Levon Helm 「Dirt Firmer」 [Today's Album]
痛みの強い日がやたら長く続いていましたが、なんとかラマーズ法で乗り切りました。ここ数日は少し楽なので記事を作成しようと思ったらSo-netブログがリニューアルしているじゃあ~りませんか。何がなんだかわかりまへん。ちゃんとアップできるか不安だ。しかし、編集画面と実際の表示画面での見え方が全然違うのはどういう訳?毎日不具合、障害の報告があるやんけ。おい、So-net、なめんな!
「Dirt Firmer / Levon Helm」 (2007)
Click The Picture!
何故か2007年度のベスト・アルバムを選出した際にすっかり私の下がりきった脳から消えていたこのアルバム。
完全にミスです。これは間違いなく入選です。しかも上位に・・・。
チョコチョコと映画にも顔を出しているが最も最近に見たのは、Tommy Lee Jones監督・主演の「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬 スペシャル・エディション 」。あまりの老け込み具合が死を待つだけの孤独な盲目の老人という役どころに合致していてちょっと悲しくなりました。映画の方もどこかで見たようなテーマだがBarry PepperやDwight Yoakamが共演していてこの辺りの音楽が好きな人なら間違いなく好きなタッチで情景、人間ドラマを描いている。
咽頭ガンを克服したとのことだが、その歌声は正直全盛期よりエッジがなくなっているが、昔とは違った力強さが加わっている。
The Band時代から自ら曲を書けない事が彼の最大の欠点だと思っていたし、ソロや再結成後もRobbie Robertsonという性格の悪い天才を欠いた事を思い知らされる作品が多かった。
しか~し、今作では全曲他人の曲というディスアドバンテージが全くマイナス方向には作用していない。
プロデュースはDylan人脈のLarry Campbellと娘のAmy Helm。
1. False Hearted Lover Blues
2. Poor Old Dirt Farmer
3. The Mountain
4. Little Birds
5. The Girl I Left Behind
6. Calvary
7. Anna Lee
8. Got Me A Woman
9. A Train Robbery
10. Single Girl, Married Girl
11. The Blind Child
12. Feelin' Good
13.Wide River To Cross
全13曲中5曲がトラディショナルで残りが他人の曲。オープニングの1.はイントロが始まりLevonの振り絞るかのような力強い歌声が聴こえてきた瞬間にスピーカーの向こうから大きな土の塊が飛んできて顔面にぶつかってきた。こんなに泥臭いサウンドを聴いたのは久しぶりだ。Irishの香りもするブルージーな強力アコースティック・スワンプ・トラック。
5.もトラッド・ソングながらあのドラムにチャカチャカしマンドリン、アコーディオンが絡み、The Bandを彷彿させるサウンド。
興味深いのは現在のアメリカン・ミュージック・シーンを支えるSteve EarleとBuddy Millerというビッグネーム2人の曲を取り上げている点。前者はSteveがブルーグラスに挑戦した名盤「The Mountain」にも収められている3.で、ここではSteveのヴァージョンほど陰鬱さは感じず、突き抜けたヴォーカルで素晴らしい。後者はBuddyの「Universal United House Of Prayer」収録のゴスペル色が強いナンバー13.で、オリジナルに近いアレンジだがより原始的にさえ感じられ、両者ともトラッドに混じっても全く違和感がないような仕上がりになっており、SteveとBuddyに「これからはお前等がこの先何十年も歌い継がれていくアメリカン・トラッドを作り続けていくのだぞ。」言わんばかりの迫力だ。
Carter Familyで知られる10.も原曲の雰囲気に加えてルーズなのにタイトな相変わらずのドラミングでファンキーなスワンプ・ロックに変貌を遂げている。
全編アコースティック主体でエレキ・ギターの音色は聴かれないが本当に力強いヴォーカルと絶妙のドラミングで、アメリカのルーツ・ミュージックが凝縮されたトラディショナルに新しい息吹を吹き込んだ傑作。
天才Robbieがグループの中心的ソングライターであり、リーダーであったのは間違いないがThe Bandの土台、ハートはやはりLevonだったのだ!
Levon、グラミー賞Best Traditional Folk Album部門受賞おめでとう!
南部の農家に育った男、病を克服したジジイの強烈な一撃で皆泥だらけにされちまえっ!
「The Girl I Left Behind」
mudslideslimさん こんぱんわ。
レボン・ヘルム ジサマに成ってしまいましたね。
映像は映画のラストワルツ以来・・・もうひとつ メイキング・オブ・ザ・バンドという
ビデオも最近少しだけ見ました・・・。
チョット見・・・誰だか分かりませんね。
最近 札幌も暖かくなってきました。ボクの体調も少し良くなってきています。
足が糖尿の合併症で感染症を起こしていますし、腎臓の機能が落ちてきている
と・・医者は言っていますが・・・春になれば少しは良くなるはずです。
春になれば 友人のYHで ドラムを ドカドカ叩けます。
それでは また。
by holy-ghost (2008-03-10 00:05)
holy-ghostさん、どうも!
そういえばドラムにフラマン…。もしかしてLevonを目指しているのでしょうか?
元から老け顔なんですがこのところ尋常じゃない老け込み方ですよね。でもこの盤、音の方は強力ですよ。
糖尿病は様々な合併症があって大変そうですよね。お大事にしてください。
お互い冬は冬眠したいものですな・・・。
by Mudslideslim (2008-03-10 17:39)
こんばんわ。
The Band好きなクセに、「性格の悪い天才」の抜けたThe Bandや、彼以外のソロワークを殆ど聴いていません。
が、コレ、エラく良さそうですね。
Brown AlbumのMakingビデオを見た時は、太りきったRick Dankoとやせ細ったLevon Helmがとても気がかりでした。「性格の悪い天才」はアホみたいに元気そうでしたね~。
その後の、Rickさんは周知の通り。Levonさんも、Mudさんの記事によると色々と大変だったようですが、枯れながらも強烈なジジイですね!
by substitute (2008-03-11 01:30)
substituteさん、ありがとうございます。
「性格の悪い天才」はねえ・・・大好きなんですよね。実は・・・。「Last Waltz」なんかを今になって見ると「本当に辞めたいのはオマエだけだろっ!」とか突っ込みたくなる部分がかなりあるんですが。
グラミー受賞に関しては「ガンを克服したからあげとこうか・・・」のような思惑もあるのかもしれないですが内容的には不足がない出来かと。
by Mudslideslim (2008-03-11 21:30)