depot」。元Sugarhill在籍者だけあってSam Bush、Del McCoury、Stuart Duncan、John Cowan、Tim O’Brien、Alison Krauss等敏腕ブルー・グラッサーが参加。あっと、忘れちゃいけないDanny Flowersも。Mary Gauthierとのデュオで聴かせるLeonard Cohenの「Joan Of Arc」なんていう曲も収録。生々しいアコースティック・サウンドと誠実さ溢れるヴォーカルのみで勝負する大人の一枚。
 
 

Amen Corner 

 

 



「Amen Corner」 / Railroad Earth
上で紹介したThe Bridgeの緊迫感溢れる演奏とは対極のユルさが売りのブルーグラス・ジャム・バンドの5作目。基本的にはブルーグラスの楽器を用いたカントリー・ロックといった感じで演奏自体はそんなにユルくもない。では何がユルさの源かと言えばメイン・ソングライターでヴォーカリストでもあるTodd ShaferのJerry Garciaに酷似した歌声。サックス、エレキ・ギターも絡めてPhishのようなグルーブ感を感じさせる「Hard Livin'」、NRPS直系の2ビート・カントリー・ロック「Bringin' My Baby Back Home」、ハードでドライブ感溢れる「Waggin’ The Dog」等、各メンバーは様々なスタイルに合わせた変幻自在な演奏力を持ち合わせている。恐らくライブではもっとインスト部分が強調されるのだろうが、それほどテクに走らず、リラックスした演奏の波間を浮遊するToddのヴォーカルが心地よい。


Same Old Man 

 

 


「Same Old Man」 / John Hiatt
同じようなテンポの曲が並ぶために最初はピンと来なかったが、あ~ら不思議、聴けば聴くほどじわじわと楽曲のよさが滲み出てくるではあ~りませんか。四半世紀前からツルツルになるのは時間の問題と思えたが今でも頑張っている前頭部の生え際のように粘りがある歌唱を聴かせる「Love You Again」や声を張り上げずに優しく語りかける「What Love Can Do」、Luther Dickinsonのスライドが印象的な、「Ride My Pony」。その他、「Our Time」、「Two Hearts」、「Same Old Man」、「Let's Give This Love A Try」とグッと来る曲がめじろ押し。歯擦音が強すぎるヴォーカル処理が惜しいが、シンプルで最小限のアレンジで、曲の良さと心のこもったヴォーカルは充分に伝わってくる。
 




Worst Album Of The Year

Vagabonds 







「Vagabonds」 / Gary Louris

「きっと性格悪い。でも音楽センスに溢れた天才。」というのが私のこの人に対するイメージでした。とても期待していたのですが、全然好きになれません!睡魔以外には何も感じない。聴きなおそうと思ってもただひたすらダルく、眠くなるので未だにどういうメロディの曲が収録されているのか摑めていません。当然「Acoustic Vagabonds」は買う気になれず未聴。更にだるいのか少しは聴けるのか?09年のMark Olsonとのリユニオン作に賭けるか(もう購入済みだが)・・・。



総評
入選作以外ではKathleen Edwardsの「Asking For Flowers」やMalcolm Holcombeの「Gamblin' House」、そしてグラミーを受賞したRick Rubinのプロデュースでヴォーカリストとしての素晴らしさが浮き彫りにされたJacob Dylan「Seeing Things」などもよく聴きました。このあたりは例のごとく気分次第で入選作と入れ替わっていたでしょう。

Mark SelbyやRandall Bramlett等のブルース・ロック勢は其々の前作の方が好みだったので選外。

Counting Crowsの「Saturday Nights & Sunday Mornings」は全然嫌いな音ではないのですが、予想を裏切る問題作でした。今も「髄液を垂れ流してでも見に行きたいバンド」という評価は変わっていないので、いずれここで検証したいと思います。

Lucinda Williamsの「Little Honey」は「Car Wheels~」以降のアルバムでは良い方だと思ったのですが、スピードと切れが命のAC/DCの名曲をひたすら気だるくカバーしてしまうというミスと、けっこういけてる曲のヴォーカル・パートナーとして私が顔も声も作品も好きじゃない大物を選んでしまい、Lucindaのドスの聴いた声と鼻づまり男の貧相な声の相性も悪く、Lucindaデュエット史上最低とも思えるミスを犯してしまったので減点。

Ryan Adamsの「Cardinology」は「Let Us Down Easy」での圧倒的なヴォーカルで不覚にも泣きそうになりましたが、やはりいま一つ他の曲が弱く、私の忠告を無視して短いインターバルで出してきたこと、Neil Casalをバンド・メンバーとしてこき使っていることを併せて鑑みれば、罪は重く選外。

こんな感じでいかがでしょうか。


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コメント 4

tex

うわ~、全然ダブってない上に、知らない人ばっかりです。でも、エリック・リンデルを選ばれるというセンスはやはり共感できますね。悔しいのは、ブリッジがセカンドを出していたのを知らなかったこと。こんなシンプルなバンド名は検索の仕様が無いので、ノーマークでした。

そうですか、mudさんはコステロがそんなにダメなんですか。初めて知りました。
by tex (2009-02-12 21:22) 

Mudslideslim

うわ~、日本では人気がある人なので名前を伏せていたのですが、出しちゃいましたねっ!ここが炎上したらtexさんのせいですよ!
そうなんです。過去に何度もトライはしたのですが、コステロさんは駄目でした。すいません。
The Bridgeの発見は偶然の産物でした。
texさんのリスト中ではAlejandroにもお世話になりました。特に頭に来ることがあったときにハードな曲に。
by Mudslideslim (2009-02-12 21:59) 

matsuda76

ご無沙汰しております。
今年もベスト楽しみにしておりました。

Eric LindellとBridgeはちょい苦手ですが他は全部僕も好きです。(Railroad Earth知らなかったのでチェックします、ありがとうございます)
ベスト50枚選べたらほとんど入りますよ。

総評の部分まで共感。
(Jacobはやっぱり初期のかっこいいロックのイメージが抜けきらないダメなファンなので正当な評価が出来ないですが)
Garyソロがワーストなのも共感。
コ〇テロ嫌いなのまで共感です(笑)
by matsuda76 (2009-02-14 22:01) 

Mudslideslim

matsudaさん~、お待ちしておりました。
コ〇テロ嫌いは奇遇ですね。少数派だと思うので心強いです。(笑)
Eric LindellとBridgeが駄目なのは意外でもあり、なんとなくわかるような気もします。
Garyはホントに煮ても焼いても喰えません!
ここには登場していないのですけど、私は年甲斐もなく、"American Alternative"みたいなのも嫌いじゃないんです。その辺はmatsudaさんのリストをよく見させてもらっていて、Neloというバンドを買いましたが、Sister Hazelが少し軟らかくなったような感じでいいバンドだと思いました。今年も参考にさせていただきます。
by Mudslideslim (2009-02-14 23:37) 

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