Radney Foster 「See What You Want To See」 [Today's Album]
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- アーティスト: Radney Foster
- 出版社/メーカー: Arista
- 発売日: 1999/05/18
- メディア: CD
すっかり更新ペースが落ちてしまってますが・・・。
この人もスタートはNashvilleでソングライターとして。
作曲家としてパートナー・シップを組んだBill Lloydとのデュオ、Foster & Lloydを結成して87年から90年までにRCAに3枚のアルバムを残し軽くカントリー・ヒットを出していたが、凡庸で特筆すべきことがないNew Traditinalなカントリー・サウンド。その後ソロとなりアリスタと契約してこれまた軽くTop10ヒットをだす。悪くないが現代的なHonky Tonkサウンドで特に面白くもなんともないサウンド。ジャケも滅茶いい奴っぽい七三ヘアに眼鏡の青年がダサダサカントリー風のジャケットを着込んだ全くいけていないもの。
それが99年のArista Austinからの本作で大化け。Texanとしての気骨を発揮してロック色も強くなり重いサウンドに。君こんなに重たく歌えたんだ?これはいわゆるカントリー・ファンには受け入れがたいサウンドなのかもしれないが、華麗なる変身と捉えたい。
よく見たらメガネもアラレちゃん風丸めがねから鋭いシェープのインテリメガネに変わっていた。
バックにはペダル・スティールやフィドルといったカントリー特有の楽器奏者は含まれておらず、
Drum-Chad Cromwell
(Neil Young, Mark Knopfler, Kim Richey, Allison Moorer, Jack Ingram, Mark Selby)
Bass- Bob Gloub
(70年代からあまりにも多くのアーティストを支えた仕事人)
Key- Rami Jaffee
(Wallflowers、その他参加作多し。)
Guitar- Jay Joyce
(Gillian Welch, Patty Griffin, Shelby Lynn)
といったところがバンド・メンバーで曲によってゲストを招くといった形を取っている。
1. I've Got a Picture
1曲目から今までのつまらないよいこのカントリー路線とはかけ離れたChadが刻む重心の低いリズムの8ビートと、メロディアスながら今までになく陰鬱さを醸し出すRadneyのヴォーカルで「何かが起こっている・・・」と思わせる。
2. I'm In
Radneyの硬質で重さを増した声と、現在、The Resentmentsでも活躍しているBruce Hughesも在籍していたTexasのガレージ-オルタナ・ロック・バンドPoi Dog Ponderingのリード・シンガーであり当時ソロ・シンガーとしてArista Austinのレーベル・メートでもあったAbra Mooreのふにゃふにゃ不思議ちゃんヴォーカルが絶妙の掛け合いを聴かせるベスト・トラック。今まではがなることの無かったRadneyの魂の叫びにビックリ!
3. Raining On Sunday
これも痛いメロディを持ったミディアム・テンポの佳曲。サビ部でソウルフルなハーモニーを付けているのはHootie & The BlowfishのDarius Rucker!
4. Folding Money
トリッキーなギターのイントロとオルタナ臭い音処理を施したドラムが印象的ながらガキっぽさは全く感じさせず寧ろアダルトなオルタナ・スワンプといった雰囲気。幽玄的なコーラスを添えているのはTexasのオルタナ・バンド、Sister 7のPatrice Pike。
5. Angry Heart
他の参加作ではあまり意識したことがなかったが、Chad Cromwellという人のスネアは非常に重いタイム感を持っていて好みだ。ヘヴィでメロウ、ファルセットも駆使したRadneyのヴォーカルに涙。
6. The Kiss
ここでグッとテンポを落として・・・。Steve EarleやGreg Trooper、Jack Ingram等と仕事をしているMike McAdamのスライドが聴ける。Violaを奏でているのはTammy Rogers。
7. You Were So Right
アコギのカッティングでつぶやく歌いだし、一転してヘヴィーなサビ部へと・・・。ヒステリックなまでのエレキのリード。
8. God Knows When
この曲にもフューチャーされているMike McAdamの湿ったスライドがMississippiの重たい雨を運んでくる。良い曲だ。
9. The Lucky Ones
これもカントリーに固執することのない作曲能力と重たいサウンド・アレンジが功を奏した。
10. Godspeed (Sweet Dreams)
ラストを飾るに相応しいしんみりとした弾き語り調。リムショット、ベース、エレキが徐々に加わる。幻想的に響くハーモニーはEmmylou Harris。
その後案の定Aristaからは斬られ、ならず者が溜まるマイナーレーベルの一つDualtoneからのLive Albumとちょっぴりポップ色が強い中道的な「Another Way To Go」挟んで再び自分の居場所に戻ってきた感がある「The World We Live In」も好アルバムだが。モダンな南部系アメリカンSSWにへ脱皮した、捨て曲無しのこのアルバムが今までのところベストでしょう。
Godspeed!
「Godspeed」
「Evelyday Angel」 (「Another Way To Go」収録)
こちらでは初めまして。
私は軟弱者なので、Foster & Lloyd時代~ソロ初期も嫌いじゃないですが(笑)、
Hootie & The Blowfishと絡んで以降に、
一気に音楽的な方向性をシフトした本作の感覚的な格好良さは、
やはり頭一つ抜けている印象ですね。
今でも、棚から引っ張り出して聴いたりする事も多いです。
今の耳で聴くとメジャーレーベル特有の
アレな感じもしないではないですが(笑)、
買った当時はもっと純粋な少年でしたからね。
未だに次が出るのが楽しみな人だけに、
最近はプロデュース業がメインになってきているのは、
少し寂しいところです。
by Buppy (2008-02-19 21:20)
Buppyさん、いつもお世話になってます。
こんな中途半端なところにもお出でいただいて恐縮です。
お若いのにFoster & Lloydの頃から聴いているなんてビックリですね。まあ今の暴走振りを見れば納得できますが・・・。(笑)
不思議なことにカントリー系の人はこの人に限らずメジャー落ちすると皆良くなりますよね。
これからもよろしくお願いしま~す。
by Mudslideslim (2008-02-19 23:37)
Foster & Lloydは後追いですよ…リリース当時小学生とか、
そんなもんですから、さすがに手を出しようがありません(笑)。
by Buppy (2008-02-20 19:31)
年ごまかしてんのかと思いましたよ!
遡ったとしてもFoster & Lloydに手を出しちゃうのは凄いですよ。
by Mudslideslim (2008-02-20 20:30)