SSブログ

「Out of Mothballs」 [MudslideslimのDetox]

「Out of Mothballs / Dan Baird」 (2003)

 

 1. Rock This Place
 2. Picture On The Wall
 3. Memphis
 4. Any Little Thing
 5. Shine A Light
 6. Little Stories
 7. Trouble Comin'
 8. Lock And Key
 9. Seventh Son
10. Shake It Wild
11. Don't Open That Door

このブログでは「なるべく入手しやすいアルバムを紹介する。」という約束でしたが、このアルバムは日本のAとかHとかからは残念ながら購入することが出来ないようです。かといって海外からなら特別入手が困難というわけではないし、これを紹介せずに年を越せるか!という内容なのでいっちゃいます。

Dan Bairdはアメリカン・ロック・ファンにはバブリーな80年代に一切の虚飾を配したシンプルでソリッドなR&Rを聴かせてくれたバンド、Georgia Satellitesの中心メンバーとして焼きついているはず。
バンド解散後、90年代に入りBrendan O'Brienのプロデュースにより2枚の素晴らしいソロ・アルバムをリリースしているが、その後に加入した裏スーパー・グループのYayhoos、それと平行した自分のバンドではマイナーでの活動になってしまい、ここ日本の洋楽シーンでは全く語られることがなくなってしまっているようである。

ところがどうやらDanはメジャー、マイナーを関わらず良質のアメリカンR&Rを追い求めている若者達には正当な評価を受けているようだ。それは非常に嬉しくも有り不思議でもあり・・・・。

これはそのDan Bairdの未発表曲集。ライナーには本人の曲解説以外にちゃんとしたクレジットがないのではっきりわからないがどうやら90年代の録音のようだ。

まず辛口に・・・。
ミックスが80sっぽい。それは悪いことではないのかもしれないし、80sを知らない人達には古臭い音というだけで違和感はないのかもしれないが、当時を知っているオヤジにとってはちょいとムズムズするサウンド。
ギターの音はアンプのスピーカー前で聴いているような迫力ある音で録れているんだけど、如何せん高音が強調された硬い音処理で、Brendan O'Brienのウォームなサウンドと比べると安っぽい。それもEric Ambellなどが創る狙ったチープさではなく、本当に金かけていないサウンドに聴こえる。ジャケットはいいんだけど中のライナーも金かかってなさそうだなあ。
かといって前に腐したBossの新譜に比べると其々の音の分離はよいのでどういう曲かはちゃんと伝わってきます。

良い点は未発表曲集なのに今までのソロ・アルバムより何故か曲がバラエティに富んでいて素晴らしいんです!
4.や6.そして8.のような少し力を抜いた曲がSatellitesの時には必ずアルバムに入っていたのにソロになってからはあまり聴かれなかった。
2.Stonesの曲をAC/DCがやっているようで、ハードながらもキャッチーなメロディだな、と思ったらやはりTerry Andersonが絡んでいた。
3. 「Buffalo Nickel」のアウトテイクだというミディアム・テンポで強烈な泥臭さ!
4.同じく「Buffalo Nickel」時の強烈なギター・リフのロック・ナンバー。
9.「Love Songs~」時のセッションでWillie Dixon作のストレートなR&R。
10. CCRの「ジャングルを越えて」から拝借したと白状しているトレモロ・ギターがエグいながらも、恐らく「Love Songs~」収録の「Baby Talk」と被ってしまうという理由でボツになったのではと思える。
11.ファンキー!
等とお得意のロック・ナンバーも存分に味わえ、前述の力を抜いた曲と合わせればアルバムを通してでも楽しむことが出来る。
結論を言うと、勧められたとおり買ってよかったですよ。

ここから少しデトラせていただきます。
何ゆえあそこまで一世を風靡しており、John Fogertyのサウンドを継承するDan Bairdが、未発表曲集とはいえUKのレーベルからこんな安っちいプロダクションのアルバムを出さなければいけないのだろうか?メジャーとは言わないまでもNew WestとかBloodshot辺りのUSの大手マイナー(カントリー色が弱いので駄目なんですかね?)が権利を買い上げてリミックス、リマスタリングしてやって普通に市場に流通させてやらないのだろうか?
マイナーな若いアメリカーナ系アーティストの輸入盤に帯とインチキ臭い解説付けてぼった喰って売っている日本のレーベルも目の付け所を変えてこういうの出したほうが、このままの音だとしてもそこそこは売れると思うのだけど・・・。

EaglesやBossがチャートで1位になるならこの人だって・・・・
・・・無理か。

でも恐らく一番の問題はDan本人に全く欲が無いことなんだろうなぁ。生活していくのに困らなくてR&Rし続けられれば彼は満足なんだろう、きっと・・・。いまだにスキッパだし。


「Keep Your Hands To Yourself」



「Another Chance」



「Dixie Beauxderaunt」






nice!(2)  コメント(5)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 2

コメント 5

Mudslideslim

takagakiさん、はじめまして。ありがとうございます!
by Mudslideslim (2007-12-05 22:14) 

イチンムネ

Dan Bairdかぁ。なんか懐かしい様な気が。つっても君がソロアルバムを持ってた記憶があるのと、ワタクシはGeorgia Satellitesのベスト盤を持ってただけですが・・・。素人のでしゃばりです。
今日はガーナは祭日で、朝からワタクシは一部持ってきた未開封のCDを聞いてます。ちなみにWagonの「Beauty Angel Queen」!これっていつのアルバムかしら?相変わらず、やさしい(ちょっとフニャった感じの)カントリーロックでノスタルジックな部分を刺激してきます。
そういや昔、Wagonの初期アルバムが気にいって、メールで歌詞が知りたいって送ったら、Chris Petersonから直接返事が来てたなぁ。ああ、懐かしい。
by イチンムネ (2007-12-07 21:40) 

Mudslideslim

イチンムネさん、ご無沙汰しています。
コイチンムネ君もすくすく大きくなっているようで何よりです。
Wagonですか。意外にも私は「No Kinder Room」しか持ってないんですよね。Honeydogsあたりと共通するようなユルさが魅力のカントリー・ロックでしたね。メールに返事くれるなんて律儀な奴ですね。
奥さんが帰国しちゃって寂しいかとは思いますが、今のうちに全て開封しちゃってください。
そろそろNYへ移住ですよね。NY行ったら色んな物が目や耳に入ってきて大変ですよ、きっと。頼みごとするかもしれないんでよろしく。
by Mudslideslim (2007-12-08 09:41) 

DEBDYLAN

ご無沙汰して、すみません(^^ゞ

Dan Baird。
懐かしい(笑)
ファースト・ソロ・アルバム、確か持ってる。

Georgia Satellites。
MTVで観たPVが気に入ってデビュー・アルバムから買ってました。
新宿厚生年金でライブも観たな。
1曲目から「OPEN ALL NIGHT」で盛り上がった記憶が。
もう20年近くも前の話でしょうか(笑)

昔話ばっかですみません・・・

久々に聴きたくなりました。
by DEBDYLAN (2007-12-12 23:18) 

Mudslideslim

DEBさ~ん、こちらでは久しぶりですね。
Satellitesは我々の世代のアメロク好きには忘れられないバンドですよね。
Danは過去の栄光にすがるような再結成にも参加せずに前向きに独自の音を追求していますね。っていってもサウンドは変わらないんですけどね。
このアルバムなんかは未発集なんで中々勇気がいるかも知れないですけど、似ているようで微妙に違う個性の3人が集まったYayhoosの2枚のアルバムはDEBさんなら間違いなく気に入るようなご機嫌なR&Rが詰まった作品ですよ。
想像してみてくださいDanが唄うR&R風にアレンジしたABBAの「Dancing Queen」を!
by Mudslideslim (2007-12-13 22:03) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

Billy Joe Shaver 「Ol..不定期病状報告 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。